~この3年を振り返ってみましょう~
~この3年を振り返ってみましょう~
8歳になりました。早かった。
5歳から8歳までの間何があったのか。
まず、カージェス領の農地改革を行ったのよね。やっぱり食べることができなくなるって辛いものね。
カージェス領は今まで土地が痩せていて小麦を育てても病気になることも多かったから、育てる土地を輪番するようにしたのだ。
本来はそこまで土地はなかったけれど、私が森を結構焼いて農地を確保したのだ。
焼畑農業といいながら付近にあったモンスターの巣も一緒に焼き払ってしまったのだが、この燃えたモンスターの死体がよい肥料になったのか土が改良されたのだ。
モンスターの死体がまさか土壌改良につながるなんて思わなかったのだが、そのことがわかったミューズは嬉々としてモンスター狩りを行ったのだ。
おかげで、この3年でミューズには『血塗れのミューズ』というあだ名がついた。
クール系女子が血染め系女子に変わってしまいました。彼氏ができないとミューズは嘆いていいたけれど、嬉々としてモンスターを狩るミューズの姿を見て、村にいた男子は一定の距離を取るようになったのだよね。
彼氏をつくるのは諦めてください。合掌。
それと孤児院を建設しました。なんせ後2年したらアネモネが産まれるのです。私は気が付いたら孤児院で生活をしていたので、どこで産まれたのかわかりませんが、孤児院を建設し、きちんと運用しておかないとアネモネ自身が死んでしまいます。
というか、よく考えたら『悪辣女王のエリザベートである私』がいるのに、『未来で革命軍に参加するアネモネ』が存在するって変な感じだよね。
これって、もしこの世界でアネモネが死んだら私も死んじゃうのかしら?
いきなり知らない所で死亡するとか避けたいじゃない。なので、孤児院はかなり気合を入れました。
もちろん、初代孤児院の院長はラナさんです。だって、私にとってはラナさんは母親でもありますからね。
そして、孤児院ではレンガ作りも行っています。すでにカージェス領の建物はほぼレンガ作りに変わりました。
5歳の時に来たカージェス領内はかろうじて屋根があるだけの壁もちゃんと作りきれていないボロボロの木造の家がいくつもあった。
そう、スラムと呼ばれるような劣悪な環境な住居が多かったのだ。だが、農地改革をし、食べるものが安定し、領主から公共事業として防壁や道路、上下水道の工事を領民に依頼することで、領民の収入も上がったのだ。
まあ、移民として罪人を送り込まれることも多かったけれど、アネモネ時代には廃村になっていたイージェ村よりも先にあるセージュ村(セントラル・カージェス村)やノージェ村(ノース・カージェス村)などの開拓を行ってもらっていたのだ。
もちろん、農地は私がさくっと森を燃やしました。焼畑農業ばんざい。
後は各村の防壁につかっているレンガは私が高温で焼いたため日干しレンガよりも硬いもので作れている。
一体何が原因で廃村になったのかはわからないが、モンスターの襲撃などで負けるような村にはなっていないことは確かだ。それに、私兵を雇うことはできないけれど、領民に弓、槍をおしえこみ、何かあった時に自衛できる自警団を結成した。
なんか一部の男性は強くなったことをアピールすると結婚できると思ったみたいだが、力自慢大会はミューズの圧勝だった。
ごめんね。うちの『血塗れのミューズ』が夢をくだいて。
後、聖ブブロ王国との関係については王都から直接人が送り込まれたみたいなのだ。詳細は私たちのような辺境に情報は落ちて来ないためわからない。
ただ、何回か聖ブブロ王国への使節団が村を通過した。宿泊や食事代については国から援助金が出たので臨時収入となった。
この3年の間で何回も使節団が行き来してくれたのでこの臨時収入はバカにはできない。
おかげで、野菜の種や果樹園の建設などの費用にまわせたのだ。感謝しかない。使節団。
領主館には改めて侍女、執事、料理人の3人を雇い入れることになった。
といっても、執事はこのカージェスに来るときの馬車の御者をしていたリムバだ。このリムバ意外と優秀なのだ。ただ、さえないオッサンだと思っていたのにびっくりだ。
侍女も料理人も優秀な人が集まってくれた。けれど、もう少ししたらお別れになる可能性がある。
悪辣女王の歴史だと8歳の時に事件が起き、私はその後、聖ブブロ王国にある『中央学園』に入学させられるのだ。このイレスティア王国から追い出される形で。
リーリカには8歳になった時に何が起こるかわからないため、このカージェス領の中で不穏な動きがあるか、何か事件がおきていないかを調べてもらっていたのだ。
リーリカからは「モンダイ、オキテ、ナイ」とだけ聞いていた。
けれど、8歳になった時に「モンダイ、オキタ」と連絡が入ったのだ。
それと同時に、執事であるリムバからも「相談があります」と言われたのだ。
ああ、とうとう来たのかと思った。




