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~教室まで案内してもらいましょう~

~教室まで案内してもらいましょう~


「ちょっとあなた。そこで一体何しているのかしら?」


 金髪立て巻ロール。青い瞳はつり上がり、口角が少し上がっていて、同じく顎も上がり周りを見下す感じの女性がそこに立っていた。


 そう、私が目に付いた扉を開けようとした時にそう言われたのだ。


 なんだかすごく威圧的な人だな。第一印象はそうだった。


 しかも、その周囲に青、緑、黄色の髪をした令嬢をはべらしている。


 悪役令嬢とその取り巻きかしら。そういう物語を呼んだことがあるわ。


「無視ですの?」

「ジャミラ様が折角お声をかけてさしあげたというのに」

「下賤なものなのですわ」


 なんか色んなことを言われているが、我慢だ。我慢。


「すみません。向かうべき教室がわからなくて迷子になっております。よろしければ教えていただけませんでしょうか?」


 もうこれ以上悪名を広めたくないし、学園では平和に過ごしたいのだ。そう言って私はクラスをつたえる。


「ここは2年の教室があるところですわよ。1年はあちらの棟ですの。わかったら向かいなさい」


 金髪ロールがそう言って指差してくれた。


「ありがとうございます」


 指差した方を向かって歩いたはずなのに、更に声を掛けられた。


「あなた、ふざけているのかしら?私が指差したほうと違う方向に向かって歩いているのですわ」


 はい?指差した方に向かって行こうと思ったけれど、そこに人が居たからよけようと思って右を向いたんですよね。そしたら似たような廊下だったから同じかなって。


「ああ、もう。ファジラ。一緒について行ってあげなさい」


 青い髪をハーフアップにしている女性が付いてくることになった。


「ありがとうございます」

「ジャミラ様に感謝しなさいよね。それにしてもこんなわかりやすい校舎で迷子になるなんて、あなたはよほどの田舎者なのね」


 田舎者?迷子と田舎者って関係あるのかしら?


「すみません。こういう所に慣れていなくて」

「ほら、まず案内板が廊下の上に吊るされているでしょ。あれを見るの」


 言われてからはじめて廊下の上に何かが吊るされていることに気が付いた。


「いつからあったのですか?」

「ずっとあるわよ。確認していなかったのね。一体何を見て歩いているのよ!」

「廊下の模様ですね」


 だって、目に付くのって、廊下、壁じゃないですか。その雰囲気で場所って確認できるものじゃないの?


 カージェス領内だとメインストリートとその他で地面の舗装が違うし。


「なにそれ。あんた本当にバカなのね。いい事。こういう大きな建物や大きな街だと案内板は絶対にあるの。それを見て進めば迷子になんてならないから。覚えておきなさい!」


 なんだろう。この青髪の人。口調はこんな感じだが親切だ。いい人なんだろうな。


「ありがとうございます。誰もそう言う事教えてくれなくて」

「はぁ。あんたの親はどういう教育していたの?」


 親?教育?


「え~と、親とはほとんど顔を合わすことはなかったので」

「では、教育係がいたでしょう?貴族なんですから」


 教育係とは?そんな人員さけるだけのゆとりはなかったな。


「そんな私を教えるためなんかに人員は避けません」

「・・・貧乏貴族ってことなのね。まあ、いいわ。この中央学園でいっぱい学びなさい。ここがあなたの教室よ。覚えたかしら?」


 正直道は覚えていない。ってか、壁も床もどこも同じようにしか見えないのだから。私のその表情を見て、青髪の女性はため息をついた。


「まあ、いいわ。何か困ったことがあったら徽章が赤以外のものに声をかけなさい。赤の徽章が1年生だから。そう言えば、あなた名前は?」


 そう言われて胸につけていた徽章を見る。赤いものをつけており、青の髪の女性は青い徽章をつけている。


 そうそう、名乗らないと。ってか、赤い髪って珍しいからそれで知ってもらえている物だと思っていた。


 あ、でも、赤い髪はイレスティア王国では珍しいけれど他国では違うのか。赤い髪の人私以外にもいましたしね。


 私かカテーシをしてから名乗った。


「私はエリザベート・フォン・イレスティアですわ。今後ともよろしくお願いいたします。青髪の女性の人」


 私がそう名乗ると青髪の女性は一歩後ろに下がって「あ、赤い悪魔!」とつぶやいた。


 え?そんな二つ名つけられているの?


 まあ、血塗れのミューズみたいなものか。


「や、焼き殺さないで!」


 ちょっと待って。いきなりそうくるの?


「待ってください。落ち着いてください。私がそんな野蛮に見えますか?」


 そう言って近づこうとしたが、青髪の女性は「きゃ~」と叫びながら逃げるように去っていった。そして、その様子はクラスの人たちに見られていたのだ。


 そう、私は上級生をいじめたと思われていたのだ。しかも、その上級生はジャミラ・フォン・ブブロの取り巻きの一人。


 私が、聖ブブロ王国第二王女と敵対しているという噂が今日一日で広まってしまったのだ。

 いや、私は平和に過ごしたいだけなのよ!!



新年、あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします

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