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~閑話(オザーム東方連合国)02~

~閑話(オザーム東方連合国)02~


 オザーム東方連合国の盟主の娘である私はいつだって一番じゃなきゃ納得がいかない。


 ムカつくと思っていた赤い髪の女は噂の赤い悪魔だった。


 ってか、もっと極悪人な人相とか悪態をつくかと思っていたら普通っぽいんじゃないって思えてきた。


 噂なんて嘘ばっかだよね。


 ならばこちらも噂を流してしまえばいいのよ。それに直接向かい合うのは怖いですもの。だからレーリイに任せておけば安心。


 朝から学園内で噂が広まっていたのでついつい笑ってしまった。ええ、いい気味ですわ。皆さん噂って大好きですものね。



 楽しかったのに最低なことが起こった。実技魔法の授業があった。


 みんな、テンションが上がっていた。


 魔法については座学ばかりだったからだ。なかなか大人は子供が魔法を使うことを許可しない。学園に行けば魔法を教えてもらえる。


 そう思っていた。


 まず、防御魔法が張られている実習場で授業をするらしい。


「今日はストーンバレットを学習してもらいます。地面にある土を素材にして、魔力を練り上げてもらいます。親指の爪くらいの大きさになったら、的にめがけて魔力を射出させてください」


 実技魔法を教える先生はテレーズという若いけれど、学園時代に三ツ星になったと聞いている。3年連続で魔法大会優勝した生きる中央学園の若き英雄と言われている女性。


 そのテレーズ先生に教えてもらえるのだからテンションも上がるというものだ。


 言われたように地面にある土を素材に魔力を練り上げるが、ボロボロにすぐになる。


 魔力が多すぎても、少なすぎても形にならないのだ。


 初日の授業なのだ。誰もがうまくできない。そう思っていたらあの赤い悪魔がありえないことをやったのだ。


「行け!ストーンバレット!」


 私たちが作っていたものと全然違う、黒々とし禍々しいその石つぶてのようなものが的である鎧だけでなく、その後ろの壁も貫通したのだ。


 それも、轟音を立てながら。


「先生。これでいいですか?」


 そう言うと、先生の目が点になっていた。いや、その場所にいたもの全ての目が点になった。そこでわかったの。この赤い悪魔は本物の化け物だ。こんな奴が生きていていいわけがない。どうにかしないと行けない。私はそう思う事が生きるすべて者の責務だと思った。


 私はいつものメンバーに声をかけた。モモハだけは集中しすぎているのか、昨日のことがあったからかわからないけれど、ずっと魔力を練っていた。


「あれは化け物よ。私たちが倒さないと行けないわ」

「噂を流した私は殺されちゃう」

「守るために戦わないといけないのよ!」


 私たちは団結した。決意した。


「成功しました!」


 まさか次に成功したのはモモハだった。テレーズ先生ほどの大きさでも、威力でもなく、鎧にカンって小さい音が鳴っただけだったけれど、誰も石つぶてすら精製できなかった中、成功したのだ。


 なんで私じゃないの。そこは私でしょ。というか、モモハ。身分ってのわかっていないわよね。


「ちょっと、下賤なあんたが私より先に成功しているなんて不遜だわ。絶交よ!」


 私はそう叫んだ。


 授業が終わり教室に戻る時にモモハを無視するよう指示し、わざとぶつかったり、足を踏んだり、持っているものを奪っては床に投げつけたりして笑っていた。


 自分の立場ってものをわかればいいのよ。いい気味。そう笑っていたら『赤い悪魔』がいつの間にか距離を詰めて近くにやってきたんだ。


 ってか、早くあんたたち盾になりなさいよ。


「ねえ、ちょっとこの子と話しがしたいんだけれどいいかしら?」


 赤い悪魔がモモハの肩を掴みながらそう言って来た。というか、目力がヤバい。殺される。


「は、え、ちょ、どういう?こと?」


 つい、わけのわからないことを口走ってしまった。


「なんでそんなにたどたどしい話し方なの?でこちゃん。私たち友達でしょ?私思ったのよ。友達の友達ってことは私の友達でもあるんじゃないかって。だからこの桃色ハーフツインちゃんとお話ししてみたいの。ちょっと借りるね」


 赤い悪魔はそう言うとモモハを連れてどこかに行った。助かった。みんなそう思った。

 レーリイが言う。


「なんかあの赤い悪魔に仕返ししたいですよね。何かしましょうよ」


 そう言えば、アイリもレーリイも私を守るではなく、私の後ろにさっさと逃げましたわよね。

 こうなればこいつらにもお仕置きが必要かも。


「そうね、次の授業はテーブルマナーですよね。お茶を飲みお菓子が食べられるから人気の授業だけれど、そこであの赤い悪魔が飲むお茶の中身を変えてやるのはどうかしら?そうね、そういうのレーリイ得意でしょ?」


 私はそう言ってレーリイの肩を叩き顔を近づける。


「さっき、私を盾にしたこと覚えているわよ。できなかったらわかっているわよね」


 そう言って圧をかける。


「そ、そうね。ねえ、アイリ。中庭にある草花で何かよいのないかしら?」

「そうね、赤い花をつけたものならちょっと痺れるくらいかしら」


 そう二人が話していた。だが、レーリイが入れ替えたお茶であんな事件が起きるなんて思っていなかったのよ。


 それに、実行したのは私じゃないから。だから、私は関係ないんだからね!


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