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~引きこもりも満喫しましょう~

~引きこもりも満喫しましょう~


 イスファを私がいるゲストハウスに連れて行き、しばらく滞在することをムネリに伝えた。ムネリは「かしこまりました」と言っていたが、なんか無表情だったが、目つきが鋭くなった気がする。


「とりあえず、雨で地面もぬかるんでいましたのでおみ足だけでも洗いましょう」


 ああ、ムネリは平常運転だった。多分断っても絶対譲らないだろうから諦めて足を洗う事にする。ちなみに、洗うのはリズであり、その様子を遠くから見守るのがムネリだ。


 ムネリは仕事を理由に私には触れて来ない。リズは話すことができないが、表情を見ているとわかる。


「今日は色々あって歩くことが多かったんです」


 そう話した。リズは私のふくらはぎをマッサージしてくれた。視界の端でムネリの目が血走っていたけれど気にしないでおこう。


 

 食事が終わった後にイスファに剣術とダンスの特訓をするならどちらがいいかと尋ねたら、いつも夜は素振りをするのが日課だと言うので付き合うことにした。


 剣を上段にかまえ振り下ろす。その際に一歩前に踏み出す。それをただ繰り返すというのだ。


 私も行ってみたが、1回くらいなら問題ないが、何回も、何回も繰り返し行うと腕が痛くなった。


「エリー、軸がぶれてきたよ」

「ありがとう」


 わかっているけれど、うまくできないのだ。剣が徐々に重く感じる。今使っているのは真剣ではなく木剣だ。木剣は真剣よりも軽いはずだが、それでも重く感じる。


 イスファは真剣にさらに重りをつけて繰り返している。私よりも背が低く幼い感じなのに、どこにそんな力があるのよ。


 やっぱり、小さくても男の子なんだなって思った。


 特訓が終わるころには私は中庭の芝生の上に転がって空を見上げていた。


 雨は降っているが空は晴れているのだ。なんだか変な気持ち。でも、星がきれいだ。


「ねえ、星がきれいね」


 私がそう言うと私の横に来て同じようにイスファが寝転がった。


「本当だね。こうやって寝転がるとまた違って見えるね」


 そう言って笑っていた。このまま寝落ちしてしまいそう。


「結構汗をかいたから拭いた方がいいよ」


 いつの間にか立ち上がっているイスファが私に手を差し出してくれていた。手を取り体を起こす。近くにいつの間にかリズがいて、タオルを持ってきてくれている。


「明日からは学園に行けないけれど自習しよう。昼間は授業に合わせた内容をして、朝夕に剣術とダンスの特訓をしよう」


 そう言ってイスファの笑顔が眩しかった。うん、やっぱりイスファってイケメンだよね。



 なんて、軽く思っていました。


 朝、私は難敵と戦っています。その相手は『筋肉痛』です。


 もうね、今までどれだけゆったりと過ごしていたのかわかった。ダンスも行ったけれど、腕だけじゃなく、足腰も筋肉痛だからか、うごきがぎこちないのだ。


 だから何度もイスファの足を踏んでしまった。練習だから曲は流れないけれど、リズが手拍子を取ってくれる。


 私の動きを見てイスファは「少し休んでいて」と言ってくれた。そのままダンスホールから、中庭に移動し、イスファは素振りを始めた。


 途中ミューズと2回ほど模擬戦をしていた。模擬戦というか、ミューズが指導するに近い感じだった。


 ミューズは強いからね。本気になったら悪人のような笑い方をするから怖いけれど。



 この間、私は聖ブブロ王女のジャミラ様に何度か手紙のやり取りをした。放置するのが怖いからだ。


 しばらく引きこもり生活になるためか、他の人にも手紙を書くことが増えた。


 まず、カージェス領の確認としてリムバから報告書が届く。こちらは先にムネリが確認をして、要点をまとめてくれている。その要点にのみ返事をするだけの簡単な作業だ。


 次に手紙をやり取りする相手としてももちゃんがいる。といっても、ももちゃんは目が見えないから、侍女が手紙を読み上げてくれているのだ。また、返事も侍女が代筆してくれている。


 最初何も考えずにももちゃんに手紙を書いて送ろうとしたらムネリに怒られた。


「今からお嬢様が書いた手紙を読み上げます。目を閉じてください」


 そう言われた。そう、長すぎると頭に入らないのだ。だから、要点をまとめて、伝えたいことだけを記載するようにした。


 後、予想していない人から手紙が届いた。


 あのテーブルマナーの時に同席したサリナ・レドルフ、さっちゃんだ。


 さっちゃんは、ラース帝国の貴族らしい。ってか、ラース帝国って悪辣女王からすると、革命軍に協力し、共に攻め入ってきた敵国なのよね。



 だから、最初は距離を取ろうかと思ったのだけれど、よく考えたら仲良くなったら攻めてこないんじゃないのって思う事に決めた。


 だが、このさっちゃんからの手紙はちょっと頭を悩ませる内容だったんだよね。内容はクラスででこちゃんが孤立しているのだけれど、その孤立は私がクラスに指示をしたからだと思っているらしいと。


 だから、授業が再開した時はでこちゃんに気を付けてと言う内容だった。



 ってか、私はクラスで変な噂とか流したりしていないし、というか、そもそもそんな時間はなかったし、それに、周りに指示できるくらいの人徳もない。というか、怖がられている。


 なのでまったくの誤解なのだけれど、その誤解を解く方法がないんだよね。


 考えても仕方がないので、今はこの聖水の雨が終わるまでの引きこもり生活を満喫しましょう。


「今日も頑張ろうね」


 イスファが毎朝笑顔なんだもの。眼福です。


「あ、お嬢様。鍛えるのはいいですけれど、ぷには維持してくださいね」


 こっそりミューズにそう言われました。いや、私はスレンダーボディーを目指しますから。


 というわけで、授業再開となりました。ちなみに、悪魔は見つかりませんでした。リーリカは今カージェス領に行ってもらっていますからね。


 ももちゃんの様子を見てきてと伝えたのだ。


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