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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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547話 開国祭4

 1日目の祭りを堪能した俺達は予定通り8時頃に借家に到着した。

 先に来ていたのは緑鳥と藍鷲、蒼龍と紺馬の4人だった。

「皆さん、お祭りは楽しめましたか?」

「えぇ。これ見て下さい。藍鷲様が射的の景品を獲ってくださったんです。この子、何処となくドラン様に似ていませんか?」

 白狐の問いに嬉々として緑鳥が答える。見せてきたのは一抱えはあるサイズ感の座ったドラゴンのぬいぐるみ。確かに何処となくドランに似ているような。

「確かに!よく似てますね。」

「うむ。何というかこの表情はドランが甘える時の表情にそっくりだな。」

 白狐だけでなく蒼龍も合意する。

「あの弓矢の射的で獲ったのか?ワタシもやってはみたが弓の性能が悪すぎて何も獲れなかったぞ?」

「えぇ。僕は普段から弓の性能が良い物は使ってこなかったので、あれくらいの物の方が使い易かったんですよ。まぁ景品が獲れたのはたまたまですけどね。」

 紺馬も射的に挑戦したがダメだったらしい。まぁ普段から高性能な弓矢を使っているのだ。祭りの射的屋に置かれているような粗雑な弓矢ではいつもの力は出ないだろう。

 そうこうしているうちに金獅子達も戻ってきた。

「おぉ。皆先に戻っておったか。待たせたか?」

「いや、そんなに待ってはいないから大丈夫だ。それで、皆来たから話すが白狐が我と紺馬の分の宿屋を調達してくれてな。我等は荷物だけ持って宿屋に向かおうと思う。」

 蒼龍が言うと金獅子が続けた。

「そうなのか?なら行く前に共有だ。俺様と銀狼、紫鬼が明日から開かれる武闘大会に参加する事にしたのだ。明日は予選が10時から行われるらしい。明後日が選出された32名でのトーナメントで、その次の日が準決勝と決勝を行うそうだ。暇なら観覧にくるといい。」

「あぁ。武闘大会の事は俺達も調べたけど、予選は観客も無料で見れるらしいが本戦の2日間は観覧券が必要らしいぞ。前列の方の座席で銀貨1枚、後列の座席で大銅貨7枚、立ち見席で大銅貨4枚だそうだ。」

 俺が言うと銀狼が答える。

「そうか。観覧にも金がかかるのか。盲点だったな。」

「あ、でも僕達も見たいです。」

「うむ。我も観戦したいものだな。良いか?紺馬?」

「ある程度露店は見たし、武闘大会を見るのも悪くはないな。」

 藍鷲に蒼龍達も観覧希望と。

「まぁ、とりあえず明日の予選会は朝から整理券が配られて無料で見れるらしいからみんなで見に行くのもいいかもな。本戦については観覧券が買えるか確認してみてだな。」

「確か整理券は朝9時から配り始めるって言ってましたよね?」

「あぁ。だから朝から闘技場に行って人数分の整理券を手に入れよう。本戦の観覧券がまだ買えるのかもそこで確認すればいいだろう。」

「9時からだと出場者の集合時間前じゃな。一緒に向かえば良かろう。」

「んじゃ蒼龍達も9時に闘技場集合な。」

「分かった。ではそろそろ我等は宿屋に向かう。また明日。」

 そう言い残して蒼龍と紺馬は宿屋に向かった。替わりに借家の鍵は俺が預かっている。


「そう言えば最終日にはミスコンも開かれるらしいな。」

 とは銀狼の言。

「ミスコン?そうなのか?」

「あぁ、街中で騒いでる連中をみたぞ。誰が優勝するか言い合っていた。」

「せや、ミスコンに緑鳥はん出てみたらよろしいやんか。出たことないやろ?ミスコンとか。」

 翠鷹が言い出した。

「ありませんけど、なぜわたしですか?」

「そりゃウチはもうミスコンに出る歳やないし、白狐はんと紺馬はんは人妻やん。となると残るは緑鳥はんどけやんか。」

「お!ええな。緑鳥殿のミスコン参加見てみたいわ。」

 朱鮫も乗っかってきた。

「それだけの美形の持ち主やし、アピールタイムで会場中にエリアヒールでもかけたったら優勝間違いなしやろ。なぁ藍鷲殿。」

「あ、僕も緑鳥さんの参加、見てみたいです。」

「でもわたしなんか。」

「何事も経験やで。ウチなんかも昔はミスコン荒らしとして、各地のミスコンに出まくったもんや。人前に立つ言うんは経験しておいた方がええよ。」

「でもわたし、普段から聖王として人前に出てますけど。」

「それはそれ、これはこれやん。明日一緒に行ったるからエントリーしいや。」

「緑鳥さんなら優勝間違いなしですよ。私も応援しますから。」

「そうですか?皆さんがそう言うなら参加してみようかしら。」

 白狐にも背中を押されて緑鳥がミスコンに参加する流れになった。


「それにしても主神祭で出てた露店よりも種類が多かったな。帝国は海がある分、海産物の店が結構あったんじゃ。アレ食べたか?タコ焼き。」

「あぁ。食べたよ。丸く形成された中にタコが入っているやつだろ?あれはなんなのだろうな?小麦粉を水で溶かした様な生地だったが。初めて食べたな。」

 紫鬼に話を振られて俺が答える。

「クロでもわからんのか。となるとこの辺りだけで食べられとる物なのかもな。」

「僕達はそのタコ焼きとやらは食べてないんですが美味しかったんですか?」

「なんじゃ。藍鷲達は食べんかったのか。あれはタコの旨味がよく出てて美味かったぞ。明日にでも食べてみるといい。闘技場のそばに露店が出てたはずじゃ。」

「それは是非食べてみないとですね。ね、緑鳥さん。」

「そうでございますね。そこまで美味しいものであれば来年の主神祭で誘致してもいいかも知れませんし。」

「じゃあ決まりですね。明日はタコ焼きを食べましょう。」

 微笑み合う2人。少し距離感が近付いたようにも見える。気のせいか?


 と、まぁそれぞれの祭りの楽しみ方を共有しつつ、明日の朝に向けて就寝する事にした。

 女性陣で2階の一部屋、男共は半分が2階の一部屋に残りはリビングで雑魚寝だ。

 床に直で寝るのはしんどいから影収納からマットレスを取り出した。

「ホントに色々入っているな。その影収納には。」

 銀狼が感心する。

「まぁな。今迄に買ったものがほとんど収納されているから無いものの方が少ないかもな。」

「お前が居てくれてホントに助かったよ。」

「何だよ。急に。」

「いや、日頃の感謝を伝えるのもありかなってな。」

「ふっ。そうか。役立ってるならなによりだ。さて、寝るか」

「だな。9時に闘技場ともなると7時半には家を出ないとな。」

「あぁ、一応軽く朝食は作るから食べたいやつは6時半起きで頼む。」

「はいさ。」

「はいよー」

「わかっただよぉ。」

 皆が返事を返す。


 さて、1日中遊んできたからか、眠気が強い。サッサと寝て明日に備えよう。


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