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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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248話 聖都セレスティア19

 食事を終えた俺達は再度翠鷹から状況説明する事になった。

「じゃあ、ええですか?おさらいしましょ。各地に1人ずつ神徒を配置して、甲蟲人が攻め込んできた所は、通信用水晶で、緑鳥はんに連絡する。連絡を受けた緑鳥はんは藍鷲はんと共に各地に散った神徒を回収してから、甲蟲人が攻め込んできた所に向かうと言うのが基本方針です。」

「あぁ。その認識だ。」

「ワイも金獅子殿からその辺りは聞きとるで問題無いで。」

 翠鷹の言葉に金獅子と朱鮫が答える。


「ほんで誰が何処に待機するか、やけど、まずここ聖都セレスティアには緑鳥はんに藍鷲はん、それと白狐はんに残って貰います。これは聖都が攻め込まれた際には白狐はんが時間稼ぎしとる間に緑鳥はんと藍鷲はんに皆を集めて貰う為です。」

「えぇ。私が聖都は死守しますよ。」

 白狐が力強く答える。


「次に西エリアですけど、モーノ共和国のモードの村には碧鰐はんが行って貰います。モーノ共和国全土を網羅して下さい。」

「あぁオラァやるよ。」

 やる気満々の碧鰐が答える。

「モードの村からモーノ共和国の首都モリノまでは距離がありますから馬を忘れずに連れて行って下さいね。」

「あぁ。分かった。」


「で次はクロムウェル帝国の城塞都市モーリスには銀狼はんに行って貰います。カバー範囲は元要塞都市ガダン、城塞都市モーリス、第三の都市ガルダイア辺りで考えてます。こちらも範囲が広いので馬を忘れずに。」

「あぁ。モーリスなら度重なる魔物の襲来に対応してきているから大丈夫だろう。」

 銀狼も冷静に言う。ったくいつでもイケメンだな。


「次にクロムウェル帝国の首都ゼーテには蒼龍はんに行って貰います。カバー範囲は第二の都市ダームールーと首都ゼーテになります。」

「うむ。任された。」

 蒼龍も静かに合意した。まぁ帝国本土ともなればそれなりに兵士もいるだろうから万が一攻め込まれても一次対処は問題ないだろう。


「次は南エリアですけど、魔術大国マジックヘブンの首都マジックヘブンに朱鮫はんに待機して貰います。カバー範囲は

 第二の都市マジックシティまでを想定してます。」

「おぅ。ワイに任せておいてくんなまし。」


「次は1番範囲が広い獣王国に金獅子はんに行って貰います。」

「あぁ。各地の部族にも甲蟲人が攻めてきた時の対応は伝えているから問題ないだろう。」

「こちらも、カバー範囲が広いので馬は必須どすな。」

「あぁ。分かっている。」


「次に東エリアですけど、ドワーフ王国には茶牛はんに待機して貰います。位置的に精霊の住まう森周辺に敵が出た際にも出張って頂きます。また地理的にはヌイカルド連邦国もカバー範囲に入れて貰います」

「おぅ。任せろぉ。」

「こちらも、カバー範囲が広い為、馬の準備を。」

「おぅ。分かったよぉ。」


「続いてララ法国の首都ララ・ダウトにはウチが待機します。らララ法国全土をカバー範囲とします。」

「うむ。任せた。」

 金獅子が声を掛ける。


「その次がケイル王国。ここには紫鬼はんに待機して貰います。範囲的には狭いですが、ララ法国との間に共闘の条約がありますからどちらかに甲蟲人が出たら相互に助け合いを行います。」

「あぁ。分かった。」

 拳の骨を鳴らしながら紫鬼が答える。

「ケイル王国に甲蟲人が出るようなら先に藍鷲はんにはララ法国の兵士をケイル王国に送るようにお願いします。小国故に防衛力に不安がある地域ですから。」

「分かりました。神徒を集めるより早くララ法国に行ってケイル王国までのゲートを開いて兵士を送り出しましょう。」

 藍鷲も言う。


「次が旧王国領の首都ワンズに黒猫はん。カバー範囲も広く首都ワンズ、第二の都市セカンダル、第六の町シックスム

 、第七の町セブンガ辺りを見て貰います。」

「分かった。」

 俺は返事をした。

 ちなみにシックスムとセブンガは、セカンダルの東に位置する町だ。ワンズやセカンダルの街に比べれば小さいがカバー範囲としてみれば結構な広さになる。


「最後が紺馬はんに旧王国領の第三の都市サーズダルに待機して貰って、第四の港町フォート、第五の都市ファイブラ辺りまでをカバーして貰います。」

「ん。分かっている。」


「これで待機場所とカバー範囲は決定です。それで後は皆さんの王化状態の持続時間を整理しときましょ。」

「私とクロさんは2時間ってところですね。」

 白狐が言う。

「俺様と銀狼、紫鬼も2時間と言ったところだ。」

 金獅子が答える。

「我は2時間半と言ったところだ。」

 1番持続時間が長いのは前半特訓に集中していた蒼龍だ。

「儂は1時間半ってところだなぁ。」

 茶牛が言う。

「オラァギリギリ1時間半だな。」

 碧鰐が答える。

「ウチと紺馬はんはギリギリ1時間半ないくらいですな。」

「うん。1時間20分くらいか。」

「わたしは3時間が限界ですね。」

 緑鳥が言う。もともと1番長かったからな。

「わたしは1時間といった所でしょうか。」

 藍鷲はゲート設置に奔走していた為、持続時間を延ばす特訓に参加できていない為、仕方ないだろう。

「ワイは45分くらいが限界やったわ。これでももともとは30分くらいやったから延びてはいるんやで。」

 朱鮫は合流したばかりで特訓にも参加できていない。個人的に延ばしていたのだからこのくらいだろう。


「敵の軍勢がどの程度かもわかりません。出来る限り王化は温存したいところやけど、そのせいで負けてたら本末転倒や。その辺りは各自に任せます。」

「うん。最初に通信用水晶で連絡を貰ってからどれだけ早く藍鷲がゲートで皆を拾えるかだな。」

 俺は言った。

「せやね。まずは各自待機場所での旗の位置を覚えておいて貰う事やね。通信があったらすぐそこに駆けつけられるように準備しといて欲しいですわ。」

「王城内に設置したところも多い。スムーズに王城に入れるように根回しも必要だろう。」

 俺は付け加えた。

「そうやね。そうなるとそろそろ各地に散って準備をしておきたいところやね。具体的な日程なんかもわからんから待機場所で過ごすための食料なんかも用意が必要やしね。」

 翠鷹はそう言って締めた。


「では早速皆さんをそれぞれの待機場所にゲートでお連れしますね。」

 藍鷲が言い、皆で中庭に移動する事になった。

 馬留に預けていた各自の馬も中庭に移動させてある。


 邪神復活から言われた1年後の日付まで、あと10日余り。

 各地に散ってからもそれぞれで王化状態の継続時間を延ばす特訓をする事にして、各自持ち場へと向かって行ったのであった。


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