~亜人について知りましょう~
~亜人について知りましょう~
目の前に居たのは猫耳、うさ耳、犬耳の少女が倒れていた。しかも、単に閉じ込められていたのかと思ったら違った。
足を拘束され何か作業をさせられていたのだ。しかも、それだけじゃない。服を着ていないため慰みにもされていたのだろう。周辺がすごい臭いが充満していたからだ。気持ち悪い。
「ウインド」
換気を行った。通気口も作った。リーリカが倒しきっていたものたちは焼いて目の前から見えないようにした。
ここがどういう所かわからない。けれど、彼女たちが目を醒ましたら事情が分かるかと思ったが、目を醒ましても目の焦点が合わないのだ。
「これは薬物中毒者の目ですね。ひどすぎます」
ミューズがそう言った。ここまでひどい事を人はできるのだろうか?彼女たちからは事情を聞くことはできなかったし、私たちは彼女たちが摂取していた薬が何なのかもわからなかった。
結局、薬が切れたのか発狂して彼女たちはそのままこと切れた。なんというか不快感だけが残った。
「あのメモを握っていたムカつく女なら詳細がわかるかも」
ぼそっと私がそう言った。ええ、言いましたとも。この状況に憤りを感じていたのは私だけじゃない。ミューズは淡々と彼女たちを集めて火葬を手伝ってくれたし、リーリカはこの洞窟に残されたものをまとめてくれていた。
どうも複数の人間が関与していることはわかるけれど、それが貴族なのか商会なのかまったくわからなかった。
「そうね、あのガサツな女を問い詰めましょう」
そうと決まったら折角離れた「イシュクール」にまた戻ることを決めたのだ。ただ、私もわかっていた。あのシュラがそんな簡単な結果を望んでいないと。だから私は探していたのだ。もう少し手掛かりになるものを。
イシュクールという街は城塞都市だ。城門や監視が厳しいのはイレスティア側であり、今回私たちが逃亡の際に破壊したのはイース帝国の内陸に向かう側だった。
それでも、兵士は多かったし、逃げる際は色々と破壊しながら脱出した。うん、顔は見られていたかもしれないけれど、洞窟にあった中できれいなローブを私もミューズも被り、馬ではなく徒歩でイシュクールの近くまで移動したのだ。
近くには城下町的なものもあったが、まずはスラム街に向かった。そこには獣人がいたが、みんなみすぼらしく汚れていた。それと、男性ばかりが居たのだ。女性はどこにもいない。
「ねえ、ちょっと知りたいことがあるんだけれどいいかしら?」
臭いがきつかったのでウォッシュで男性を頭から足先まですべて洗浄してから話しかけた。話しかけたのは茶色の猫耳としっぽをしたがりがりだけれどまだわかそうな男性だ。
顔立ちは目鼻立ちが大きく顔立ちはどちらかというと濃い顔立ちだ。ただ、痩せすぎているため頬がこけており、年齢が何歳かわからない感じだ。結構年上なのかもしれないし、年下かもしれない。
「な、なんだ?魔法か?ということは貴族様か。俺に何をさせようっていうんだ?」
なんだろう。ものすごく警戒心が強い。路地裏の猫ってこんな感じだよね。シャーって感じの。エサでも上げたら落ち着くのかしら。
「クリエイトブレッド!」
ふわふわの白パンを出した。
「食べる?」
「食べるが、俺の質問に答えろよ」
猫男がそう言ったが後ろでミューズがにらみながら圧を掛けたら、猫男の毛並みが逆立ったかと思ったらおとなしくなった。
「いや、何をさせられるのかお、おしえいただけ、ますで、しょうか?」
たどたどしい話し方だ。
「私は亜人のことを知らないのだけれど、教えてくれない?」
「俺は亜人ではない。俺は猫人族だ。亜人と言うのは人族が勝手にそう言っているだけの侮蔑用語だ!」
なるほど。確かに色んな種族がいるし、それを一括りに言うのは違っているよね。
「そうだったのね。知らなくてごめんなさい。それで、この街では人族と猫人族は仲が悪いの?」
「は?何を言っているんだ。お前らは俺らを奴隷でもない。ただの道具としてしか見ていないだろうが!」
道具?奴隷?まあ、ひどい感じだ。でも、よく考えたら悪辣女王の兵に亜人が居た記憶があるんだよね。でも、イレスティア王国内で亜人って見た事ないんだよね?
「私はこの国の人間じゃないからね。だからわからないことだらけなの」
「そうか。なら教えてやるよ。もっとこのパンはあるのか?持っていきたい場所があるんだ」
そう言って連れて行ってもらった先はスラム街ですらない。なんというか遺跡のような古い建物に色んな種族の子供が大量にいた。
そして、中央に大きな猪のようなものを解体している大柄な男がいた。その男は白と黒の模様がはいった人よりも虎に近い顔立ちをしていた。虎の頭に人の身体をした男性だった。
ああ、この風貌を知っている。悪辣女王の四天王のひとりだ。




