~保護しましょう~
~保護しましょう~
「お嬢様。盗賊団を2つ潰してきました!」
ミューズが血だらけ、泥だらけで戻ってきた。そして、見たことが無い緋色の髪をした少女を連れてきている。
「その人は誰ですか?」
「なんか2つ目の盗賊団を壊滅させた時に捕えられていた人。とりあえず、生きているし気を失っているから連れてきちゃった」
金品財宝とかを持って帰ってくることはあったけれど、人を攫ってくると思っていなかった。
「返してらっしゃい。うちでは飼えませんよ」
犬や猫じゃないんだし、ペット感覚で連れて帰ってこないでよ。
「いいじゃん。この子それにいいところの服を着ているみたいだから。結構大事に扱われていたみたいだし。他の捕えられていた子はそりゃひどい感じだったから衛兵にお任せしたけれどさ」
ってか、衛兵もなんで連れ帰ることを認めたのよ。もっと衛兵頑張れよ。
「なんで衛兵にこの子を任せなかったの?」
「だって、この子の服の襟を見てよ。紋章はいっているでしょ?」
ミューズがそう言って襟を見せてくれたけれど、紋章なのこれ?なんかどこかで見たことがあるけれど。
そう思っていたらさっちゃんがこう言って来た。
「これはダールトン辺境伯の家紋ですね。ということはこの女性はダールトン辺境伯にゆかりのある人物。でも、親族に女性がいるなんて話しは聞いたことがありません」
この女性は誰なんだろう?隠し子とかなのかしら?
「とりあえず、目を醒ますまで待ちましょうか。その間に情報を集めましょう」
私がそう指示を出したけれど、その後色んな事が解ってきたのだ。
まず、複数のギルドから情報が入った。しかも簡単に入ったのだ。ダールトン辺境伯は一人の少女を探しているという。その少女が何者かはわからないが、緋色の髪をして、赤い瞳の少女だという。
ダールトン辺境伯の髪色は黒。親族とは思えない。ならばこの少女は一体何者なのか。憶測が飛び交うが詳細を知る者は一人もいなかった。
捜索は3日前くらいからでかなり広範囲に調査をしているというのだ。
あれ?確かダールトン辺境伯の息子も行方がわからないのではと思われているのだけれど、そっちについては何の情報もないのだ。
体調を崩していると言っていたが、ここ3日ほどダールトン辺境伯の子息を見たものはいないし、神殿や医師や薬師がダールトン辺境伯邸に呼ばれたという話しもないという。
「ということはこの意識を失っている少女こそダールトン辺境伯が探しているという少女なんだろね?さて、どうしたものか?」
病気や何らかの理由で意識を取り戻さないのかわからない。一応このダールトン辺境伯領にある神殿長がどういう人物かオムスリ神殿長から聞いているがあまり信用できそうにないんだよね。
オムスリ神殿長からは「無用な接触は避けた方がいい人物です」と言われたし。というか、そんな人物が神殿長しているとか本当に辞めて欲しい。
聖ブブロ王国は一部の人はまともなんだけれど、それ以外は結構腐敗しているからな。
「私も医師や医療系の知識はありませんけれど、呼吸も安定していますし、しばらくすれば意識を取り戻すのではと思います。ただ、目を醒ましてすぐに逃亡させないようにはしないといけないですね」
さっちゃんはそう言うと子供たちに当番制で見張りをさせると言い出した。
3時間後。緋色の少女が目を醒ました。けれど、ずっと騒いでいるのだ。言っていることはこうだった。
「今すぐ私から離れてください!じゃないと大変なことになります」
うん、意味がわからないよ。




