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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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242話 聖都セレスティア17

 祈りの間に着くとちょうど紫鬼が部屋から出てくるところだった。

「お。黒猫に白狐。蒼龍に藍鷲じゃないか。戻ってきていたのか?」

「あぁ今サーズダルから戻ってきたところだ。」

「ただいまです。紫鬼さん。」

 白狐も挨拶を返す。

「ちょいと待っとれ。じきに金獅子達も出てくるはずじゃ。」

「それで特訓の方はどうなんだ?順調か?」

「うむ。ワシは1時間50分を超えて来たぞ。金獅子と銀狼なんかはどうにか2時間と言ったところだな。」

「そうか。紺馬達は?」

「紺馬と翠鷹も1時間半近くまで王化継続出来るようになっとる。茶牛と碧鰐は1時間半を超えたぞ。」


 言ってる間に金獅子達も部屋から出てきた。

「おぉ、黒猫に白狐。蒼龍に藍鷲ではないか。帰ってきたのか。」

「あぁ。いまさっきな。聞いたぞ。2時間を突破したって?」

「あぁ。俺様と銀狼は2時間超えだ。」

「毎日王化の繰り返しでヘトヘトだぜ。」

 銀狼も言う。

「戻ってきたと言うことは東側は回りきったのだな?後は獣王国と魔術大国マジックヘブンだな。」

「あぁ。そう言えば朱鮫ってのはもう合流したのか?」

「いや。どのみちマジックヘブンに旗を立てに行く事になるのであれば、わざわざ、危険な一人旅をする必要もなかろう。水晶で連絡を取ってマジックヘブンで待つように伝えてある。」

「そうか。それもそうだな。」

「うむ。獣王国とマジックヘブンには俺様も同行しよう。獣王国はもちろん、朱鮫に会ったことがあるのは俺様だけだしな。」

「そうか。それならそうしよう。」

「ならそんなに大勢で行く必要もあるまい。我はここに残ろう。」

 蒼龍が言う。

「そうか?分かった。じゃあ獣王国とマジックヘブンには金獅子と白狐、藍鷲と俺で行くってことでいいな?」

「あぁ。構わん。」

「私もいいですよ。」

「わたしも異論はありません。」

 皆の意見が一致した。


 夕刻と言う事もあり、今日は聖都で1泊して明日朝から獣王国に向かう事にした。

 夕飯は皆で揃って俺の特製カレーを囲んだ。

 もうみんな集まったらカレーと言うルーチンが出来上がりつつある。

 まぁそれだけ俺のカレーを皆が待ってくれていると言う事だから悪い気はしないけど。

「いよいよあと一月だな。」

 食後に銀狼が言った。

「あぁ。1年間あっという間じゃったな。魔族領から帰ってきて、新たな仲間を加えて、ゲートの為の準備に回って。大忙しじゃな。」

 紫鬼も同意する。

「幸いあと一月あれば獣王国にもマジックヘブンにも旗を立てる事は出来よう。邪神の言う1年が準備期間にぴったりなのは奴の思惑通りと言う訳か。」

 金獅子も顎髭を撫でながら言う。

「皆さまには甲蟲人の対応と共に神器の扱いにも慣れて頂く必要がございます。これからの1年も大変な思いをする事になるかと。」

 緑鳥が言うと皆一様に頷く。

「甲蟲人で終わりじゃないからな。その後がメインの邪神戦が待ってる。」

 銀狼が言う。

「儂らは邪神に会った事は無いがぁ、そんなにヤバそうな奴なのかぁ?」

 茶牛が聞いてくる。


「えぇ。私達が気圧されて何も出来なかったくらいですからね。」

 白狐が当時を思い出しながら言う。

「俺様も動けんかったな。あれは何というか次元が違った。」

「そこまでの相手か?オラァ達で相手が務まるのか?」

「その為の特訓だろう?ワタシ達も王化継続時間を延ばしている。戦えるよう準備に時間をかけるしかないだろう。」

 碧鰐が弱気な発現をするが、紺馬が檄を飛ばす。

「なんにせよ、今出来ることをやるしかあるまい。明日からは我も王化継続時間を延ばす特訓に戻る。」

「そうじゃな。出来る事からコツコツと。じゃな。」

 蒼龍が言い、紫鬼が頷く。


「でも神々が倒せなかった相手です。ウチらが倒せるものなのか疑問は残りますわな。」

 翠鷹も弱気な発現をする。

「その点については神々が出来なかったからこそ、神徒である我々にはチャンスがあるだろうと聖神様は仰ってました。」

「邪神のやつもオレ達相手なら気も緩むって話しか?」

「邪神からするば簡単に滅ぼせる相手だと認識しているのは間違いないでしょう。だからこそ、逆転のチャンスがあると。」

「舐めてた相手が自分を倒せるとは思ってもみないって事じゃな。」

「えぇ。ですから神器の扱いにも慣れておく必要がございます。」

「神をも倒せる武具、神器か。」

 金獅子がなにか考え込むように呟く。

「普段扱い慣れた武具ではなく神器を扱えるようになるに1年は短すぎるな。」

「あ。その点は問題ありません。皆様の主力武器を神器化すると仰ってましたから。普段扱っている武具が替わる訳ではないようです。」

「そうなのか?てっきり神器と言う新たな武具を扱えるようになれと言う話かと思っていたぞ。」

 紺馬も金獅子同様に考えていたようだ。

「えぇ。その点は問題無いかと思われます。」

 緑鳥が締めた。


「じゃあ明日も朝から出発だからもう寝るか。」

 俺が言うと皆席を立ち始まる。

「オレ達はもう少し特訓してから寝るよ。明日出発する者だけ早く寝てくれ。」

 銀狼はまだ特訓するようだ。

「儂らはももっと頑張らねばなぁ。」

 茶牛もやる気だ。

「ワタシはもっと強くなれる。」

 紺馬も拳を握りしめ言う。

「じゃあ、俺達は先に寝るよ。明日朝は声を掛けずに出ていくから。よろしくな。」

「あぁ。わかった。気をつけてな。」

「あぁ。銀狼達も頑張ってくれ。」

 と言う事で明日移動の4人は眠りにつくのだった。


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