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変態アニキとブラコン姉妹  作者: 神堂皐月
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3人目の妹!?

 バタンッと激しく開かれる扉。


「いいかげんに起きなさい!」


「朝だよーお兄ちゃん! ラブー」


「――ぐはっ!?」


 凛と結衣が俺の部屋の扉を勢いよく開けると、凛に蹴りを喰らわせられ、結衣には抱きつかれる。


 なんだこの不幸と幸せがいっぺんに訪れた感じは。


「ゆ、結衣。そろそろ離れてくれ。その、色々大変なことになるから」


 結衣の容姿とは似会わない豊かなバストが押し付けられてるし、朝で俺の股間が元気なのにそこへ追い打ちをかけるかの如く抱きついてきて、俺の息子が大変なことになるから!


「うんにゃ、結衣さんはまだエネルギー充電中だから離れません」


「エネルギー?」


「そうだよ。結衣さんはお兄ちゃんエネルギーを充電しないとダメなのです」


 それで俺によく抱きついてくるのか?


「あのぉー、お取り込み中悪いんだけどぉー、なんのためにあたし達がここに来たか解ってるよね」


 凛がイライラとしながら指差す時計を見てみると──7時45分だと!?


 こんなことをしてる暇なんてないじゃないか!


 俺は嫌がる結衣を引きはがすと急いで制服に着替え始めた。


「だーかーらぁー……! 女の子にそんなもの見せるなって言ってるでしょうがッ!」


「ぶは――!!」


「ふんっ。行くよ、結衣」


「えぇー。──お兄ちゃ~ん」


 凛は結衣を引きずって部屋から出て行った。


「まったく。兄妹の着替えを見たくらいで、あんなに真っ赤になって怒らなくてもいいじゃないか」


 文句を言いつつも制服に着替えた俺はリビングへと向かった。


「お、待っててくれたのか。それじゃ行こうか」


「ぎゅ、牛乳くらい飲んでいきなさいよ」


「ありがとな」


 俺は凛から牛乳が入ったコップを受け取ると、一息に飲み干した。


「別に奏のためじゃないから。もし学校でお腹が鳴ってたなんて訊かされたら、こっちが恥ずかしいだけなんだからッ」


 もじもじとしながら叫ぶ凛を、むぅー、と頬を膨らませながら見ている結衣。


「時間が無いな。走って行くぞ」


「誰のせいよ、誰の」


「わ、悪い……」


「お兄ちゃんは悪くないもん! 結衣がお兄ちゃんを寝かせてあげたかっただけなんだから」


「結衣……」


「はにゃ~」


 結衣の言葉が嬉しくて思わず頭を撫でてやると、顔の力が抜けきった様な笑顔を向けてきた。


 それから急いで学校へと向かい出した俺たち――


「なんとか間に合ったな」


 昇降口に着いた俺たちはそれぞれの下駄箱で靴を履き変えた。


「結衣さんへとへと……」


「情けないわね結衣」


「凛とは付いてるものの重さが違うもんっ」


「ちょっとそれどういう意味よ!」


 付いてるものの重さが違うだと!? 是非そこのところを詳しく教えて頂きたい!


 喧嘩をしながらも俺たちは足早に教室へと向かった。


「じゃ、俺こっちだから」


「またね、お兄ちゃん」


「さっさと行きなさいよ」


 2人が歩いて行くの見た俺は、教室まで走って向かった。


「ギリギリだったな、かなで」


「寝坊しちまったんだよ」


「どうせまたゲームだろ」


「う──っ!」


 当たってるから何も言えない……。


「それよりなんかざわついてるな」


「あぁ。なんか転校生が来るらしいぜ」


「それは女子ですかっ!?」


 いかんいかん。


 転校生と訊いてテンションが上がっちまったぜ。


「オレの有力な筋から得た情報だと、女子だ。それも、妹系の」


 なにっ!? 妹だとっ!?


 俺にこれ以上妹ができてしまっていいんですか!?


「それはないな」


「人の心を読むな! ──でもなんでこんな時期に転校生?」


「引っ越しが遅れたとかじゃないか?」


「なるほど」


 しばらく俺と蓮が話していると、時間になったのか担任教師のみっちゃんが扉を開けて入ってきた。


「みなさ~ん、席に着いてくださ~い」


「みっちゃん! 転校生って本当っ!?」


「情報が早いわね藤森くん。──入ってください」


 みっちゃんに呼ばれて扉から入ってきたその少女は、栗色な眼に、これまた栗色な癖っ毛気味の髪を肩くらいまで伸ばし、背丈は結衣たちとほとんど変わらない小柄な美少女だった。


 最近どこかで会ったような──


「る、るみかちゃん!?」


 と言うより、妹喫茶で働くるみかちゃんだった。


「あっ、お兄ちゃん」


 るみかちゃんはニコニコと笑顔で手を振ってきた。


「るみかさん、あいさつしてください」


「はいっ。みなさん初めまして、朝日奈るみかです。仲良くしてくださいね☆」


 るみかちゃんは営業スマイルのような笑顔でにこやかにあいさつをしてきた。


「「うぉーっ! 妹キターーッ!」」


 突然叫び出した数人の男子生徒。


「る、るみかさんはあそこの空いてる席に座ってください」


 突然の叫び声に驚きながらも、席を指定するみっちゃん。


 ──って俺の隣かよ!


「よろしくね、お兄ちゃん」


「そういえば名前教えてなかったね。俺は藤森奏。よろしく、るみかちゃん。というか、学校でその、『お兄ちゃん』はやめてくれ」


「ん~、じゃあ……奏お兄ちゃん!」


「もうそれでいいです……」


 嘆息する俺にニコッと微笑みかける営業スマイル。


 ――そして一時限目の授業が終わった後の休み時間。


「るみかちゃんは前はどこの高校だったの?」「ちっちゃーい。本当に私達と同じ二年生?」「かわいーっ」「かなでとはどういった関係なんですか!? なんでお兄ちゃんって呼んでたんですか!?」「携帯のアドレス教えて」などの質問の山だった。何気に蓮も女子に混ざって質問してるしさ。


 そんなこんなで今は昼休み。


 俺とるみかちゃんはお弁当を持ってきていないということで、一緒に食堂に来ていた。


 うちの高校の食堂は販売機で食券を買うタイプだ。


「今日は和食の気分だからAランチかなー。るみかちゃんはどれにするか決めた?」


「るみかも奏お兄ちゃんと同じAランチにする」


 俺とるみかちゃんはそれぞれ食券を買い、おばさんに渡す。


 少し待つとAランチのごはんに味噌汁、おひたしと鯖の味噌煮が乗ったトレイを受け取った。


「あそこの席が空いてるな。行こうか、るみかちゃん」


「うんっ」


 席に着くと俺はおしぼりで手を拭き、箸に手をのばした時──


「ちょっと待って、奏お兄ちゃん」


「どうかした?」


「おまじない……してあげようか?」


 頬を少し紅潮させながら上目遣いで俺を見つめてくるるみかちゃん。


 か、かわいすぎる。


 でもおまじないってよく見る……あれだよな?


 こんなところじゃ恥ずかしすぎるぜおいっ。


「る、るみかちゃん。嬉しいんだけどちょっとそれは……ごめん」


「そうだよね。るみかのおまじないなんていらないよね……」


「そ、そういうことじゃなくて──」


「冗談だよっ。るみかもさすがに学校じゃ恥ずかしいし」


 ちろっと舌を出して悪びれるるみかちゃん。


「でも……奏お兄ちゃんがしてって言うなら……してあげても、いいよ?」


「な──っ!?」


 ぼんっ、と一気に顔が赤くなる俺。


 なんだこの甘ったるい空気はぁぁああぁぁ。


 なんかるみかちゃんも俺をちらちらと見てくるし、たまにポッと赤くなるし。


 ────バンッ!!


「おぉーにぃーいぃーちゃーんー。浮気は許さないって言ったよね。なのにこれはどういうことかな? 結衣に教えて欲しいな」


 テーブルを叩いて突然現れた結衣。


 顔は笑ってるけど眼が笑ってませんよ結衣さんっ!


 結衣の後ろでやれやれといった感じに俺を見ている凛。


「誤解なんだ結衣っ!」


「誤解? 誤解される様なことをしてたんだぁ、お兄ちゃん」


「そんなことしてないよねるみかちゃん!?」


 助けを求めるようにるみかちゃんを見ると、


「……ポッ」


 ポッ、てなんだよ、ポッ、てぇー! かわいいけどもぉー。


「死刑」


「それだけはやめてくださいお願いします!」


 本気で妹に土下座をしている少年がそこにはいた。──というより、俺だった。いや俺じゃない! 俺ではないと信じたい!


 土下座から解放された俺は、必死にるみかちゃんの事を説明した。


「なんだ、ただの転校生のるみかさんだったんですか。というか、年上だったんですね」


「よろしくね、ただの妹の結衣ちゃん。そうだよー、るみかの方が本当はお姉さんなんだよー」


 なんだなんだ!? 二人の間で火花が見えるぞ!


 やけに『ただの』を強調してたけど。


「お兄ちゃんも早くるみかさんだって言ってくれればよかったのに」


「いや、だから結衣の早とちり──」


「え?」


「なんでもないです」


 だから結衣さん眼が笑ってないんですよ、眼が!


「お取り込み中悪いんだけど、こんな雰囲気じゃごはんも美味しくないんだけど」


 いいぞ凛!


 まずはこの雰囲気をなんとかしなければ。


「そ、そうだよ。今は凛の言う通りここは仲良く──」


「お兄ちゃんに言われたくない!」


「奏お兄ちゃんに言われたくない!」


「────っ!?」


 見事にそろってらっしゃる。


 俺はそれ以上何も言えず、一人静かに昼食を食べ始めた。


「なに落ち込んでんのよ。これあげるから元気だしなさいよ」


「ありがとう凛」


 ────漬……物?


「なにこれ」


「つ、漬物よ、漬物」


 たしかにこれはきゅうりの漬物なんだが──


「そうじゃなくて、なんで漬物なんだよ」


「しょ、しょうがないでしょ! それしか残ってないんだから」


「…………」


 ジト目で凛を見てること数秒。


「な、なによ」


「凛……漬物が嫌いなだけなんじゃないか?」


「そ、そんなわけ……ないじゃない」


「今の間はなんだ! 間は!」


「うるさいうるさいっ! 嫌いなんだからしょうがないじゃない!」


 ぎゃ、逆切れ……だと!?


 はぁー……ここに俺の居場所はないな。


 俺は1人大人しく、けれど急いで昼食を食べた。


「じゃっ、俺はもう食べ終えたから、後は女の子3人で楽しくやっててください!」


「ちょ、そんな慌ててどうしたのよ」


「逃げるんだよっ!」


 俺はトレイを返却すると走って食堂から逃げた。


「まだ話は終わってないんだよぉ!」


「そうだよ奏お兄ちゃん!」


「「逃げるなぁー!」」


 俺は結衣とるみかちゃんの叫び声を背に受けながらも走り続けた。


 昼休みが終わり、授業の合間にある休み時間の度に「奏お兄ちゃんどこに隠れたぁー!」と追い掛けてくるるみかちゃんから身を隠し続ける羽目になった。







「明日から中間テスト1週間前ですから、みなさんしっかり勉強してくださいねー」


 帰り前のホームルームでみっちゃんがそんなことを言いだした。


 …………へ?


 中間テストって……えっ、テスト!?


「先生訊いてないですよっ!」


 俺は勢いよく席を立ち、みっちゃんに抗議した。


「だって今初めて言いましたもん。ですがちゃんとプリントには書いてありますよ」


 バッグからそれらしきプリントを出して見てみると――


 『5月の予定表』と書いてあるプリントにはたしかに予定表の初めの方に書いてあった。


「はぁー……」


 俺は深く嘆息を付いた。


 最近いろいろあり過ぎてなにも勉強してない。


 ま、いつも一夜漬けなんだけどねぇー。


「それじゃみなさん、さようなら」


 ホームルームも終わり席を立とうとした時──


「奏お兄ちゃん」


 びくっと肩を震わせながら声の方へと振り向く。


「な、なにかな。るみかちゃん」


「そんなにびくびくしないで欲しいな。もう気にしてないから──そもそも奏お兄ちゃんはなにも悪くなかったわけだし」


 尻すぼみに小さくなっていくるみかちゃんの声を、最後まで訊き取ることはできなかった。


「それでね、奏お兄ちゃん」


「ん?」


「その……勉強……を、教えてくれないかなって。今日転校してきたばかりなのに、いきなりテストなんて言われても……」


「あ、ああ、勉強ね、勉強。俺でよければ」


「ホントに!? ありがとう奏お兄ちゃん☆」


 るみかちゃんは笑顔で俺の腕に抱きついてきた。


 バンッ!


「「ちょっと待ったーっ!」」


「結衣に凛!?」


 結衣と凛の2人が勢いよく教室のドアを開けて入ってきた。


「結衣もお兄ちゃんに勉強教えて欲しいな!」


「あたしも奏がどうしてもって言うなら!」


 俺は2人の勢いがあまりにも凄過ぎて、ただただ頷くことしかできなかった。







「ここが奏お兄ちゃんのお部屋かぁ~」


「あまり見廻さないでくれ」


「は~い」


 あの後るみかちゃんの希望でなぜか俺の部屋で勉強をすることになった。


 結衣と凛は自室で準備をしている。


「散らかっててごめんな。今テーブルを用意するから適当に座ってくれ」


 バフッ。


 るみかちゃんはベッドに腰掛けた。


「るみか前は女子校だったし、男の子の部屋に来たの初めてなんだー」


 なんですとぉ!?


 ドスッ!


「いっだぁーー!!」


 るみかちゃんの発言に驚いてテーブルを足のこうに落としてしまった。


「だ、大丈夫奏お兄ちゃん!?」


「……だ、大丈夫……」


 俺は涙目になりながら笑顔で答えた。


 ──ガチャ。


「お待たせーだよ、お兄ちゃん」


「早く教えなさいよね」


「来たか。じゃあここに座ってくれ」


 正方形のテーブルに俺の右にるみかちゃんが座り、左に結衣、正面に凛が座った。


「じゃあまず何から始めようか?」


「結衣は数学を教えてほしいなぁー」


「るみかも数学でいいよ☆」


 結衣とるみかちゃんが満面の笑みで言ってきた。


 なんで教えて欲しい教科を言うのに笑顔なんだ?


 んー、わからん。


「あ、あたしも、それで……いい」


 む、なぜ顔が赤いんだ?


「凛、どうかしたか」


「べ、別になんでもないわよっ! ただちょっと、奏の部屋に来るのが懐かしいなって思っただけ」


 そう言えばそうだな。俺が中学生の時以来か。


「つか凛は教えてもらうほど成績悪かったっけ?」


「べ、別にいいじゃない!」


「ふーん……まあいいけど」


 俺は凛の様子が気になりつつ勉強会を始めた。


(今回のテストで良い点を取って奏に褒めてもらうんだから!)


(るみかちゃんには絶対お兄ちゃんを上げないんだからね!)


(奏お兄ちゃんに勉強を教えてもらう振りをしてくっついちゃおっかな☆)


 黙々とと勉強を進める4人。


(今回のテストは中学の範囲が多いから楽勝ね)


(結衣さん全然解んないよぉー)


(あれー? 思ってたより難しいなぁ)


 みんな集中してるな。


 こんな風に勉強をするのも久しぶりだなぁ。


「あの、奏お兄ちゃん」


「ん? どうかした?」


「ここが解らないんだけど」


「あー。ここはこれを代入するとこうなるから──」


 ふにょん。


 るみかちゃんが顔を近づけて覗いてくるから、む、胸が俺の腕に当たってるって。


「──あとはこうすると、ほら」


「あーそっかぁ。ありがと、奏お兄ちゃん」


 さらに胸を押しつけてくる。


「そ、その、るみかちゃん。む、胸が当たってるんだけど」


「え? ──きゃっ。……奏お兄ちゃんのえっちぃ」


 胸を隠す様に自分を抱き、頬を赤くし恥ずかしそうに俺を見てくる。


「あぁー! 結衣だって負けないんだからっ!」


 がばっ! とその場に立ち上がると、俺の顔に胸を押し付ける様に抱きついてきた結衣の胸はるみかちゃんよりも大きく、その……柔らかかった。


 そんな光景を正面から見ている凛はというと──


「あたしももう少し大きければな……」


 などと呟いていた。


「結衣ちゃんほど大きくはないけど、るみかだって負けてないんだから!」


 左右から挟んでくる二つの胸。いや、この場合は四つか?


 そんなことより、い、息が……。


 ……死ぬ……。


「いいかげんに……勉強をしなさーいっ!」


 凛の叫び声が訊こえたのを最後に、意識を失った。

登場キャラクター紹介


クラスメイト

・朝日奈るみか(妹喫茶店員)

 150cm B83(Dカップ) W56 H78

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