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ふしぎばなし   作者: ゆりせ
2/2

みたのかな?

私は高校卒業後、専門職を目指して学生生活を送っていました。

最終学年となり、現場での実習ということで地方の施設で日々業務や、学習を進めていました。


実習地には同じく、他校からの実習生が4人来ており出身もバラバラで同世代な自分達は日々課題や業務に追われながらも仲良く過ごせていました。

そんな中でも関西から来ていた学生の菅谷さん(仮名)は、年齢こそ私の一つ上でしたが思っている関西人のイメージそのまま(陽気で明るい…偏見ですみません)の人物でした。


人見知りという単語がまるでないような方で気付けば菅谷さんのペースに乗っかってるようなそんな方でした。

下宿先が近かったこともありすぐに親しくなりよく休日なんかも慣れない土地で楽しんでいました。


そんな菅谷さんが、いわゆる霊感体質との事で本人曰く結構はっきりと見えると、日常生活でも度々口にしていました。


前述したように私は今までそんな経験もないため話半分に受け止めながら過ごしていましたが、ある時実習地で業務後の勉強会に参加した際に、


菅谷『なんか今日はよくないなぁ…少し肌寒いし、窓から女の人覗いてくるし…ここ多いなぁ』


と一言。それに合わせて、実習地の指導者の方が


指導者『お?分かる?ここなんか墓地の跡地に建てたみたいだから多いんだよね〜』


菅谷さん『やっぱり?そうやと思ったんですよ。』


そこからは若干心霊の話で盛り上がりだし…正直半信半疑よりも疑いを強く感じながらも…この日は終わり、以降も度々そんな話をしては、盛り上がるような日々が過ぎていたある日。


いつも通り、業務の一環で受付業務行っている際に書類確認していると、、私の印象ではハッキリと。日常の風景と全く変わらない中に白い靴の……なぜそう思ったかは分かりませんが、女性だな…と思ったのです。


私『あ、こんにちは〜!どうぞ!』


と顔をあげると…誰もいない。自分でもこんなベタな展開があるか?と思うくらい誰もいない宙に視線を向ける。急に恥ずかしくなり誤魔化すように周りをキョロキョロすると……


見てる。


菅谷さんがじっと私の方を見ていた。

私は見られていた恥ずかしさから、苦笑いを浮かべると唐突にニヤリと笑いながら菅谷さんは近づいてきてこう言った。


菅谷さん『なんや〇〇(私)お前も見えとるんか。』


……え?


菅谷さん『今完全に見えとったやろ?白いワンピースの服着た女の人。唐突でびっくりしたなー。』


…見てない。いや、正確に言うと人の姿は全く見てない…だけど女の人だったのは分かる。その瞬間ゾクリと背筋が冷えた感じがした。


菅谷さん『しかもめっちゃ見つめ合ってたやん。笑ったわ。知り合い?…なんてな〜』


といつもの調子で笑いながら何事もないように去っていく菅谷さん。

いやいやいや…。それは…。勘弁してくれ…。


…結局それ以降はこれといった出来事はなく実習も無事終了し菅谷さんともお別れし、ちょっとした非日常の時間は過ぎていきました。


オチがない話ですが、あの時間あの瞬間だけは、菅谷さんの見てる世界と繋がったのかな…と。そう考えるとあの出来事ももしかして…


物語としては盛り上がりに欠けますが実際に経験できることなんてこんなものかな…と思いながら…とりあえず菅谷さん疑っててごめんなさい。

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