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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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455話 甲蟲人:蠅9

 睨み合う形になった蠅型甲蟲人、蠅の王と獣王達。

 先に動いたのは蠅の王だった。

 バトルアックスを両手で把持し、1番左側にいた賢王を狙うように振り抜く。

 バトルアックスの質量を考えると細剣で受ける訳にもいかず、後方に下がり距離を取る賢王。

 蠅の王はバトルアックスを振り回した勢いそのままに1回転し、バトルアックスをその隣の龍王へと向ける。

「む!」

 ガギンッ

 龍王は三叉の槍を縦に構えてこれを受け止める。

「YoYo!その武器もなかなかなもんだな!だが生半な気持でバトルアックスを振るってはいねぇぜ!ガタガタにしてやんよっ!」

 受け止められたバトルアックスを強引に振り抜き、三叉の槍を弾く蠅の王。

 そこに獣王と鬼王が飛び掛かる。

 獣王の振り下ろす大剣を避けた先には鬼王の拳が待つ。

 それを見越した蠅の王は避けるのではなく、バトルアックスで大剣を受ける事を選ぶ。

 バトルアックスを掲げて大剣を受けた蠅の王に鬼王が拳を向ける。

 顔面を狙ったその一撃を肩を上げて肩で受けた蠅の王。バトルアックスで大剣を弾くと後方へと跳ぶ。


 それを追うのは賢王。

「貫け!タキオン・スラスト!!」

 光速をも超える速度で放たれた突きは蠅の王の左肩関節部に吸い込まれるように突き刺さる。

 突き刺さった細剣は根元まで蠅の王の肩関節にめり込む。

 そのまま細剣を上へと振り抜く賢王。蠅の王の左肩は半ば千切れた形になる。

「oh!痛ぇじゃねぇか!」

 まだ両腕で把持したバトルアックスを振り抜き賢王を狙う蠅の王。しかし、そのバトルアックスは龍王が差し出した三叉の槍によって止められる。

「Yeah!邪魔すんじゃねぇーよ。かましてやんぜ!オレッちのバイブス!」

 バトルアックスを振り上げて三叉の槍へと振り下ろす蠅の王。

 三叉の槍を掲げてこれを受け止める龍王。しかしその腹部に強烈な前蹴りが放たれる。

 吹き飛ぶ龍王。その空いた隙間に入るように獣王が大剣を横殴りに振り抜きエントリー。

 バトルアックスでこれを受け止めた蠅の王であったが、鬼王の追撃は避けられなかった。

「鬼拳!」

 顔面に右ストレートの強打を受けて吹き飛ぶ蠅の王。

 鬼拳は拳に妖気を乗せた鬼王の必殺の拳である。もろに喰らった蠅の王は若干フラつきながらも両足で立つ。

「Yeah!やるな!だが勝負はこれからだぜ!」

 蠅の王は背中の翅を震わせて上空へと舞い上がる。

「YoYo!オレッちの猛攻。受けてみな速攻!」

 そこからは獣王達が防戦一方であった。上空からバトルアックスを振り回しながら降下してくる蠅の王を捕らえる事が出来ず、振り下ろされるバトルアックスを辛うじて受ける獣王に龍王。鬼王と賢王はこの攻撃を転がりながらも避け続けるが上空からの猛攻は止まらない。

「えぇい!上空にいようが叩き落としてくれる!断頭斬!」

 大きく跳躍して蠅の王へと迫る獣王。振り上げた大剣を高速で振り下ろし蠅の王を叩く。

 これをバトルアックスで受け止めた蠅の王であったが、勢いを殺せず、地面へと叩き落とされる。

 そこに迫ったのは鬼王。

「うぉぉぉお!鬼拳!!」

 左フックが蠅の王の腹部に突き刺さる。身体が浮いた蠅の王。その背中にダブルスレッジハンマーを叩き付ける鬼王。

 蠅の王が再び地面に叩き付けられる。

「龍覇連突!」

 そこに龍王の高速連続突きが襲いかかる。

 地面に縫い付けられた形になった蠅の王。そこに跳躍していた獣王が大剣の切っ先を下に降下してくる。

 首を狙った一撃であったが、辛うじて身体を動かし左肩に受けた蠅の王。

 賢王の攻撃で半ば千切れていた左肩は獣王の一撃で完全に千切れた。

 このまま押し切れると思った矢先、蠅の王は翅を震わせて地面すれすれを飛び4人から距離を取る。

 バトルアックスは右腕だけで持っている形だが、千切れた左腕もまだバトルアックスの柄を把持していた。


 蠅の王はバトルアックスを振り抜き、自身の左腕を賢王に向けて飛ばすと、それを追うように弾丸の如き速度で飛翔する。

 飛んできた千切れた左腕を細剣で叩き落とした賢王出会ったが、続くバトルアックスの振り抜きをもろに受けて吹き飛ばされる。

 蠅の王はバトルアックスを振り抜いた勢いで1回転。次に狙うは鬼王。

 バトルアックスの強打を両腕をクロスさせて受けた鬼王であったが、バトルアックスの勢いに両腕が跳ね上げられる。

 そこに再びその場で回転した蠅の王のバトルアックスが迫る。

 ゴギンッ

 腹部にバトルアックスの痛打を受けた鬼王は数歩後退させられる。


「Yeah!オレッちの動きは速攻!学校じゃ習わないぜこの動き!お前らの攻撃はもはや失効!怒っ濤の勢いで打ち噛ますぜ特攻!」

 再び上空へと飛翔する蠅の王。

 それを追うように跳躍する獣王。

 だが蠅の王の飛翔速度ついていけず、空中で無防備となった獣王に向けて上空から蠅の王が迫る。

「Yeah!」

「くっ!」

 片腕で振り抜かれたバトルアックスの一撃を何とか大剣でガード下獣王だったが、その勢いに押されて急降下する。

 地上に叩き付けられた獣王。そこにさらなる追撃のため、蠅の王が迫る。

 その横手から龍王が三叉の槍を抜き出す。

 咄嗟にバトルアックスで受けた蠅の王。そのまま倒れ込む獣王にタックルする形となる。

「ぐほっ!」

「YoYo!まだまだ行くぜ!」

 再度上空へと舞い上がる蠅の王。

 跳躍では到底辿り着けないほどの上空から4人を睨みつける。

 倒れ込んでいた獣王も起き上がり、吹き飛ばされていた賢王も戻ってきた。

 第二ラウンドの幕が上がる。


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