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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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247話 聖都セレスティア18:集結

 朱鮫を連れて聖都に戻ってきたのは聖都を出て20日目のことだった。

「まずは皆に朱鮫を紹介しなくてはな。黒猫、朱鮫を食堂に案内してくれ。俺様は皆を呼んでくる。」

「分かった。朱鮫、こっちだ。」

 素直に俺について来る朱鮫。白狐と藍鷲も一緒に食堂に向かう。

 朱鮫はさきほどから珍しいものでも見るようにキョロキョロしている。

「どうした?キョロキョロして。」

「いや、だって聖都の神殿の中やぞ?普通は入れん場所や。そりゃ珍しいってもんやないで。」

「そんな普通の屋敷とあまり変わらないだろ?」

「何言うてますのん。聖都の神殿言うたら世界的に見ても最も古い建造物やで?所謂世界遺産や。その辺の屋敷と一緒にしたらバチがあたるわ。」

 相変わらずキョロキョロする朱鮫。もう好きにさせておこう。


 俺達は食堂に到着した。

「クロさん、ついでにお腹に溜まる物作って下さいよ。朝もあれだけだったからお腹空いちゃって。」

「あ、わたしも何か食べたいです。」

 白狐と藍鷲からそんな事を言われた。

「残り物のカレーでいいか?どうにか人数分はあると思うんだけど。」

「カレーでいいです。って言うかカレーがいいです!」

「わたしも黒猫さんのカレー好きですよ。」

 ん。んじゃ昼食がてらカレーの準備するか。

 俺は影収納からカレー鍋と炊きたてご飯を取り出した。

「なんや?どっからこの鍋出したん?あんさんも魔法使いか?」

「いや、俺のは妖術だよ。相棒から引き継いだ妖術だから詳しい原理とかはわからないけど、影の中に色々と収納出来るんだ。」

「ほうほぅ。影の中に収納。ちょっとこれは再現は難しそうやな。」

「まぁ俺、ってかヨルのオリジナルだからな。」

「ヨル?」

「あぁ俺の相棒で、この術を託してくれた奴だ。大魔王戦で命を落としちまったんだ。」

「そか。大魔王戦も大変やったんやね。」

「あぁ。多くの仲間が倒れていったよ。」

「何暗い話してんですか。前向きに行きましょう。」

 白狐が雰囲気を変えるように声を出す。

「せやね。これからの話をせんとな。」

「あぁ。まずはカレーだ。白狐、手伝ってくれるか?」

「もちろん。喜んで。」

 白狐に手伝って貰って人数分の皿にカレーライスを盛り付けていく。俺の分も入れて全部で13人前だ。


 カレーライスの準備をしていたら皆が食堂に集まってきた。

 特訓していた銀狼達だけでなく、緑鳥の姿もある。

 みな思い思いの席に座る。

「ではまずは朱鮫の紹介からだな。」

 金獅子が言う。

「ワイは朱鮫(しゅこう)です。法神加護を得た法王で魔術師ですわ皆さんよろしゅう頼みますわ。」

 丸眼鏡をかけた、モジャモジャヘアーの朱鮫が言う。


「俺様は挨拶済みだが、改めて金獅子(きんじし)だ。獣神の加護を持つ獣王で、見ての通り獅子の獣人だ」

 金色の髪を鬣のように立て、同じく鬣のようにさな金色の髭を持つ金獅子が言い、テーブルの右端から自己紹介していく流れになった。


「では、次はわたしが。緑鳥(りょくちょう)と申します。聖王をやらせていただいております。よろしくお願い致します。」

 緑色の髪色をして緑色の石をつけたサークレットを身に着けた儚げな美貌を持つ緑鳥が言う。

「聖王の緑鳥殿やね。よろしゅう頼んます。」


「次はオレだな。銀狼(ぎんろう)だ。戦神の加護を持つ牙王だ。よろしく。」

 長めの銀髪を揺らした美青年の銀狼が言う。

「牙王の銀狼殿やね。よろしゅう頼んます。」


「次は我だな。龍神の加護を持つ龍王の蒼龍(そうりゅう)だ。見ての通り龍人族だ。よろしく頼む。」

 キリとした彫の深い顔立ちに龍の角を持った青色の髪をした青年にしか見えない蒼龍が言う。

「龍王の蒼龍殿やね。よろしゅう頼んます。」


「ワタシは精霊神の加護を得た精霊王。紺馬(こんま)だ。よろしく。」

 端正な顔立ちをした小柄な金髪のエルフである紺馬が言う。

「精霊王の紺馬殿やね。紺馬殿はエルフやね?よろしゅう頼んます。」


「儂は茶牛(さぎゅう)だぁ。大地母神様の加護を受けた地王で見ての通りドワーフだぁ。よろしく頼むわぁ。」

 ずんぐりむっくりした小柄な体形に顔中髭面のドワーフである茶牛が言った。

「地王の茶牛殿やね。よろしゅう頼んますわ。」


 反対側に行って次は碧鰐だ。

「オラァ碧鰐(へきがく)と言う。守護神の加護を持つ仁王だ。よろしく頼むぞ。」

 誰よりも背が高く頭をスキンヘッドにした目力が強い碧鰐が言う。

「仁王の碧鰐殿やね。よろしゅう頼んます。」


「ウチは軍神の加護を得た賢王の翠鷹(すいよう)です。よろしゅう頼んますね。」

 翠色の髪を肩口で切り揃えた妙齢の女性である翠鷹が言った。

「賢王の翠鷹殿やね。そのしゃべり方はララ法国出身やな?同郷って事でもよろしゅう頼んますわ。」


「ワシは紫鬼(しき)。鬼神の加護を持つ鬼王じゃ。よろしくたのむぞ。見ての通り鬼人族じゃ。」

 身長2m超えでその髪色は鮮やかな紫色をしており、額に3本の角が生えている紫鬼が言う。

「鬼王の紫鬼殿やね。よろしゅう頼んます。」


「で藍鷲(らんしゅう)白狐(びゃっこ)黒猫(くろねこ)は挨拶済みだからこれで全員だな。」

「まぁまずは冷めないうちにカレーを食ってくれ。話はそれからでも遅くないだろう?」

 俺が言うと金獅子も頷く。

「そうだな、黒猫特製のカレーが冷めてしまっては勿体ない。まずは食べよう。

 」

「「「「「「「「「「「「頂きます」」」」」」」」」」」」

 全員の声の揃った頂きますを聞いて驚いたような朱鮫も手を合わせて言う。

「頂きます。」

 スプーンで一口運び。

「なんやこれ。美味いやないの!」

 その後はがっついていた。

 朱鮫にも認められて内心ガッツポーズな俺だった。


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