表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

432/555

431話 聖都セレスティア48

 さて、神殿の調理場へとやって来た俺と白狐。緑鳥と翠鷹も手伝ってくれるそうだ。

 早速タマネギとニンジンのみじん切りを翠鷹に頼んだ。ニンジンのみじん切りはハンバーグに入れる為のものだ。


 白狐にはドラゴン肉とオーク肉の塊を包丁で叩いてミンチ肉を作って貰う。あえて肉塊からミンチ肉を作ることで大きさにばらつきが出て肉の食感が良くなる。


 緑鳥にはニンジンとジャガイモ、茸類とトマトの乱切りをお願いした。

 俺はと言えばリンゴを皮ごとすりおろしている。これがカレーの隠し味になる。


 タマネギのみじん切りが終わったとの事なので、鍋を火にかけてタマネギを投入。飴色になるまでしっかり炒める。

 ハンバーグを別立てで用意する為、カレー自体に肉は入れない。

 タマネギが飴色になったらニンジン、ジャガイモ、茸類も鍋に入れて炒める。


 そうこうしているうちにミンチ肉が出来上がったので、ハンバーグのタネ作りをする。

 ハンバーグにみじん切りにしたタマネギとニンジンを加えてよく混ぜる。で、卵、牛乳も投入してさらに混ぜたらここでご飯を投入する。

 ご飯は事前に練っておいて粘りが出るようにする。これがつなぎの役割をする。

 よく練ってたらハンバーグの形に形成して片面ずつ6分程度焼く。これでハンバーグの出来上がりだ。

 あんまり分厚く形成すると火が中まで通らないから注意が必要だな。


 で、肝心のカレーの方はしっかりと灰汁を取ったら特製調合したスパイスを投入して、よく煮込む。トマトを入れてさらに煮込み、ジャガイモが溶け出して少しトロミが出てきたら最後にすりおろしリンゴを入れてかき混ぜたら完成である。


 サラダは翠鷹と緑鳥にレタスとキュウリ、トマトを適当な大きさに切って貰った。

 ドレッシングは簡単な物を白狐に作って貰う。

 醤油大さじ7、酢大さじ11、ごま油大さじ7、ショウガのみじん切り大さじ3、コショウ適量を混ぜ合わせるだけ。

 サラダ用の皿に盛り付けて貰ってドレッシングをかけてサラダの出来上がりだ。


 全員分のハンバーグカレーを皿に盛り付けたところで金獅子達も帰ってきた。

 また大量に酒を買い込んできたようだ。まぁ、今日は祝い事だからな。大いに飲んで騒げばいいさ。

 体調不良だった碧鰐もテーブルにつく。まだ具合は悪そうだが、食欲はあるとの事で、今日は酒は控えておくように言う。

 いつもと違って和牛と紺馬の席を交換して蒼龍の隣に紺馬が座る。

「おっ?カレーにハンバーグか。これは美味そうじゃな。」

 紫鬼が早速カレーに手を伸ばそうとするのを隣に座る俺が止めた。

「まずは乾杯からだろ。」

「それもそうじゃな。」

「では乾杯の音頭は俺様がとろうぞ。蒼龍と紺馬の結婚を祝って。乾杯!」

「「「「「「乾杯!」」」」」」

「改めて蒼龍殿、紺馬殿。おめでとさん。」

「蒼龍さんに紺馬さん。おめでとうございます。」

「紺馬おめでとう。片思いが実ったな。蒼龍もおめでとう。」

 後から聞いた朱鮫、藍鷲、碧鰐も祝いの言葉をかける。


「いやーホントにめでたいな!甲蟲人の侵攻やら浮かない話題ばかりのところにきて2人が結婚するとはな!」

 すでにたらふく酒を呑んだ金獅子が大声で言う。

「そうだな。我も思ってもみなかったわ。まさか自分が婚儀を結ぶ日が来るとはな。」

「紺馬はんのアプローチのおかげやな。ウチらもアシストしたんやで。感謝しぃや。」

「そうなのか?それはありがとう。翠鷹や皆のおかげだな。」

「ワタシからも礼を言う。皆の後押しがなければワタシも龍王に気持ちを伝える事はなかっただろう。」

「なんや、いつまで紺馬殿は龍王とか呼んでんねや?もう夫婦になるんやったら蒼龍殿の事くらいは名前で呼んだりぃな。」

 朱鮫に言われて紺馬が蒼龍を見つめる。見つめ返す蒼龍。目を逸らす紺馬。

 そんな流れが何度か行われた後で小さく紺馬が言う。

「そ、蒼龍。」

「なんだ紺馬。もっと大きな声で呼ばれないと我も気付かんかもしれんぞ。」

「蒼龍!」

 今までで1番大きな声を紺馬が出した。

「うむ。そのくらいハッキリ呼んでおくれ。」

「うぅ。わかった。」

 顔を真っ赤にしてうつむく紺馬。

 一同が笑いに包まれる。


「それで2人は結婚式はどうすんだぁ?」

 茶牛が質問を投げかける。

「うむ。エルフの里に紺馬の両親が健在だと言うのでな。そちらに赴き婚儀の挨拶と共に婚約の儀を開こうと思っておる。」

「婚約の儀ってなんだ?」

 俺は思わず聞いてしまった。

「龍人族風の結婚式ですよ。龍人族は神に婚約を誓うのではなくて、儀式に参列した人達に誓うんですよね?」

「うむ。よく知っているな。さすが博識な白狐だ。と言うわけだから皆にも一緒にエルフの里まで来て欲しいのだ。我等が婚約を誓う場には皆もいて欲しいからな。」

「ワタシからも頼む。」

 蒼龍と紺馬が頭を下げる。

「何畏まっとるんよ。当たり前やんか。参列させて貰うわ。」

「せやで。ワイらが行かんかったら誰が行く言うねん。」

「わたし、結婚式とか初めてです。」

 翠鷹、朱鮫、藍鷲が声を揃えて参加すると答える。他の皆も首を縦に振る。


 こうして皆でエルフの里まで行くことが決まったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ