表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんぎつね

作者: まちかね

ごんぎつねとは、新美南吉作の児童文学である。






 

 誇張とは、伝説の元である。





 一。



 これは、私がオケラよりも圧倒的に小さい生命体だったときに、マジで超豪華ラグジュリアスな大都会に住むアルティメット=茂平もへいという、ガチでごく高々齢の好々爺こうこうやから聞いた物語フェアリーテイルです。


 人間の想像すら出来ないほどの超々大昔ロングロングアゴウ、私達の大都会の滅茶滅茶めちゃくちゃ近く、ミラクル=中山なかやまという所に、見上げるとスポンと首がもげそうになるほどベリベリ巨大なキャッスルがあって、そこにはミラクル=中山様という偉すぎてやばいお殿様が、頭が地面にめり込むほどふんぞり返ってお住いになられていたそうです。


 その中山から、とんでも無く距離が離れたしげりすぎる山の中に、『スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんぎつね』というガチやべぇ狐が数百匹いました。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、えげつない程数百匹ぼっちの小狐で、『しだ』が先の見えないほど生い茂まくった深すぎてもはやグリーンバックみたいな森の中に、数百キロメートルもある穴を掘ってえげつない集団で住んでいました。


 そして、夜でも昼でも二十四時間三百六十五日便利店コンビニも驚きの過酷労働ブラックで、手当り次第近くの超都会へ出てきては、泣く子も黙るマジの大犯罪ばかりをしていました。


 圧倒的メガビックな巨大芋畑いもばたけへ入って芋を数億キログラムりちらしたり、菜種なたねの、干してある数千億の塊に業火バーニングを放ったり、大手銀行証券マンの豪邸の裏手に吊るしてあるバカ辛い唐辛子数兆トンをむしりとってばらまいたり、ありとあらゆる想像を超えた悪行を行いました。


 ある秋の事でした。二、三百日ゲリラ豪雨が降り続けたその間、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、外界へすら足をのばせず、マジやべぇと思いながらクソ深い穴の中にしゃがんでいました。


 唐突にゲリラ豪雨が上がると、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、ほっとしてクソ深い穴からいずり出てきました。空は宇宙の果てすら見渡せるほど澄みわたっていて、百舌鳥もずどりの耳が潰れるほど五月蝿うるさい金切り声がキィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインと、辺り一面全領域エリアに響き渡っていました。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、大都会のバカ広すぎる先が見えなさすぎてガチでやばい超デカ川の堤防ていぼうまで出て来ました。


 辺りに生え散らかした数億のすすきの穂には、まだ雨の塊が神々しく光り輝いていました。超デカ川は、いつもは底が見える程で、干からびているんじゃないかと思うほど水が少ないのですが、三百日もの雨で、水が、世界ワールド中を埋め尽くさんばかり増していました。


 普段は水につかることのない、川べりの数億のすすきや、はぎそらに届かんばかりの株が、異臭を放ち鼻がもげそうなほど黄色く濁った濁流だくりゅうの中で我先にと横倒しになって、もまれています。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、川下の方へと、底なし沼と同じレベルのぬかるみを歩いていきました。


 ふと見ると、超デカ川の辺り一面そこかしこにヒューマンがいて、何かやっています。スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、見つからないように、特殊作戦部隊を殲滅せんめつする暗殺者アサシン顔負けの忍び足で、草の深すぎてもはや森通り越してモーリー物語ファンタジーなところへ歩きよって、そこから眼力だけで人々ヒューマンズを殺せるレベルの目付きでじっと覗いて見ました。


「ダイナミック=兵十ひょうじゅうだな」と、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは思いました。


 ダイナミック=兵十は、傷付きすぎて最早原型を残していない漆黒ダークネスの闇の着物をまくし上げて、腰のところまで大胆極まりなく水に浸りながら、魚を数兆捕まえる、ハイパーはりきりという、クソでかいあみをゆすぶっていました。


 はちまきをした横面よこつらに、丸くてバカデカい萩の葉が一枚、ブラックホールみたいにへばりついていました。


 しばらくすると、ダイナミック=兵十は、ハイパーはりきり網の一番後ろの、狸の金玉ゴールデンボールのようになったヤバすぎる容量のところを、川の水全部抜くんじゃないかという勢いで持ちあげました。


 その中には、茂りすぎたしばの根や、圧倒的物量で全てを押しつぶす草の葉や、腐りすぎてもはや腐葉土ふようど超えて不要ふような木ぎれなどが、魑魅魍魎ちみもうりょう混沌カオスと入っていましたが、所々、光りすぎる白くてやべぇ物がギンギラギンに光っていました。



 それは、東京スカイツリーより太いうなぎの腹や、デカすぎてもはやホエールすら喰えそうなキスの腹でした。ダイナミック=兵十は、びくの中へ、そのクソ太うなぎやクソでかキスを、腐りまくったゴミ共と一緒にぶち込みました。そして、また、袋の口を一生解けないんじゃないかと言うくらいアホなほどキツくしばって、水の中へ大暴投しました。


 ダイナミック=兵十はそれから、びくをもって超デカ川から上がり、びくを土手に置いといて、何を探しにか、数京センチメートル離れた川上の方へとメロスよりも速くけて行きました。


 ダイナミック=兵十が姿を消すと、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、ズダァァァァンッ、と森の塊から飛び出して、びくの真横へ駆けつけました。ちょいと、えげつないいたずらがしたくなったのです。


 ごんはびくの中の巨大怪魚をつかみ出しては、ハイパーはりきり網のかかっているところより、下手の超デカ川の中に目掛け、ドガァァァンバシャァァァンとなげこみました。どの魚も、『ドバァァァァァァン』と鼓膜が吹き飛ぶような馬鹿みたいな爆音を立てながら、濁りすぎてもはや毒レベルの水の中へもぐりこみました。


 一番最後に、青函せいかんトンネルより長いうなぎをつかみにかかりましたが、何しろアロエエキスよりぬるぬるとすべるので、手ではつかめません。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんはじれったくなって、虎のように獰猛どうもうな頭をびくの中に突っ込んで、極太うなぎの頭をアーミーナイフのような牙でくわえました。


 クソ長うなぎは、グルァァァァァァッと言ってスーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんの首へまきつきました。


 そのとたんにダイナミック=兵十が向うから、「うわあ大怪盗ファントムシーフ狐め」と、飛行機のエンジンよりも激しい音で怒鳴りました。スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、びっくりして飛び上がりました。


 超常うなぎを振り捨てて逃げようとしましたが、化物うなぎは、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんの首を絞殺こうさつしようとはなれません。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんはそのまま横っ飛びにとび出して、一所懸命に逃げました。


 クソ深い穴の近くの、見上げても先が見えない程高い『はん』の大木の下で振り返って見ましたが、ダイナミック=兵十は追っかけては来ませんでした。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、ほっとして、巨大怪魚うなぎの頭をミサイルのような勢いで噛み砕き、粉砕し、やっとはずしてクソ深い穴の外の、バカデカすぎる草の葉の上にのせておきました。




 ――――――――――――――――――――


 二。



 数千日程経って、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんが、マスター=弥助やすけという絶対圧倒強靱無敵タフインビンシブル最強ストロンガー君主の爆デカ邸の裏を通りかかりますと、そこのいちじくの大木の影で、マスター弥助の鬼のくびり殺すと言われる巨大嫁が、おはぐろをつけていました。


 世界一有名な鍛冶屋かじやのファンタスティック=新兵衛しんべえの家の裏を通ると、ファンタスティック=新兵衛の絶望を飲み込む家内が蜘蛛糸くもいとよりも強靭タフでシルクよりも美しい髪をすいていました。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、「ふふん、この超絶都会に何かあるんだな」と、思いました。


「何なんだろう、秋祭かな。祭なら、クソでかい太鼓やバカうるさい笛の音がしそうなものだ。それに第一、あの一度入ったら出てこれないバチクソにデカいお宮にのぼりが立つはずだが」


 こんなことを考えながらやって来ますと、いつの間にか、表に数億キロの深さを誇る血より赤い井戸のある、ダイナミック=兵十の家の前へ来ました。


 そのデカすぎる破壊され原型を残していないほったて小屋の中には、数千億人の人が集まっていました。余所行きのえげつない程漆黒ダークに染められた着物を着て、腰に手拭いを提げたりした絶世の別嬪ナイスレディたちが、表のかまどでこの世全てを燃やし尽くさんとする業火をたいています。


 湖より大きい鍋の中では、何かが灼熱の煙を上げながら煮えていました。


「ああ、葬式だ」と、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは思いました。

「ダイナミック=兵十の家の誰が死んだんだろう」


 お昼が滅茶滅茶に過ぎると、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、大都会のクソデカ感情の埋もれまくる大理石で盛られまくった墓地へ行って、天地開闢てんちかいびゃく全てを見通す六地蔵ろくじぞうさんの影にかくれていました。


 人が生まれてから初めかと思われるほど晴れに晴れすぎたお天気で、遠く向うには、超巨大城の屋根瓦かわらやねが、千六百八十万色ゲーミングカラーに光っています。


 クソデカ感情の墓地のはし一面全てをおおい尽くす彼岸花が、超高級な赤い布きれレッドカーペットのようにただひたすらどこまで続くのか人間では観測不可能なほど咲き連ねていました。


 と、大都会の方から、ピシャァァァァァン、ズドォォォォォォン、バリバリィィィィィイイと、ベリービッグベルの騒音が響き散らかしました。葬式の出る合図です。


 天地創造と同じくらいの時間が経って、つきたてのホッカホカ餅よりアホほど白い着物を着た葬列の愚民ぐみん共が、異常な程の存在感をき散らしながらやって来るのがちらちら見えはじめました。


 話声も近くなりました。超強烈なエネルギーをまとった葬列は墓地へ入っていきました。人間共が通ったあとには、血より赤き彼岸花が踏みおられていました。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんはこの世全てを見渡す程伸び上がってそれを見ました。ダイナミック=兵十が、漂白剤をぶちまけるより白いかみしもをつけて、位牌だいじなものをささげています。


 いつもは、ふかしすぎて溶岩のように燃えたぎり触れた全てを蒸発させる赤いさつま芋いもみたいな元気のありあまるフェイスが、今日は何だかしなびれて二度見するほどのブサイクになっていました。


「ははん、黄泉よみの戦士にったのはダイナミック=兵十のおっかあだ」

 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんはそう思いながら、凶暴な頭をひっこめました。


 その晩、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、クソ深い穴の中で幾億の灰色の脳細胞を駆使くししてとんでもない長考をしました。


「ダイナミック=兵十のおっ母は、果てが見えないほどめちゃめちゃ広いとこについていて、怪魚の如きうなぎが食べたいと言ったに違いない。それでダイナミック=兵十がハイパーはりきり網をもち出したんだ」


「ところが、わしが大罪を犯して、異世界うなぎをほふってしまった。だからダイナミック=兵十は、おっ母に強靭無敵最強うなぎを食べさせることができなかった。そのままおっ母は、死んじゃったに違いない」


「ああ、不老不死をも超越するうなぎが食べたい、この世界を掌握しょうあくせしうなぎが食べたいとおもいながら、黄泉にまねかれたんだんだろう。ちょッ、あんな大罪をし犯さなけりゃよかった」




 ――――――――――――――――――――


 三。



 ダイナミック=兵十が、数兆キロの深さを誇るドラゴンの血より赤いどデカい井戸のところで、万物ばんぶつの頂点食の支配者である麦を混ぜていました。


 ダイナミック=兵十は今まで、おっ母と二人きりで、この世のアリとあらゆるカルマを受けたのかと錯覚するほどのド貧乏なド底辺暮らしをしていたもので、おっ母がヴァルハラへと旅立てば、もう孤高ここうなる戦士となるしかありませんでした。


「おれと同じ孤独なる猛勇、ダイナミック兵十か」


 こちらの、精霊イナバも逃げ出す物置の後から見ていたスーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、そう思いました。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんはイナバ泣かせのそばをはなれて、向こうへ行きかけますと、どこかで、大怪魚いわしの群れを売りさばく声がします。


「天をらいし海の覇者いわしの安売りだぁい。いきのいい鰯だぁい」


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、その破竹の勢いで全てを売りさばかんとする圧倒的美声のする方へと、メロスをかんばかりの勢いで走っていきました。


 と、弥助の首をしたがえし巨人たる鬼嫁が、裏のクソでかい戸口から、「覇者を吾が手に」と言いました。売り捌きし者は、覇者の満ち溢れるかごをつんだ大轟車ごうしゃを、道の中央全てを塞がんとせき止め、二千万色オーバーゲーミングに光り輝く鰯なる王者を両手でつかんで、弥助の大豪邸の中へ持って入りました。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんはその一瞬、またたきの間にかごの中から、五、六千匹の王者たる怪魚をつかみ出して、もと来た方へと瞬間移動ワープしました。


 そして、ダイナミック=兵十の超オンボロ小屋の汚ったない裏口から、崩れ落ちた廃墟かと見紛う寝場所の中へ覇者共を投げこんで、クソ深い穴へ向むかって超速加速ソニック・ターボしました。


 途中の命を刈り取る形をしてる坂の上でふりかえって見ますと、ダイナミック=兵十がまだ、井戸のところで山のように積み重なった数億数兆の麦束をといでいるのが見えました。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、異世界転生うなぎのつぐないに、まず一つ、いいことをしたと思いました。


 翌日には、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、エベレストが泣いて土下座する超超ベリベリ巨大山脈で、伝説の槍ロンゴミニアドすら貫けぬ強化外骨格をまとう伝説の栗をどっさりひろって、それをかかえて、ダイナミック=兵十の家へいきました。


 ブラックホールの如き裏口から暗視スコープでのぞいて見ますと、ダイナミック=兵十は、昼飯をたべかけて、海よりも巨大な茶椀を抱えたまま、ぼんやりと考えこんでいました。


 変な事にはダイナミック=兵十の頬に、怪物との戦闘で生み出される彼方かなたまで噂される裂傷れっしょうがついています。何事かとスーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんが思っていますと、ダイナミック=兵十が独り言をいいました。


「一体誰が、この歴戦なる海の覇者なんかを俺の家へぶち込んで行ったのだろう。おかげで俺は、大盗賊と思われて、トライデントを振り回す鰯の狩人のやつに、ひどい目にあわされた」と、らしました。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、これはしまったと大後悔しました。かわいそうにダイナミック=兵十は、大海をむせび泣く王者を駆逐する者共に滅殺めっさつの鉄槌を下されて、あんな大きな傷までつけられたのか。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは思考を超高速回転ローテーションさせながら、そっとイナバ潰しの大容量超絶倉庫の方へまわって、その入口に、最終兵器さいしゅうへいきマロンを置いて帰りました。


 次の日も、その次の日もスーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、全壊すべこわす終わりの爆撃栗をひろっては、ダイナミック=兵十の家へ持って来てやりました。その次の日には、そればかりでなく、世界中の全ての豪族が取り合い世界が破滅すると言われた誉れ高き王であるまつたけマッシュも、二、三千本もっていきました。




 ――――――――――――――――――――


 四。



 大大大満月フルフルフルフルムーンがこの世の悪を浄化せんとする晩でした。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、フラリと豪遊しに出かけました。ミラクル=中山様の超超超大城ビッグキャッスルの下を通って数千里ばかり行くと、ハリガネムシも通れるかも分からないほどクッソ細い道の向うから、誰かが来るようです。


 とてつもない大爆音で話声が聞えます。チィンチィロリィンチィンチィロリィンチィンチィロリィンチィンチィロリィンチィンチィロリィンチィンチィロリィンチィンチィロリィンチィンチィロリィンチィンチィロリィンチィンチィロリィンチィンチィロリィンと数兆単位で空を埋めつくさんとする松虫が鳴いています。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、道の超端っこにかくれて、死んだフリをしたカエルすら脱帽だつぼうするほどじっとしていました。


 話声はだんだん近くなりました。それは、ダイナミック=兵十と全殺すべころし魔王=加助かすけという天地べる者でした。


「そうそう、なあ加助かすけ」と、ダイナミック=兵十がいいました。


「ああん?」

「俺あ、このごろ、この世界全てを疑わねばならんほどふしぎなことがあるんだ」

「何が?」

「おっ母がヴァルハラへと旅立ってからは、だれだか知らんが、俺に超兵器栗達やハイパーナイスマッシュルームズまつたけなんかを、毎日毎日くれるんだよ」

「ふうん、だれが?」

「それがわからんのだよ。俺の知らんうちに、置いていくんだ」


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、二人のあとを暗殺術アサシネイトで学んだ追跡技術でつけていきました。


「ほんとかい?」

「ほんとだとも。俺の発言を誇張なバカ話と思うなら、あした見に来こいよ。その泣く子も黙る大陸間弾道ミサイルすらも打ち負かす超外骨格なる栗達数万トンを見せてやるよ」

「へえ、へんなこともあるもんだなア」


 それなりに、二人は宇宙へと放り出された超生命体アルティメットシィングより黙って歩いていきました。


 全殺魔王=加助がひょいと、後を見ました。スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんはびくっとして、ノミよりも数千倍も小さくなって息を潜めました。


 全殺魔王=加助は、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんには気が付かないで、そのまま最果ての世界へと瞬間消滅しました。


 バカタレファッキンパーリーピーポー=吉兵衛きちべえというお百姓の超高層タワーマンションまで来ると、二人はそこへ入っていきました。


 ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンクラッシュクラッシュと富士山より巨大な木魚の音がしています。窓の障子に全てを焼き尽くさんとする太陽ザ・サンの光がさしていて、大きな坊主頭が全てを反射して動いていました。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、「おねんぶつがあるんだな」と思いながら、超高級金剛石ダイアモンド製の金粉ちりばめられし井戸のそばにしゃがんでいました。


 しばらくすると、また三億人ほど、人間共ヒューマンズがつれだってバカタレファッキンパーリーピーポー=吉兵衛の超高級高層ビルディングへはいっていきました。


 黙示録アポカリプスを読む声がきこえて来ました。




 ――――――――――――――――――――


 五



 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、黙示録アポカリプスの読破がすむまで、超高級金剛石ダイアモンド製の金粉ちりばめられし井戸のそばにしゃがんでいました。


 ダイナミック=兵十と全殺魔王=加助は、また共に背を合わせ自らの骨をうずめる戦場へと帰っていきます。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、二人の話を聞こうと思って、ついていきました。


 ダイナミック=兵十の影法師を踏み抜き喰らいつつ、ついていきました。


 超絶豪華絢爛城の前まで来たとき、全殺魔王=加助が言い出しました。


「さっきの話は、きっと、そりゃあ、天地虚空大明神様のしわざだぞ」

「えっ?」と、ダイナミック=兵十はびっくりして、全殺魔王=加助の顔を見ました。


「俺は、あれからずっと考えていたが、どうも、そりゃ、人間じゃない、見えざる力のなせる技だ、神さまが、お前がたった数百人になったのを超哀れに思わっしゃって、幾兆幾京の万物をめぐんで下さるんだよ」

「そうかなあ」

「そうだとも。だから、連日天地虚空てんちこくう大明神だいみょうじん様に感謝の正拳突きを捧げると良いよ」

「うん」


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、へえ、こいつはクソみたいにつまらないなと思いました。


 圧倒的おれが、超外骨格ロンギヌスを弾けし栗や、全ての災いをまね災禍さいかうずを生み出せし松たけを持っていってやるのに、そのおれにはお礼をいわないで、天地虚空大明神様に感謝を述べるんじゃあ、おれは、引き合わないなぁ。




 ――――――――――――――――――――


 六



 その次の日もスーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、宇宙最硬度さいこうどリーズンじ曲げし栗をもって、ダイナミック=兵十の崩れ消え去り理外りがいへとちた小屋へ出かけました。


 ダイナミック=兵十はプロフェッショナル縄を全て破壊クラッシュせん勢いで結んでいました。それでスーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、混沌カオスを招きし裏口から、滅茶滅茶こっそり中へ超絶忍び足ではいりました。


 そのときダイナミック=兵十は、ものすごい勢いでで顔をあげました。と、スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルな狐が、バカ住みやすい家賃一万円の家の中へ無断侵入してくるではありませんか。


 こないだ海神らいし鰯の群れを強奪した、あのスーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごん狐めが、またスーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルないたずらをしに来たな。


「ようし」

 ダイナミック=兵十は立ちあがって、クソデカ納屋にかけてあるバカデカ超荷電ちょうかでん量子砲りょうしほうをとって、クソバカ大量の超加速ちょうかそく電磁でんじバッテリーをつめました。


 そして足音を圧倒的歩術でしのばせて近寄って、今、破滅的にデカすぎる戸口を出ようとするスーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんを、ギュイィィィィィィィン、ドゴォォォォォォォオアアアアアアンと撃ち抜きました。


 スーパーミラクルエキセントリックウルトラファイナルごんは、それを引き継がれし究極武術『全てを翔るは天の狐オーバーリミット・オーバーフォックス』の『天翔る狐の閃フォックス・オブ・ロード』にて、数千の光の閃きを交わすと、ダイナミック=兵十の前に立ちはだかりました。


「貴様っ……!」

「その程度か?」


 完成されたアルティメット武術を身に付けし超奇跡スーパーミラクル奇天烈エキセントリック究極終焉ウルトラファイナル消失者ゴンにとって、超荷電粒子砲チャージッドパーティカルキャノン等は対した驚異ではありません。


本当の破滅はめつ的な驚異とは、目の前に立ちはだかるおとこの肉体。


会話を交わすのは圧倒的破壊力デストラクションにより地球ジ・アースを破壊せしめんとする、ダイナミック=兵十デストロイヤーの肉体に宿やどる幾億の筋繊維でした。


「脱ぐがいい、兵十。終わらせよう」

「ごん、お前だったのか──」


破壊者ひょうじゅうは目を閉じると、最期に語りかけました。


「──いつも栗をくれたのは」


 ごんは、目をつぶったまま、うなずきました。

 超荷電粒子砲チャージッドパーティカルキャノンは、とてつもない轟音と閃光を上げ、地面にめり込み数億キロメートル沈みこみました。超常なるホワイトエメラルド蒼炎そうえんが、まだ銃口から細く出ていました。







――――――――――――――――――――






程々が最も良いのでしょう。

おしまいおしまい。

クソデカ羅生門

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ