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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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203話 聖都セレスティア6

 金獅子達が聖都セレスティアに到着してから4日間が経過した。

 4日間は祈りの間で全員で王化の継続時間を延ばす訓練に終始した。

 訓練の成果もあり、碧鰐と茶牛に関してはもう少しで1時間っと言う状況にまでなった。

 しかし、すでに2時間の王化持続時間を持つ蒼龍に金獅子、銀狼の3人は伸び悩んでいた。

 しかし、今日から1週間は主神祭だ。

 緑鳥からも根を詰め過ぎずに羽を伸ばすように言われている。

 そんな5人に藍鷲も合流した。

「どうだ?藍鷲。ゲートの魔法は開発出来そうか?」

 金獅子が問うと

「見える範囲だったら移動先にも扉を造って行き来する事は出来るようになりました。でも見えない場所にゲートを開こうとしてもなかなか上手くイメージが出来なくて。」

「ふむ。魔法の事はわからんが頑張ってくれておるようだな。」

「はい。ゲートの基本構想完成しました。」

「藍鷲にはゲートの魔法を完成させたら世界各地に実際行ってみて貰う必要があるんだろ?時間的に余裕はあるのか?」

 銀狼も問う。

「そうですね。一刻も早くゲートの魔法を完成させて遠く離れた土地にも扉を開けるようにならないといけません。だから本当は今日も開発に専念すべきなんでしょうけど。」

「なぁにぃ。緑鳥からも言われておるだろぉ。あまり根を詰め過ぎると後から響くからなぁ。今日からの1週間くらいは休んだほうがいいさぁ。」

 茶牛が言ってくる。

「そうだぞ。戦士にも休息は必要なのだ。」

 碧鰐も言ってくる。

「ですね。主神祭かぁ。わたしお祭りなんて初めてです。」

「そうか。なら存分に楽しむがいいさ。」

 金獅子が藍鷲の背中をバシバシ叩きながら言う。

「そう言えば緑鳥は?」

 銀狼が気付いた。

「あぁ。緑鳥さんは主神祭の開催側だから一緒にはいけないと言われておりました。6人で楽しんで来て下さいとの事です。」

「なんだ。緑鳥は来られんのか。残念だがそう言う事なら仕方あるまい。男6人で祭りに繰り出そうか。」

 金獅子を先頭に皆で祭り会場へと足を運んだ。


 街の中はまさにお祭り騒ぎで、至る所に提灯が飾り付けられ、リンゴ飴やバナナチョコ、ヤキソバにお好み焼きなどの露店も沢山並んでいる。

 そんな中でも中央噴水広場には特設会場が建てられており、沢山の人が詰めかけ催し物が開催されている。

「お?なんだか人が集まっておるな。」

 金獅子がそちらに向かう。残る5人もはぐれぬ様に後に続く。

 広場の入り口では何やら紙片を配っていた。

 紙には二桁の数字が書かれていた。それを受け取った金獅子が係の者に尋ねる。

「この紙片はなんだ?」

「はい?あぁ。整理券兼投票券です。最後の投票の時にも使うので無くさないで下さいね。」

「投票券?」

 続く5人もその紙片を受け取ると壇上になった特設会場の傍へと近づく。


 壇上に昇った男が拡声器を持って話し出す。

「さぁ今年も始まりました!聖都美人コンテスト!今大会は過去の大会優勝者及び2年連続のエントリーは不可。20台女性のみのコンテストになっております!そして今年はなんと9名ものエントリーがありました!それでは早速参りましょう。ヤロー共!準備はいいか?」

「「「「「おー!」」」」」

 周りの男性陣から怒号のような声が上がる。


「それではエントリーナンバー1番。街の花屋の看板娘。ミカちゃん、20歳の登場だ!」

「「「「「おー!」」」」」

 壇上にはまだ幼さの残る顔立ちの茶髪で小柄な女の子が上がった。

「「「おー!ミカちゃ~ん!」」」

 一部の熱狂的ファンがいるようだ。

「私は今年、大会に出られる年齢になったので、試しにエントリーしてみました。もし良かったら私に投票お願いしますね。」

 小柄な女の子は壇上で皆に挨拶する。

「はい!それではアピールタイムです。ミカちゃんは生け花が特技と言う事で少しだけお花を生けて頂きましょう。」

「「「おー!ミカちゃ~ん!!」」」

 熱狂的ファンが五月蠅い。

 その後善し悪しはわからないが生け花が完成し、次の女性が現れる。


「はい。エントリーナンバー1番はミカちゃんでしたー。続いてはエントリーナンバー2番。街の酒場の美人店員。カオルちゃん24歳。どーぞ!」

 呼び込まれたのはクールビューティな雰囲気の女性だった。

「店の皆の後押しで出場を決めました。カオルです。よろしくお願いします。」

「「「おー!」」」

「はい。それではアピールタイム。カオルちゃんは歌が好きとの事で、1曲唄って頂きましょう。お聞き下さい『夏の花』。」

 そこからクールビューティな女性がしっとり歌い上げると会場の熱気がさらに上がった。


「はい。エントリーナンバー2番はカオルちゃんでしたー。続いてはエントリーナンバー3番。街のクラブの人気者。シェリーちゃん22歳です。どーぞ!」

 壇上には小麦色の肌をしたギャルが上がる。

「ウチはブラックダイヤモンズってギャルサーやってるシェリーですぅ。もし良かったらクラブにもウチらの踊り見に来て下さいねぇ。」

「「「おー!」」」

 こちらにも熱狂的ファンがいるようだ。

「さぁ、それではアピールタイムです。ギャルサー1のダンサーと言う事でもちろんアピールタイムはダンスを披露だ!」

 そこから小麦色の肌をしたギャルが激しく踊り出す。

 会場のボルテージもあがりまくりだ。


 そんな感じで9名全員のアピールタイムが終わった。

 司会の男が声を上げる。

「それでは投票タイムです。前に並ぶ1から9の番号の書かれた箱に整理券兼投票券を入れて下さい。投票の際は押さず慌てず騒がずでお願いしますね。」

 男達が1列になり投票を開始する。

 金獅子達も並び投票券を投票箱に入れていく。

「碧鰐は何番の娘にしたのだ?」

 金獅子が尋ねる。

「オラァ1番の娘にしたよ。オラァの娘と同じ年で何処となく似ていたからな。」

「そうか。俺様は3番だ。激しい踊りに夢中になったわ。はっはっはっ。」

「兄貴がギャル好きとはな?」

「そう言う銀狼は何番の娘にしたのだ?」

「オレはクールビューティな2番だよ。」

「うむ、お前は好みが変わっとらんな。」

「あ。わたしも2番です。あの歌声に惹かれました。」

「お!藍鷲はわかってるな!」

「儂は8番にしたよぉ。29歳でラストイヤーだって言うからなぁ。」

「8番か。渋いな。」

「儂はやっぱり女子は年取ってからの方が好ましいのぅ。」

「我は6番だ。唯一のショートカットだったからな。」

「なに?蒼龍はショートカット好きだったか!」

 普段ならこんな催し物には参加しそうにない蒼龍もそれなりに楽しんでいた。

 そんな会話を繰り広げつつ投票結果の集計を待つ。

 司会の男が拡声器を使って声を張り上げる。

「さぁ。開票結果が出ました!今年の優勝者は~エントリーナンバー1番のミカちゃんだぁ!」

「「「おー!ミカちゃ~ん!」」」

 会場は1番の盛り上がりを見せた。


 なんだかんだと祭りを堪能する6人だった。


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