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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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230話 聖都セレスティア16

 ゲートを使って聖都に戻ってきた俺達はひとまずは途中経過を皆に話すために祈りの間に向かった。

 ドランと馬達は中庭で待機だ。

 途中緑鳥にも会えたので、一緒に向かう。


 祈りの間に着くとちょうど金獅子と銀狼が出てくるところだった。

「お!黒猫に白狐、蒼龍に藍鷲ではないか。帰って来たのか?」

 俺達に気付いた金獅子が声を掛けてくる。

「あぁ。立った今帝国のゼーテからゲートを通って帰って来た所だ。」

「そうか。無事に帝国の首都にも旗を立てられたか。」

「あぁ。郊外の一軒家を借りた。そこの庭に旗を立ててある。」

「一軒家を借りたのか?費用は大丈夫なのか?」

 銀狼が心配そうに言ってくる。

「あぁ。郊外って事もあってそこまで高額じゃない。1年間借りるくらいならなんとかなる。」

「それではゼーテに滞在する場所も合わせて確保して来たわけだな。」

「オレはモーリスで宿屋を借りるつもりだったけど、モーリスにも家を借りたのか?」

「いえ、モーリスではミジャーノさん達が理解をして下さって兵士の訓練場に旗を立てさせて貰いました。」

「そうか。翠鷹達にも会っていくか?呼んでくるけど?」

 銀狼が言うがみんな特訓に集中しているのだろうし、今日はもう遅いから聖都に泊まるつもりだったから夕飯の時でも良いだろう。

「いや、夕飯の時まで待つよ。今日はここに1泊して、明日からドワーフ王国を目指すし。」

「そうか。なら今日は黒猫のカレーだな。」

 金獅子が言う。

「そうだな。黒猫、頼めるか?」

 銀狼からも言われた。仕方ない。新しく作るか。

「分かった。今日はキノコがまだ沢山あったからキノコカレーな。」

「おぉ!いいじゃないかキノコカレー。」

 って事でまた神殿の調理場を借りてカレーを作る事にした。


 炊き置きの米が減ってきていたので、ここらで一気に炊いておくか。

 俺は米を研ぎ、水に浸しておく。

 肉は亜流の肉が沢山あるからコモドドラゴン、リザードランナー、ワイバーンの肉をミンチ状にする。ここでも粗挽きと細挽きになるようにした。先日のハンバーグの割合を流用する。

 白狐と緑鳥も手伝ってくれると言うのでキノコの仕込みをお願いした。

 仕込みと言っても一口大に切るだけだ。

 その間に俺はニンニクとショウガをすりおろす。

 両方すり終わったらデカ目の鍋にミンチ肉とニンニク、ショウガを加えて火を通す。火を通しながら軽く塩コショウしておく事も忘れない。

 あまり強火で炒めると焦げるので中火でじっくり火を通す。

 肉に火が通ったらシメジ、マイタケ、エリンギ、エノキタケを加えて軽く炒める。

 炒めすぎるとキノコから水が出る為、ほとほどにして、水を加える。

 灰汁を取りながら煮詰めていき、キノコがしんなりしたら特製スパイスを投入。

 タマネギを加えていない為、隠し味に蜂蜜を少々。これで甘みを出す。

 ジャガイモを加えていないので、とろみが出ることは無く、シャバシャバしたカレーの出来上がりだ。

 このカレーは米でもいけるし、パンにも良く合う。

 米はつけ置きしておいたものを鍋にいれて炊き上げる。

 パンは作れないので買い置きのものを準備する。


 ちょうど米が炊き上がったくらいで皆が食堂にやって来た。

 約1ヶ月ぶりの皆での夕飯となった。

 キノコカレーは盛況で、米で食べた後にもう少しパンで食べたり、米をおかわりしたりと大量に作ったものがすっかりなくなるほどだった。

 また次の機会に作り置きしておこう。


 食事も一段落し、今後の予定について話す。

「次はドワーフ王国からララ法国に抜けて、旧王国領に行くつもりなんだけど、いいかな?」

「そうなると我が獣王国は最後になるな?」

「あぁ。獣王国だけは聖都から南だからな。」

「うむ。まぁ期限内に回れれば良かろうな。」

「翠鷹もそれでいいだろ?」

「ウチもそれで構いまへんが魔術大国マジックヘブンはどうするおつもりで?」

「マジックヘブンには朱鮫ってのが合流してからのがいいかなと思ってたんだ。何処に旗を立てるべきかも相談したほうがいいと思ってさ。」

「なるほど。それならそれで構いまへんよ。」

「よし、じゃあ今日は聖都に1泊してから明日ドワーフ王国に向かおう。」

「おう。その前にオレ達からも報告だ。」

 銀狼が言う。

「オレと金獅子の兄貴は王化継続時間が1時間半を突破したぜ。紫鬼はもう少しで1時間半。茶牛と碧鰐は1時間を突破。翠鷹と紺馬はもうすぐ1時間だ。」

「おぉ。皆順調に延びてるじゃないですか。」

 白狐が驚く。

「まぁ、1日中王化継続させてるからな。このペースなら俺様と銀狼、紫鬼は2時間の壁を越えられるだろうさ。」

「そいつはいい知らせだな。」

 蒼龍も頷きながら聞いている。

「ワシらも頑張っとるんじゃ。たまにはデザートにリンゴでも出してくれや。」

 と紫鬼。そう言えばまだ影収納にリンゴがあったな。

「しゃーねーなぁ。今日だけだぞ?」

 俺は影収納からリンゴを取り出し、いつも腰に下げているナイフで切り分ける。

 ちょうど12個だったので1人1つになった。


 そんなこんなで夕食は済み、就寝する俺達であった。


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