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~プロローグ~

~プロローグ~


 イレスティア王国内では領地運営を任されていたにもかかわらず、集落を一つ焼き滅ぼしたため、エリザベートは矯正のため、厳しい教育で有名である聖ブブロ王国の中央学園へ国外追放処分としたと発表された。


 王族が乗るような馬車ではなく、質素な馬車でイレスティア王国から移動する間、その馬車に向かって民衆は石を投げつけた。


 御者はそのため、フルプレートの騎士が行っていた。


 護衛はついていたが、民衆が投石をすることを止めることはしなかった。


 馬車の中にはミューズが同行している。すでに鎧には所属を証明する徽章は外されている。今のミューズがどこにも所属していないという証だ。


「どうしてミューズが同行するの?」


「私は報告をきちんとしなかったということで、イレスティア王国から解雇されました。そのため、お嬢様についていきます。それに守りきれませんでしたし・・・」


 下を向き後悔しているミューズにそう言われた。


「でも、学園に入れるのは侍女が一人だけですが、侍女としてでミューズが同行するのですか?」


 ミューズは家事など何一つできない。


「私はそんなことできないわ。それにお嬢様にはすでに侍女はいるでしょ?」


 そう言ってミューズは影を指差した。え?リーリカのことですか?確かにリーリカは元々侍女だったし、服装はメイド服を着ている。


「これから行くところがどこか解った上で言っているのですか?」


 これから行くのは聖ブブロ王国だ。国は聖魔法の結界が張られている。リーリカが問題なく動けるとは思えないし、リーリカもそれを理解している。


「ええ、だって、その子はお嬢様の侍女なんでしょ?ならば問題ないのでは。私にあるのはこの剣だけ。お嬢様をお守りいたします」


 そう言って笑ったミューズの顔は冷たいが威圧感があった。口は三日月状にあがり、まるでそう、悪人みたいな顔だった。


「それに、私たちがこのまま、何事もなく聖ブブロ王国にたどり着けると思っていませんから」


 その意味が解ったのは王都を出て2日目のことだった。街道に倒木があり、迂回をすることになった。


 そのため、街にたどり着けず野営をすることになったのだ。馬車の中で横になったが、影が揺らいだ。


「テキ、クル。オオゼイ」


 リーリカに見張りをしてもらっていた。リーリカはリビングデットのため休息が不要だ。大抵は私の影の中にいる。指示を出していない時は何をしているかは知らない。


 ただ、今回の野営は不自然過ぎた。


「イレスティア王国の害悪め!ここで死ぬがいい!」


 そう叫んで突っ込んできたものが居た。いや、夜襲、奇襲するのに叫ぶとかバカなんじゃないのかしら?


 襲ってきたのは10名だった。フルプレートの騎士はいつの間にか居なくなっていた。ああ、あれもグルだったのか。


 本当に私には味方が少ないのだな。


「ミューズ。何人かは生け捕りにしてね。生きていればいいから」


 目の前にいた10人は兵士ではないし、盗賊とも思えない。普通の村人が槍や鍬を持って襲ってきているのだ。


「悪を滅ぼせ!人を殺す事に躊躇しない王女は滅ばなければならないのだ!」


 どうやら奥で扇動しているものがいるみたい。私は地面を足で2回叩いた。


「リーリカ。あの扇動しているものを捕えて。逃げられない様に足は潰していいわよ」


 民衆をたきつけている『アレ』は誰かからの指示を受けているはずだ。


「カシコマリ、マシタ」


 影はものすごい速度で動き、暗闇の奥で隠れていた扇動者は右ひざが外からの力が加わったのだろうか、本来曲がるべき角度ではない方向に区の字に曲がっていた。そして、左足首から先が切り落とされていた。


 あれじゃ逃げられないわよね。ってか、出血多量で死なないわよね。私は死なれたら困るため、『クリエイトウォーター』でアルコール度数の高い液体を作り、扇動したものに頭からぶっかけた。


 痛いだろうな、しみるだろうな。そして、次は塩水をかけてやった。呻いているが生きている。


 ミューズはもっと暴れたかったのだろう。扇動者を除く9人は生きてはいるしどこも欠損もしていないがボロボロだった。相手が弱すぎたものね。仕方がない。ミューズに仕事をお願いするか。


「ミューズ。尋問して。特にその奥にいるものは生かしておく必要はないから。それと、逃げたあの騎士はどうしようかしら?」


 フルプレートの騎士はいつの間にか消えていた。リーリカに調べさせているが、離れた所で死んでいた。視界を確保するためのスリットから一突きされていたが、周囲にはすでに人影はなかったという。


「ニゲラレタ。ニオイ、オボエタ」


 え?臭いとかって、犬とかじゃないんだからね。リーリカのスキルっていまいちよくわからないんだよね。


 ちなみに、扇動者は尋問しようとしたら奥歯に仕込んでいた毒を飲み何も語ることなる死亡した。


 扇動された民はこの付近に住むものだったそうだ。だが、扇動者が死亡したらまるで夢から醒めたようにおとなしくなった。ミューズがボロボロにしたけれど大丈夫だろう。


「洗脳でしょうか?それとも催眠?」


 そんな能力のものがいたことは革命軍時代に聞いたことはある。その能力を持っているものは確か聖ブブロ王国にいたはずだ。


 これから向かう先はやはり平穏は待っていないんだよね。


 大丈夫よね?


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