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~理事長とお話ししましょう~

~理事長とお話ししましょう~


 ももちゃんはすごくて、迷子にならずに教室に戻れたのだ。これって、すごくない?


 教室についた時にずっと「すごい、すごいよ。ももちゃん!」ってテンションが上がったのだ。だって、迷わずにまっすぐ教室に迎えたんだもの。


「あれ?ももちゃん。次の授業って何だっけ?」

「テーブルマナーですよ。お茶とお菓子が食べれる人気の授業です」


 ずっと興味あったんだよね。どういうメンバーで組むんだろう?


「エリー。一緒の班になってくれますか?」


 ももちゃんがそう言って来た。


「もちろんじゃない。というか、私から誘いたいくらいよ。それで、班って何人必要なの?」

「3人以上だから後一人ですね・・・誰かいるかしら」


 後一人か。私って嫌われているからな。変な噂も広まっているし。

 不安に思っていたら、教師がボッチの子を入れてくれた。なんか白銀というか白い髪を三つ編みにし、小声で話すおとなしい子だ。


 三つ編みだからみっちゃんと名付けよう。


「みっちゃん。よろしくね」

「え?は?わ?私のこと?私はサリナ・レドルフといいます」


 あら、名前かぶっていなかったわね。


「じゃあ、さっちゃんで。よろしくね。さっちゃん」


 そう言って授業が始まると思ったらいきなり、怖そうなとんがったメガネをかけた女性がやってきた。


「ここに、エリザベート・フォン・イレスティアはいるかしら?」


 教室がざわついた。


「理事長だ」

「理事長の呼び出しよ」

「赤い悪魔を倒しにきたのよ」

「理事長!理事長!理事長!」


 何このよくわからない流れ。なんか私どれだけアウェーなのよ。こんなに嫌われていたの!びっくりなんですけれど。


 まわりの圧がひどいので自ら名乗り出た。


「私がエリザベートです」

「話しがあるから付いて来なさい」


 これ、拒否って選択できないんですよね。というわけで、私は楽しみだったテーブルマナーの授業を欠席することになった。


 あ~残念。



 ということで、理事長室に連れて来られました。


 あれ?なんか先に歩いているからその後をついて行っているのだけれど、ちょくちょくなんというか引っかかりがあるんだよね。


 最後の理事長室に入る扉なんて重いし、なんなのよ。というわけで力任せに開けました。


「ほう、これも開けるか。ならば庭園にかけていた『人払いの結界』が破られたのも納得だ。こんな逸材がいたとはな。興味深い。まあ、座れ」


 人払いの結界?何のこと?そう言えばももちゃんがそんなこと言っていたような気がするがそんなのあったかしら?


 ソファに座るとまじまじと上から下とみられた。こちらも見返してみる。


 金髪は肩付近までで内巻きのワンカール。メガネは少し尖っていてそれがきつそうに見える。目は青色。顔立ちはほそくしゅっとしている。


 歳はどれくらいなのだろう。キレイな顔立ちでスタイルもいいが若いと言う事はないだろう。40代なのか30代なのかわからないが、これくらいの年齢の人に歳を聞くのはこわい。触らない方がいいだろう。


 服は青い法衣だが、金の刺繍が所々に施されている。他の教師と違ってベレー帽をかぶっていない。


「ん?お前。変な魔力渦があるな。左胸だ。それは何だ?」


 理事長にそう言われた。この魔方陣のことを相談できるのかもしれない。いや、この人ならアネモネについても話せるのかも。


 そう思ったが口から言葉がでなかった。声は掻き消えていく。いや、それどころじゃない息がうまくできない。どうしよう。


 パン!


 理事長が手を叩いたら、元に戻った。


「ふむ、どうやら制限がかけられているようだな。悪かった」

「いえ、助かりました」


 女神の祝福を受けた後に父に「全属性です」と言おうとしたときよりも状況はひどかった。何が違うのか。転生したことを言おうとしたからなのだろうか?


「エリザベート・フォン・イレスティア。君を呼んだのはほかでもない。私の庭園の結界を破れる者を見たかったからだ。あれはそう簡単に破れるものじゃない。それにすぐに復活させることもできない位のものなのだよ」


 理事長はそう言いながら膝を組みタバコを吸い始めた。


「それで、その左胸を見せてくれないか?」

「はい、わかりました」


 私もこの左胸にある複雑な魔方陣について知りたかった。上半身服を脱ぎ、理事場に胸にある魔方陣を見せる。


 やはり気持ち悪い魔方陣だ。まるで生きているかのように躍動している。


「これはかなり複雑な魔方陣だな。魂の共有?時間遡行?魂の封印?すべて読み切れぬな。これはいつからあるのだ?」


 気が付いた時からですと言おうとしたが、声は掻き消えていった。


「ふむ、発言に制限があるのか。もう、服を着ていいぞ。そうだな。その魔方陣は対になっておるようじゃ。この世界にお前の胸にある魔方陣と全く同じ魔方陣を左胸に刻まれているものがおるだろう。そいつが死ねばお前も死ぬ。また逆も然りだ。お前が死ねばそいつも死ぬ。そういう魂の共有をしているようだ。それだけなら儂が伝えても構わぬだろう。まあ、それがどこの誰かまでは儂にはわからぬがな」


 そんなの一人しか思いつかない。アネモネだ。もう少ししたらカージェス領で見つかる孤児だ。


 だが、いつからカージェス領に居たのか、どこから流れ着いたのか私にはわからない。ラナさんには孤児を見つめたら保護するようにとだけ伝えてある。だって、どこから流れ着くのかわからないからだ。


「それとな、お前には少し行ってもらいたいことがある」


 そう理事長に言われた時に、誰かが理事長室に入ったきた。あれ?この人って確かテーブルマナーの授業の先生のはず。


「理事長。お話しの所すみません。一大事です。生徒が毒で死にかけています!」


 私は理事長と教室に戻るまで楽観視していた。けれど、教室で死にかけているのまももちゃんだと知って焦った。


 ももちゃんは口から泡を吹き、目は白目になり、体がけいれんしていた。その横でさっちゃんが震えていた。


「あんたよ。あんたが毒を入れたのでしょ!赤い悪魔!」


 私を見るなりでこちゃんがそう叫んだ。え?こんな事件なんて私知らない。


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