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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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217話 聖都セレスティア13

 昼食を食べながら今後について話をする。

「さて、甲蟲人が何処に攻め込んでくるか分からない以上、こちらも分散して迎え撃つ必要があると思うんだが、どうかな?」

 俺の発言にみんなのスプーンを持つ手が止まる。

「どれほどの規模で攻め込まれるかわからんのに戦力を分散させるのか?」

 金獅子が引っかかる。

「そうだな。あの蜚蠊(ごきぶり)の強さを考えると1人で挑むのは危険だろうな。」

 蒼龍も言う。

 甲蟲人とは俺は戦っていないが皆脅威に感じている事は確かだ。


 だから俺はここに来るまでに考えていた事を口にする。

「そこで藍鷲のゲートの魔法と通信用水晶の出番だ。」

 思い出したように金獅子が言う。

「おぉ。通信用水晶なら追加で購入してきたぞ。全部で12個になった。1つは朱鮫に渡してあるから手持ちは11個どが。」

 頷いた俺は説明する。

「足りなければまた買ってくればいいと思ってたんだ。それだけあれば十分だろう。各地に散らばった者達は通信用水晶で連絡を取り合い、甲蟲人が現れた場所に藍鷲のゲートの魔法で人を集めてから移動すれば、全員で事に当たれるだろ?攻め込まれた地域の者は皆が来るまで1人で抑えておく必要はあるけどな。」

「そうだな。藍鷲のゲートの魔法頼りにはなるけど、それが現実的に見て1番いい気がするな。」

 と銀狼は賛成してくれた。

「となるとまず何処に人を配置しておくかが重要だな。」

 銀狼が言う。

「あぁ。そこは軍師として名高い翠鷹に考えて欲しい。」

「ウチですか?」

 唐突に話を振られて翠鷹が固まる。

「あぁ。各地の地理やなんやらから何処に誰を配置しておく必要があるかを考えて欲しいんだ。」

「そうですなぁ…。」

 腕を組んで暫く考え込む翠鷹。

「皆さんの出身地の方が待機中の滞在場所の心配もなくて良さそうな気がしますねぇ。」

 翠鷹が考えながら言う。

「出身地となると俺様は獣王国だな。」

「儂はドワーフ王国だぁ。」

「ワタシはエルフの里だ。」

「わたしは聖都ですね。」

「我は竜の谷だな。」

「ワシは鬼ヶ島じゃから気にせんでよかろう。島には攻め込んでこんじゃろからな。」

 紫鬼が島は除外しても良いだろうと提案する。

「わたしは魔族領の無能の街ですが、邪神が狙うのは人族領だと聞いていますので、わたしも気にしなくて良いでしょう。」

 藍鷲も魔族領は除外しても良いだろうと提案する。

「オラァはモーノ共和国のモードの村だ。」

「俺は旧王国のワンズだな。」

「ウチはララ法国のララ・ダウトです。」

「私は特に決まった土地に家があるとかないですね。」

「オレもだ。流れの傭兵だからな。」

 皆がそれぞれの出身地を言う中で白狐と銀狼だけが特にないと答える。


 それを聞いた翠鷹がまた腕を組んで考え出す。

「そうですなぁ…。魔術大国マジックヘブンはまだ来てない言うその朱鮫はんに任せたらええんよね?あとは帝国にも人が欲しいですかねぇ。あと聖都にも1人。藍鷲はんが各地を回って人を集めている間に緑鳥はんだけになってまうからね。戦える人材が必要やわ。」

「では聖都には私が残りましょう。」

 白狐が手を上げた。

「じゃあ帝国にはオレが行く感じだな。」

 銀狼が言う。


 腕を組んだまま考え込む翠鷹。

「うーん。国土の広さを考えると帝国には2名、旧王国にも2名欲しいところやねぇ。」

「だったら龍の谷が攻め込まれる事は考えなくてもいいだろう。恐らく邪神が狙うとしたら都市部だろう。」

 蒼龍が言う。

「なら蒼龍はんにも帝国に行ってもらいましょか。」

「うむ。分かった。」

「邪神が狙うのが都市部と言う事ならエルフの里も外して良いだろう。何かあればドワーフ王国からも近いしな。ドワーフ王国から救援に行って貰えばいいだろう。」

 紺馬が言う。

「であれば紺馬はんには旧王国領に行ってもらいましょかね。」

「俺がワンズに待機するとして南側のサーズダル辺りに待機して貰うのがいいかな。」

 俺は提案する。

「ほなそうしましょ。紺馬はんもええですか?」

「うん。分かった。」

「帝国領はどうする?首都ゼーテに1人置くならモーリスかガルダイア辺りか?」

「そうですなぁ。ゼーテとモーリスにしましょか。」

「モーリスならついこの前も行ったし、街の人とも連携が取りやすいかな。」

 銀狼が言う。

「では、モーリスに銀狼はん、ゼーテに蒼龍はんでええですかね。」

「我はそれで構わない。」

「そしたらそれでいきましょう。」

 各員の待機場所が決まった。


「それじゃあ5か月後くらいになったら各地に散らばるって事で、甲蟲人の侵攻が終わったらまた聖都に集まるって事で良いか?」

 金獅子が言うと皆頷いた。

 その頃にはみんなカレーを食べ終えていたので、食器を片付けながら言う。

「それじゃあ、蒼龍に藍鷲、早速今日出発でもいいか?」

「我はいつでも大丈夫だ。」

「あ、わたしは各地に置く旗を準備したいです。」

「そうだ。私も新しい脇差し買って貰ってませんよ。」

 白狐も言う。

「んじゃ買い物してから出発だな。蒼龍も一緒に買い物行く?」

「いや、我は少しでも王化を継続出来るように特訓して待っておるよ。」

「分かった。んじゃ藍鷲に白狐、買い物に行こうか。」

「「はい。」」

 と言う事で2人を連れて買い物に出る事にしたのだった。


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