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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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535話 聖都セレスティア57

「なに?!邪神教徒が聖都に?」

「えぇ。しかも話に聞いとった甲蟲人化する卵みたいんのを持っとったわ。」

 聖都に戻って早々に衝撃的な話を聞かされた俺達。俺の質問に朱鮫が答える。

「卵持ちか。となると幹部級だろうな。」

「せやな。ただ甲蟲人化したばかりやったからか外骨格がそこまで硬くはなかったんよ。せやからウチの細剣で突き刺せたんやけどな。」

「儂も頑張ったぞぉ。朱鮫と藍鶖が王化出来なかったからなぁ。」

 翠鷹と茶牛でなんとか倒せたらしい。でもまた甲蟲人化か。邪神はどんだけあの卵をばら撒いたんだかな。

「幹部級がまだいたとは。となるとまた聖都に残りの邪神教徒が来る可能性もあるか。」

「せやな。その後ワイらも警戒しとったんよ。取り敢えず後続の邪神教徒は来んかったけどな。」

「いずれにせよ、今後も要注意じゃな。」

 甲蟲人化したバケモノを相手にした事もある紫鬼も注意を喚起する。


「こっちもさの話はその程度や。んで、そっちはどうだったん?最下層まで行ってボス倒せたん?」

 朱鮫が聞いてくる。

「あぁ。再開層には大海の王を名乗るリヴァイアサンがいた。」

 金獅子が答える。

「リヴァイアサンかぁ。大海の王ってなかなかな二つ名やなぁ。やっぱり強かったん?」

「あぁ。紺馬が一時戦闘不能にまで追い込まれたが、なんとか撃ち倒す事が出来た。」

「紺馬殿が?もう大丈夫なん?」

「ん?聖王に治して貰ったからな。」

「聖術による回復とは言え失った器官は再生できませんからこの前も言いましたが腎臓は片方失われた状態です。」

「ん?特に違和感もないぞ?」

「ダメです。聖都に戻ったら休養する約束でしたでしょう? 

 」

「むぅ。そうだな。仕方ない。休養するよ。」

 渋々ながら紺馬が緑鳥に言う。


「そこまでの強敵やったんなら良い感じの宝物が手に入ったんちゃう?どんな魔道具が手に入ったん?」

 興味津々といった様子で朱鮫が聞いてくる。

「まずはワシのこの亀の甲羅っぽい手甲じゃな。河童を倒した時に手に入れたんじゃ。」

「それにリヴァイアサンが落としたこの槍だな。我の三叉の槍が折れてしまってな。1度直した箇所がまた折れてしまっているから修復は難しいだろう。と言うことでこの槍を次の我の武器にすることにしたのだ。」

「あとは最後に宝箱から出てきたこの小太刀です。水色の鞘が綺麗でしょ?まだ抜いちゃダメって、クロさんが言うから波紋は確認してませんがきっと鞘と同じで綺麗ですよ。」

 3つの魔道具を見て朱鮫が唸る。

「ほうほぅ。3つも手に入れたんかいな。それに今回は誰の分の装備かも来まっとるようやし、さっさと鑑定人に見せに行くんやろ?」

「あぁ。そのつもりだ。下手に使って呪われた武具だったとかなったら洒落にならないからな。」

「ほな、ワイも一緒に行ってええか?どんな魔道具か興味あんねん。それに鑑定人言うのにも興味あるしな。」

「んあ?別に構わないぞ。」


 と言うことで今回は鑑定に興味があると言う朱鮫をはじめ、白狐、紫鬼、蒼龍と一緒に『ミラの鑑定所』へと向かった。

『ミラの鑑定所』は街の外れにあるボロ小屋で、看板に『ミラの鑑定所』と描いてなかったら間違いなくスルーしてしまいそうな建物だ。

「ここが鑑定所かいな?」

 朱鮫がその外観を見て驚く。

「衝撃的な建物だろ?」

「せやな。鑑定人はもっと儲かる思っとったからな。」

「儲かってはいるんじゃないか?まただ店の外観などは気にしない人間なんじゃないかな。」

 俺は言うと早速店の扉を開けた。


 中に入ると三畳ほどのカウンターだけがあり、カウンターの中には白髪の老婆が座っていた。

「おぉ。さすがに雰囲気あるなぁ。」

 朱鮫が言うが俺は老婆に声をかける。

「ミラはいるか?鑑定を頼みたい。」

「ふぇっふぇっふぇつ。お客さんだね?いるよ。ちょっと待ってな。」

 怪しく笑いながら老婆は店の奥へと消える。

「今のが鑑定士やないのん?」

 朱鮫が聞いてくる。

「あぁ。店番みたいだな。ミラを見たら驚くぞ。」

「見たら驚く?」

 そんな会話をしている間に奥から頭にゴーグルを乗せた、金髪をおさげに結んだミラが出てきた。

「お?またあんたらかい。3回目だからお得意様価額で見てやるよ。今度はなんだい?」

「あぁ。今回は嘆きの迷宮に潜ってきてな。3つの魔道具を手に入れてきたんだ。」

「なぁ黒猫殿。このちゃいちぃのが鑑定人かいな?」

 俺がミラと喋っている横から朱鮫が声をかけてくる。

 確かにミラの見た目は10歳前半に見えるくらい小さい。

「全くあんたが連れてくる奴らは毎回あたしを子供扱いするね。そろそろ来る前に説明しといてくれよ。あたしはこう見えても19歳だよ。身長は小さいけど眼は確かだよ。」

「そうかぁ。若いんやな。鑑定人言うから高齢者を考えておったわ。」

「ふんっ。古い感覚だね。昨今の鑑定界隈は平均年齢が一気に下がっているんだよ。まぁそんな話はいいさね。さっさと物を出しな。」

 ミラにせっつかれて俺は影収納から3つのアイテムを出しカウンターの上に置いた。

 次の瞬間、ミラの目が変わった。


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