~魅了を防ぎましょう~
~魅了を防ぎましょう~
「この子は保護しましょう」
さっちゃんの目が爛々としている。どうしたんだろう?緋色の髪の少女を見てからさっちゃんの言動がおかしいのだ。
「私がこの子を守ります。お嬢様いいですよね?いいですよね?もう決定でいいですよね?」
ミューズはいつも通りのような気もするけれど、なんというか迫力というか、圧がおかしい。
「この子のいう事聞くの」
「なんでもやるの」
さっちゃんが連れてきた子たちもなんか変なテンションだったのびっくりした。
「ちょっと皆落ち着いて。なんだか怖いわよ。この緋色の髪の少女に聞くことがあるでしょう。もうなんでみんなこんなポンコツになったのよ?まず、あなた名前を教えてくれない?」
私が緋色の少女にそう確認すると驚かれた。
「え?なんであなた普通なの?」
普通?悪辣女王とか、赤い悪魔とか言われている私が普通に見えるのか。この緋色の髪の少女はいい子なのかもしれない。
「普通なのかしら?わからないけれど」
普通って言われてもうれしかったけれど誤魔化した。
「ええ、だって他の人はあんな風になるのよ」
緋色の髪の少女が周囲を指差すと。
「流石ですね!」
「もう、大好きです!」
「一生付いて行きます!」
なんか洗脳でもされたのかしら。うん、とりあえず、ミューズの手を取ってお腹を触らせたら落ち着いたみたい。
「はっ!私は一体何をしていたのかしら」
うん、ミューズは私のお腹のぷにで洗脳が解けた。うれしくない。
「・・・す、すごいのね。まあ、いいわ。私は『エリーゼ』と言います。私は『魅了』のスキルを持っていると言われています。目を閉じても意識を失っていても周囲に影響を与えてしまうみたいで」
そういうスキルの持ち主っていんだ。ってか、なんで私は『魅了』にかからなかったんだろう?
「私の『魅了』はよほど『強い精神力』の持ち主か、よほど『鈍感』な人じゃないかぎりかかるのです」
鈍感っていいたいのね。まあ、いいわ。その鈍感力を磨いて、鈍感王にでもなってやるんだから。
「それで、エリーゼはどうして『ダールトン辺境伯』の所属を表す紋章をつけた服を着ているのかしら?」
エリーゼから聞いた話しはこうだった。
エリーゼはイース帝国の学園に入学した。
入学してから『魅了』スキルが発動するようになり貴族の何名かが婚約者と勝手に別れを斬り出し、告白してくる事態となる。
イース帝国としてエリーゼを国外追放としダールトン辺境伯領に送り込まれる。
その時、面談をしたのがダールトン辺境伯の子息だという。
「え~と、そのダールトン辺境伯の子息はどうなったのかしら?」
「その、ダールトン辺境伯の子息から告白を受け、両親に会って欲しいと言われたのですが、どうもダールトン辺境伯自信も魅了されてしまったようで、その後のことはわかりません。ただ、私が原因でもめ事が起きるのはいやだったので、館から逃げたら盗賊に攫われました。ただ、攫われたのですが、ここでも盗賊内で言い争いがあり、疲れていたので私は眠りこけていましたの。そしたら助けられたみです」
つっこみが追いつかないがとりあえず、このエリーゼというのは男女関係なく魅了するのがわかった。さて、どうするのがいいのかしら。
「誰にも迷惑をかけたくないんです。けれど、このスキルを制御することもできなくて」
こういうありえない力を制御できそうな人物に心当たりがあると言えばあるのだが、絶対に会いたくないんだよな。
胸につけているネックレスがある。これに何かあったら『厄災のシュラ』はやってくるだろう。会いたくないけれど、こんな普通じゃないのは『規格外』を呼ぶしか方法が思いつかない。そう思ていたら一気に空気が重くなった。
「ネックレスを手でまさぐっておったから、何かあったのかと思いやって来たら面白うなのがおるのう?」
重圧に押しつぶされそうになった。周囲にいたものたちの魅了も解けたのか皆片膝を地面に付けて頭を下げている。
エリーゼもそうだ。
「お久しぶりですシュラ様」
会いたいと思ったのも事実だけれど、こんなすぐとか思っていなかった。もうちょっとだけ心の準備が欲しかった。救いなのは娘のエンジェもいたことだ。死なずにすむかしら。




