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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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186話 ララ法国8

 場所を会議室に移して白狐達3人と賢王翠鷹が向き合って座っていた。

「それで、翠鷹さんでしたね。翠鷹さんは我々と共に来て下さるので?」

「えぇ。この国の軍師として動けるのは他の神徒が迎えに来るまで、と法王陛下にはお伝えしてありますわ。他の神徒と合流するようにと軍神からも神託を頂きましたわ。」

「ではこの国を離れるのは問題ないんですね。」

「えぇ。ウチも邪神、まずは異界からの侵略者対策に加えて貰いますわ。宜しゅうお願いします。」

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。改めて自己紹介をしますね。私が白狐。破壊神の加護を持つ破王です。」

 続けて紫鬼も挨拶する。

「ワシは紫鬼。鬼神の加護を持つ鬼王じゃ。よろしくな。」

 最後に紺馬も口を開く。

「ワタシは紺馬。精霊神の加護を持つ精霊王だ。よろしく。」

「改めまして、ウチは翠鷹。軍神の加護を授かりました。宜しゅうお願いします。」

 と言う事で翠鷹が仲間に加わった。


「次の目的地はケイル王国でいいですかね?その辺り翠鷹さんは情報持ってますか?」

「いえ。ケイル王国自体には足を運んでいませんわ。せやから彼の国に神徒がいないとは断言出来ません。」

「じゃあ次はケイル王国ですね。その後は東進して旧王国領に入る感じですね。」

「西の方はどうなってますのん?」

「聖都から西には私達の仲間が捜索に向かってます。今は翠鷹さん入れてすでに5人の仲間を加えた事になるので、あと1人です。」

「あら。ウチは遅い合流になったんやね。」

「比較的聖都から近い土地で2人合流しましたからね。こちらの紺馬さんはエルフの里で合流したんですよ。」

「エルフの里ですか。そら聖都の隣やもんね。聖都から東西に分かれて捜索してはるん?」

「そうです。東が私達、西は獣王の金獅子さんが向かわれてます。」

「獣王。やっぱり獣王国の王も神徒やったんやね。」

「気付いてました?」

「えぇ。ウチも自分から他の神徒探しに行こうか悩んどったんですよ。でもひとまずは法国の強化の為にケイル王国を傘下に加える事にしました。準備に時間が掛かってつい最近落としたんですわ。」

「えぇ。ケイル王国と法国の軍事衝突の事は聞いてます。それが軍師の活躍で1日で集結したと聞いて軍師殿が神徒なのではないかと睨んだんです。」

「そらケイル王国との衝突も結果的に見たら正解だったちゅう事やね。」

「えぇ。そうですね。」

「ワタシはこのタイミングで戦争など起こす人物が神徒だとは疑っていたんだがな。」

 紺馬がポツリと呟く。

「さっきも言いましたけど、人間言うのはいざという時でもどちらが主導権を握るかで揉めるような愚かな生き物なんよ。だから先に優位性を持っておいた方がその後がスムーズに進むと考えての事ですわ。」

「人間と言うのは愚かな生き物なんだな。」

「えぇ。愚か者ばかりですわ。」

「ふっ。人間のお前が言うと滑稽ですらあるな。」

「エルフはどうか知らんけど、人間の愚かさはよう知ってますからね。」

「エルフは愚か者ではない。」

「でしょうね。長生きしはる部族は大抵頭がいいですからね。エルフしかり、ドワーフしかり。」

「ドワーフなんかと一緒にするな。」

「あらま。ホンマにエルフとドワーフほ仲が悪いんですのん?」

「ドワーフと仲が悪いのか?」

 初耳だと紫鬼も聞く。

「ドワーフは穴掘ってばかりで自然を壊す。エルフは自然と共に生きる部族だ。」

「なるほど。確かにドワーフは鉱山を掘るので有名やからね。」

「大丈夫か?緑鳥達が仲間にした者が確かドワーフだったはずだが。」

「ワタシもドワーフ全体に嫌悪感を持ってる訳じゃない。仲間にした人物は鍛冶職人なんだろ?穴掘りドワーフではない。」

「あぁ、穴掘るか否かで変わるのか。」

 納得したように首を振る紫鬼。

「まぁ、兎に角、次の目的地はケイル王国ですね。」

 白狐が締めた。


 白狐は早速、通信用水晶で緑鳥に連絡を取る。

『はい。こちら緑鳥です。』

「緑鳥さんですか?白狐です。今ララ法国の首都ララ・ダウトで賢王、翠鷹さんを仲間に引き入れました。やっぱり法国の軍師が神徒でした。」

『あら。そうですか。やはり軍師様が。これで残りは1名ですね。』

「はい。それでこの後は東進してケイル王国、旧王国領へと向かおうと思います。」

『そうですか。金獅子様達は今頃帝国のガルダイアに向かわれてます。』

「帝国の第三の都市、ガルダイアですか。」

『はい。帝国で見つからなければ東に行って旧王国領を一緒に回るとおっしゃってました。』

「帝国には勇者さんがいますからね。何処の女神だか知りませんけど女神の使徒がいる土地にさらに神徒が誕生しますかね。」

 首を傾げる白狐。

『そこは何とも。』

「まぁ、そうですね。探し回るしかありませんもんね。」

『皆様にはご負担を掛けてしまいますが、よろしくお願い致します。』

「緑鳥さんには神徒が揃った際に神器の使い方についてまた神交して貰わないといけませんからね。それぞれがやるべき事を、ですよ。」

『ありがとうございます。』

「では、またケイル王国についたら連絡しますが、帝国で動きがあったら教えて下さい。」

『はい。分かりました。』

 そうして通信は切れた。


 そこに法王に報告に行っていた翠鷹も戻ってきた。

「法王陛下にはウチが国を離れる事を了承頂きましたわ。これで出発出来ます。」

「では早速行きますか。翠鷹さんは馬をお持ちで?」

「馬ですか?いえ。個人的には持ってませんわ。」

「翠鷹は馬車に乗って貰えば良いだろう。」

 紺馬が言う。

「そうですね。そうしましょうか。」

「では次の目的地へ、だな。」

 紫鬼が言って4人は法王城を後にしたのだった。


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