~入学式に出てみましょう~
~入学式に出てみましょう~
イスファンは金髪で青い瞳をしていて、見た目は人形みたいにだと思った。
ただ、殴る、蹴る、をされたみたいで服は汚れているし、唇から血が少し流れていて、頬に土埃がついていた。
「ちょっと、こっちに来て」
そう言ってハンカチでイスファンの顔を拭いた。
「汚れますよ」
「そんなの洗えばいいだけじゃない。それより、あなたの方が大切よ!」
それに汚れたままの美少年を連れて歩くと、私が苛めたみたいじゃない。第三者が見て、私を悪者に仕立てるかもしれない。
あ、そもそも私は悪辣女王だったわ。それに、もう悪辣エピソードは広まっている。
うん、ちゃんとしないと無実の罪が増えて行きそうだわ。
汚れたハンカチをしまおうとしたら、「洗って返します」と言われた。心なしかイスファンのほっぺたが赤い。
同じ8歳なのに、私の方が背は高いのよね。実際、中身は8歳じゃないし。
「大丈夫。お姉さんに任せなさい!」
そう言ったら「迷子になっているのに」と笑って返された。こんな複雑な街並みだなんて思っていなかったんですもの。
イスファンの案内で無事学園に着きました。
白い壁に青い門扉が目立っていた。建物すべてが白で統一されていてすごく目立っていた。
「ここが中央学園です。この白い建物が目印ですね」
他の建物は赤茶色のレンガ造りが多かったので、この白い建物は確かに目立っていた。ってか、白い建物だったなんて知らなかったんだよね。
そう言ったら「学園の案内書に書いてありましたよ」と返された。
くそぉ。見た目は美少年でか弱そうなのに、しっかりしているとか。
「じゃあ、またお会いしましょう」
とりあえず、学園に着けたので私はイスファンと別れることにした。いや、だって私の目標はミルザ王国の第一王子と距離を開けるなんですもの。
「あ、講堂はそっちじゃないですよ。本当に仕方がない人ですね」
そう言ってイスファンに手を取られて講堂まで案内してもらった。
思うと出来るは違うんだって言葉を思い出した。
講堂に入る前にイスファンから「学籍番号は何番ですか?」と聞かれた。え?学籍番号?何それ?
「ま、まさか覚えていないのですか?事前の通知ありましたよね?」
「うん、覚えていない。ってか、そんなのあったのなんか知らない」
そう言うとイスファンが、ちょっと脱力した後に、講堂の入り口に居る受付の人に確認すると教えてくれますよと教えてくれた。
「本当に手間がかかる人ですね。妹みたいです」
ちょっと待ってよ。それ違うでしょ。どう見ても姉と弟でしょうが。とりあえず、受付の人に確認をしたら学籍番号は『01_217』だと教わった。01は1学年の1の意味で、217は217番目ということではなく、2クラスの17番目ということらしい。
確認している間。イスファンは私を待ってくれていた。
「だって、エリーは座る場所がわからなくて迷子になりそうだもの」
なんて言われた。むっきー。それくらいわかるわよ。大きく番号で1とか2とかかかっているんですもの。あの2に行けばいいのでしょ。
そう言って突き進もうとしたら「そっちは2学年の場所ですよ」と言われ、手を引かれて移動することになった。
なんだかその様子を多くの人に見られていたので私とイスファンが付き合っているという噂が流れていたことを知るのはもう少し後の事だった。
入学式はつつがなく終わった。うん、色々あったからついうとうと寝ちゃったけれどね。
横に座っていた桃色の髪をハーフツインにした子が起こしてくれた。
「これから移動ですよ」
「あ、ありがとう」
イスファンとはクラスが違った。この桃色の髪の子についていけばいいのだと思いついて行ったら、なぜか女の子たちに囲まれていた。
なんかこういう事多いわね。桃色の髪の女の子は申し訳なさそうな顔をして消えて行った。
「ねえ、あなたって王子狙いなの?玉の輿狙いとかウケるんですけれど」
「赤い髪とか超目立つよね。何、自己主張激しい系なのかしら?」
「ちょっと、黙っていないで何か言ったらどうなのよ!」
なんだろう。叫んでいる女ってみっともない顔しているな。なんて思いながら顔を見ていた。
「え~と、どちらさま?知らない人ですよね。私移動しないといけないので、失礼しますわ」
とりあえず、こういう変なのは無視に限る。そう思って歩き出した。あ、目の前にいたけれど、気にせず脛を踏みつけ、ずんずんと歩いてみた。いないものとして扱ってみたのよね。何か言っていたから「クリエイトブレッド」で硬ったいパンを頭の上から落としてあげたら静かになったわ。
あれ?でも、私はどこに向かえばいいのだろう。なんだか似たような部屋ばかりあって行先がわからない。
困ったことだわ。とりあえず、目についた扉を開けて行けば正解にたどり着けるのかしら。
年末ですね。
皆さま。よいお年を。




