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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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259話 甲蟲人:甲虫5

 戦いが始まって早くも30分以上が過ぎた。

 と朱鮫の王化が解けてしまった。

「なんでや!45分はいけてたのに!」

「恐らくは戦闘で神通力を消費したからでしょう。王化する為には神通力が必要ですが神通力は王化を維持するだけでなく権能を使う事でも消費されます。」

 緑鳥が言う。

「そんな。魔術を使い過ぎた言うんか。参ったなぁ。まぁ王化せんでも魔石魔術は使える。ワイはまだ戦えるでぇ!ファイアショット!」

 長大な杖の先から複数の火球を生み出しつつ甲蟲人:蟻へと向かわせる。

 あちこちで火の手が上がる。


 炎に巻き込まれた甲蟲人:蟻達は一瞬動きを止めるが、熱に慣れるとまた動き出す。

 しかし、動きを止めた隙を付いて蒼龍がその首を三叉の槍で突き刺し、首を刎ねる。

「無理はするなよ。朱鮫。藍鷲も魔力切れには注意せよ!」

 槍を振り回しながら注意喚起する蒼龍。

「ワイはまだまだやれるでぇ!ファイアアロー!」

「わたしもまだ平気です。ファイアストーム!」

 2人ともに炎熱系魔法、魔術を放つ。

 辺り一帯が炎に包まれて甲蟲人:)蟻の動きを止める。

 その隙に翠鷹、蒼龍、紺馬が次々と甲蟲人:蟻を倒していく。


 もちろん、俺も負けてない。ドランの吐き出した火炎放射により動きを止めた甲蟲人:蟻の首を刎ねる。

 ヨルジュニアもまだ戦えている。

 にしても数が多いな。数千って話だったけど、万はいたんじゃないか?

 兵僧とも協力しつつ甲蟲人:蟻を打ち倒していく俺達。

 敵将の方はどうなった?

 まだそちらを見る余裕はない。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 突進してくる甲蟲人:甲虫。

 最初の大剣による斬撃は武器を弾くものであり、その本命の攻撃は超硬度を持つ角での体当たりだ。

 今も獣王が大剣を弾かれて胸部に痛打を受けて転がった。

「くっそ。突進力が半端ないのぅ。」

 何度も角による突進を受けた王鎧の胸部には深々と角の跡が残る。

「我ノ突進ヲ止メラレル者ハイナイ。」

 静かに語る甲蟲人:甲虫。


 破王も獣王も、牙王も仁王もみな一様に胸部には深々と角の突進跡が刻まれている。

 いくら王鎧とはいえ、もう何度も受けきる事は出来ないだろう。

 甲蟲人:甲虫が仁王の方を向いた。

 チャンスである。

 障壁を展開して、その突進を止めるのだ。

 猛スピードで突っ込んでくる甲蟲人:甲虫。

 その大剣が振り抜かれる前に。

「障壁!」

 仁王は片手を前に出して自身の目の前に障壁を展開した。

 ガギンッ。

 甲蟲人:甲虫の放った斬撃が止まる。

 突進はどうか。

 ドガンッ。

 角も止まった。


 その間に残る3人が一斉に攻撃に出た。

 破王の繰り出した斬撃が首を狙う。

 獣王の振り下ろした大剣が、大剣を持つ腕の肩口を狙う。

 牙王の繰りだした斬撃が大剣を持つ腕の肘を狙う。

 しかし。

 咄嗟に大剣を振り回してその場で回転する甲蟲人:甲虫。

 その大剣により、破王の刀が、獣王の大剣が、牙王の剣が弾かれた。

 だがまだ仁王がいた。

 甲蟲人:甲虫の背後から戦斧を振り下ろす。

 それを察したのか腱が切れた左腕を頭上に上げる甲蟲人:甲虫。

 その腕が肘から切断された。

 そのまま戦斧は左肩をも斬りつける。

 甲蟲人:甲虫の左腕が肩口から切断された。

 注を舞う片腕と前腕。


 しかし、それまでだった。左腕を犠牲にしながらも甲蟲人:甲虫は大剣を振るって仁王に斬撃を繰りだした。

 もろに腹部に当たり吹き飛ばされる仁王。

 だがまだ3人も諦めてはいなかった。

 弾かれた武器を引き戻し、再度後方から斬りつける。

 獣王の大剣は掲げられた大剣により止められた。

 牙王の剣は右肩に止められた。

 破王の斬撃は大剣を持つ右手首を切断した。


 手首を切断された事で獣王の大剣を受け止められなくなった甲蟲人:甲虫は角で大剣を受け止める。

 再び繰り出された破王の斬撃と牙王の斬撃は手首から先を失った右腕を振り回して弾き返した。

 ガシャンッ。甲蟲人:甲虫の大剣を持つ右手首が落ちた。

 弾かれようとも何度でも斬撃を繰り出す破王、獣王、牙王。

 もう少し、あと少しで攻めきれる。

 そう思った矢先。

 甲蟲人:甲虫の背中が割れて翅が出た。

 跳び上がる甲蟲人:甲虫。

 空を斬る破王の刀。獣王の大剣。牙王の剣。

 甲蟲人:甲虫は空を飛んでいた。


「マサカ我ガ飛バサレルトハ。シカシ、コウナレバモウ止マランゾ。」

 甲蟲人:甲虫はそう言うと猛スピードで宙を走った。

 目にも止まらぬ速度で飛び回り、獣王へと突撃する。

 咄嗟に大剣を振り下ろす獣王。

 しかし、大剣が甲蟲人:甲虫に当たる前に胸部にもの凄い衝撃を浴びて吹き飛ばされる。

 獣王に突進した勢いそのままに次は破王へと向かう甲蟲人:甲虫。

 破王も神速の斬撃で迎え撃つが刀は弾かれて腹部に衝撃を受けて転がった。

 刀が当たったにも関わらずその角は健在だった。

 次は牙王が狙われた。

 義手の片腕を失った牙王にその突進を止める術はなく、胸部に衝撃を受けて吹き飛ばされる。

「ハハハッ。我ノスピードニツイテ来レマイ。」

 対空して地上を見下ろす甲蟲人:甲虫。

 仁王には先程突進を止められていた為、警戒している。

 甲蟲人:甲虫の突進力対仁王の権能てある障壁の戦いが始まる。


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