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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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358話 砂の迷宮11

 地下54階層。

 ジャイアントの上の種としてギガントがいる時点で覚悟はしていたが、遭遇したのはギガントアント。

 体長はジャイアントの倍以上で2m超えである。

 ただ図体がデカくなっただけで攻撃手段は変わらない。

 俺達の敵ではなかった。


 地下55階層。

 一見普通のサボテンと見える魔物が現れた。

 カクタストレントと言うトレントの変異体らしい。

 トレントのように蔦や枝を伸ばしてくる事は無かったが、全身に生えた棘を飛ばしてくるのには参った。

 王化して王鎧を着込んだ為、ダメージは受けなかったが、銀狼が知ってなかったら生身のまま挑んで棘だらけになっていただろう。

 やっぱり知識って重要だな。

 俺はもっぱら対人戦しかしてこなかったからあまり魔物の種類に詳しくない。

 こういう点でも仲間には助けられているな。


 地下56階層。

 ギガントアントに続いてギガントスコーピオンが出てきた。

 体長は3m程で尻尾に付いた針などは1mにもなる大物だ。

 毒性も強くなっているらしく、針を突き刺さなくても針から毒液を射出してきた。

 その毒性は凄まじく地面や壁の砂が腐るほどであった。

 尻尾に注意してまずは尻尾の針を落とすことで対処していった。

 尻尾さえ落とせばあとは突進してくるくらいのもんだ。

 やはり俺達の敵ではなかった。


 地下57階層。

 ギガントアントとギガントスコーピオンの混合軍団に遭遇。

 ギガントアントに構っている間にギガントスコーピオンが毒液をばら撒いてきたので少々難儀したが、緑鳥の護衛に回った銀狼を抜いてもこちらは6名。

 敵も相当数ではあったが、危なげなく倒すことが出来た。


 地下58階層。

 デザートタイガーという獣型の魔物が始めて出てきた。

 大きく前面に突き出た上の牙と、大きく上方を向く下の牙を持つ虎系の魔物だ。

 体長は2~3m程度。

 足場が砂という決して良い環境ではないにも関わらず機動力が素晴らしく、気を抜けば上の牙で串刺しにされるところだった。

 跳びかかってくる瞬間に下に潜り込み腹部を切り裂いてやったら臓物を溢れさせながら倒れた。

 金獅子も蒼龍、白狐も難なく倒していた。

 地下59階層。

 デザートバイソンという牛系の魔物が行く手を阻んだ。

 大きく左右に生えた角が特徴的で額の上で前面に突き出た状態になっている。

 攻撃手段は牛らしく突進あるのみで、自ら壁に突撃しては角を砂壁に突き刺していた。

 ここでは俺が緑鳥の護衛に回った為、戦闘は皆に任せた。

 特に目を惹いたのはヘッドロックから倒れ込んで首の骨を折っていた紫鬼だ。

 獣相手でも寝技が使えるのは心底凄いと思った。

 虎系の魔物は筋肉質で肉質が固いため食用には適さないが、牛系の魔物なら食べられるだろう。

 デザートバイソンはきっちり解体して、その肉を影収納に収めた。に


 地下60階層。

 スタンピードの第4波が来た。

 敵はギガントアント、ギガントスコーピオン、デザートタイガーにデザートバイソンだ。

「王化して挑むぞ!」

 金獅子の掛け声に皆が王化する。

「王化!獣王!」

 金獅子が声を上げると、右手中指のリングにはまる金色の王玉から金色の煙を吐き出しその身に纏う。

 次の瞬間、その煙が吸い込まれるように体の中に消えていき、煙が晴れると獅子を想起させるフルフェイスの兜に金色に輝く王鎧を身に着けた獣王の姿となる。

「王化!牙王!」

 銀狼が声を上げると、左手中指のリングにはまる王玉から銀色の煙を吐き出しその身に纏う。

 その煙は体に吸い込まれるように消えていき、煙が晴れると狼を象ったフルフェイスの兜に銀色に輝く王鎧を身に着けた牙王の姿となる。

「王化!龍王!」

 蒼龍が言うと胸に下げたネックレスにはまる蒼色の王玉から蒼色の煙が吐き出される。

 その煙は体に吸い込まれるように消えていき、残ったのは龍をモチーフにしたような兜に蒼色の全身鎧を纏った龍王の姿となる。

「王化!破王!!」

 白狐の右耳にしたピアスにはまった真っ白い石から、白い煙が立ち上り白狐の姿を覆い隠す。

 次の瞬間、煙は白狐の体に吸い込まれるように消えていき、残ったのはどことなく狐を思わせる真っ白いフルフェイスの兜と、同じく真っ白い全身鎧に身を包んだ破王の姿となった。

「王化!鬼王!剛鬼!」

 紫鬼が王化し、右腕にしたバングルにはまる王玉から赤紫色の煙を吐き出しその身に纏う。

 その煙刃体に吸い込まれるように消えていき、煙が晴れると額に2本の角を持つ鬼を象った赤紫色のフルフェイスの兜に赤紫色の王鎧を身に着けた鬼王の姿となる。

「王化。聖王!」

 緑鳥が王化し、額に輝くサークレットにはまる緑色の王玉から緑色の煙を吐き出しその身に纏う。

 その煙は体に吸い込まれるように消えていき、煙が晴れると緑色の鳥をイメージさせるフルフェイスの兜に緑色の王鎧を身に着けた聖王の姿となる。

「王化!夜王!!」

 俺も王化し、左耳のピアスにはまる王玉から真っ黒な煙を吐き出しその身に纏う。

 その後煙が体の中に吸い込まれるように消えていくと猫を思わせる真っ黒な兜に、同じく真っ黒な全身鎧を身に着けた夜王の姿となる。

 俺はいつも通りは影収納から主力武器である黒刃・右月と黒刃・左月を取り出した。


 生身でも十分戦えた相手達であるからして、数が多くなった程度では王化した俺達の敵ではなかった。

 だが腹の空き具合からしてもう夜になっていた。

 4日目は地下60階層までの進出となった。

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