494話 甲蟲人:百足3
多碗に阻まれていまいち有効打を与えられない面々。
次に仕掛けたのは百足型甲虫蟲人の方であった。
先頭にいる獣王へと4本の右腕で斬りかかる。
大剣で辛くも受け止める獣王。しかし続く5本足での蹴りには反応出来なかった。
王鎧の上から強烈な蹴りが5連撃となって獣王な腹部を襲う。
これには耐えきれず獣王が吹き飛ばされる。
そしてあっという間に後方にいた精霊王に近づく百足型甲蟲人。
右腕を一本千切られた事を相当根に持っている様子。
「あんただけは許さないわヨ!」
残った3本の右側の腕でナイフを振るう百足型甲蟲人。
金属の刃が付いた鳥打でこれを防ぐ精霊王。そのまま至近距離から3本の矢を射る。
「火炎矢!」
火炎の矢が百足型甲蟲人の腹部にヒット。
「あっついわネ!」
左の4本腕でナイフを振るう百足型甲蟲人。これには対応出来ず右腕上腕を切り裂かれる精霊王。さらに斬撃を受けた拍子にバランスを崩したところに強烈な蹴りが飛ぶ。
腹部にめり込んだ蹴りにより吹き飛ばされる精霊王。
そんな百足型甲蟲人を追って龍王と賢王の2人が背後から仕掛ける。
「龍覇連突!」
三叉の槍での高速連続突きが百足型甲蟲人の1番背後にある右足の付け根に突き刺さる。
千切れかけた1番後ろの右足へと賢王の光速を超えた突きが放たれる。
「食らえ!タキオン・スラスト!!」
賢王自身の放つ高速かつ正確な突きが千切れかけた足を付け根から切り飛ばす。
「うぎゃっ!何すんのヨッ!」
振り向きざまにナイフを振るう百足型甲蟲人。突きを放った細剣を戻してガードするも4連撃となったナイフの攻撃に吹き飛ばされる賢王。
「うぐっ!」
賢王は数m程転がされる。
そんな中、尚も攻撃を続けるのは龍王。
「水撃・龍翔閃!」
突き出された三叉の槍の先端から高圧の水撃が放たれ、百足型甲蟲人の前から4本目の右足を吹き飛ばす。
「ぎゃっ!アンタも何すんのヨッ!!」
左手の4本のナイフで斬りかかる百足型甲蟲人。しかし、これは三叉の槍で受け止めた龍王。ナイフを弾くとさらなる攻撃を仕掛ける。
「龍牙突!」
回転を加えた三叉の槍が上部から2番目の右腕を穿つ。
一撃で千切れんばかりにダメージを受けた百足型甲蟲人。しかしまだ無事な腕が2本ある。
「痛いわネッ!」
無事な2本の右腕でナイフを振るう百足型甲蟲人。
三叉の槍を掲げてこれを受け止めた龍王。しかし続く蹴りには反応できず、蹴り上げられる。
そこにさらなる4本の左腕から放たれる4本のナイフ。
龍王の王鎧の背中に4筋の切り傷をつけ、地面へと叩き付ける。
左の5本足でストンピングを仕掛ける百足型甲蟲人。
しかし、その振り下ろした足の根本に精霊王が放った5本の火炎の矢が当たり龍王から逸れる。
そこに戻ってきた獣王の強烈な大剣の振り上げが迫る。
左手の4本のナイフでこれを受け止めた百足型甲蟲人であったが足元を矢で射られてバランスを崩したところへのかち上げであった為に、さらにバランスを崩す。
そこに大剣を振り下ろす獣王。斬撃は胸部の外骨格へと吸い込まれるようにヒット。
吹き飛ぶ百足型甲蟲人。獣王の攻撃は止まない。
軽く跳躍すると
「断頭斬!」
兜割りが百足型甲蟲人を襲う。
辛くもナイフで受け止めた百足型甲蟲人。しかし獣王はさらに跳躍して再び兜割りを仕掛ける。
「雷撃断頭斬!」
雷を纏った大剣を振りかぶる獣王。
これもナイフで受ける百足型甲蟲人。しかし電撃が体を伝う。
「あばばばばっ!」
さらに掬いあげるように斬撃を放つ獣王。1番下の左腕が付け根から切り飛ばされる。
しかしやられてばかりではない百足型甲蟲人。電撃に身を焼かれながらも無事な左足で蹴りを放つ。
腹部に5連の打撃を受けて蹈鞴を踏む獣王。そこへ左腕でのナイフの3連擊が飛ぶ。
無理な体勢でこれを大剣で受けた獣王は軽く吹き飛ばされる。
そこへ精霊王の火炎の矢が飛んでくる。
追撃を仕掛けようとする百足型甲蟲人を牽制する精霊王。
「きーっ!邪魔ばかりして!」
再び足を精霊王へと向ける百足型甲蟲人。
「行かせるか!」
三叉の槍で脚部を狙った突きを放つ龍王。
「龍覇連突!」
無事だった左の5本の足のうち、1番後ろの足が膝から千切れる。
しかしその程度では止まらない百足型甲蟲人。
一気に距離を詰めて精霊王へと左腕での3連の斬撃を放つ。
「氷の精霊よ。力を貸し給え。氷結矢!」
氷で出来た5本の矢を射る精霊王。
氷で覆われる3本のナイフ。しかしナイフを振るう腕は止められない。
刃が凍りつき打撃となった3本のナイフによる攻撃を右肩に受けた精霊王。咄嗟に身を捻り直撃は避けたものの、重い3連撃を受けて吹き飛ばされる。
「くはっ!」
「ん~気持いいワ~。気に入らない奴をぶっ飛ばすのはいいものネ。」
複数の手足を失っても尚、余裕の表情の百足型甲蟲人。
吹き飛ばされていた獣王も復帰して百足型甲虫蟲人と向き合う。
前には獣王、後ろには龍王と賢王の2人に囲まれ、様子見の状態の百足型甲蟲人。
「さて、次は誰をぶん殴ろうかしらネ~。」
値踏みするかのように3人を舐めまわすように見つめる百足型甲蟲人。
突如方向転換して賢王へと足を向ける。
「次はアンタの番ヨ~!」
刃が凍りついていない右の2本のナイフが賢王を襲う。




