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黒猫と12人の王  作者: 病床の翁


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163話 ヌイカルド連邦国3

 さらに1時間も歩いただろうか。

 白狐の読み通り、オークキング1体にオークジェネラル2体、ハイオーク4体がたむろしていた。

「紺馬さんはオークキングだけ狙って下さい。後は私と紫鬼さんで片付けます。」

 そう言っていの一番に飛び出して行った白狐。後を追うように紫鬼も続く。

 紺馬は3本の矢を弓に番えてオークキングを狙う。

 パシュッ

 3本の矢はオークキングの眉間、鼻、首目掛けて飛んで行く。

 が、それに気付いたオークキングが首を傾げる。

 その結果矢は右目と右頬、右鎖骨に刺さった。

「ブギィィィィイ!」

 右目に突き刺さった矢を抜きながらオークキングが呻く。

 そして、すぐさま抜いた矢を紺馬に投げてくる。

 それはまるで弓で射たように紺馬に向かって行くが、すぐに次の矢を番えた紺馬は冷静に矢を放ち、これを撃墜する。

 しかし、その間にもオークキングは近付いてきており、手にした戦斧を振り上げる。

 弓使いと見て何も考えずに突っ込んできたのだろう。

 しかし、紺馬の持つ弓は鳥打が金属の刃で構成されている為、振り抜けば刀のような切れ味を持っている。

 そんな弓の鳥打で斬られたオークキングの右腕が戦斧を持ったまま飛ぶ。

 オークキングは一瞬何が起こったのか分からなかった。

 そんな一瞬の隙を突いて紺馬が矢を番え、5本同時に放つ。

 接近している為、特に狙いを定めなかった矢はオークキングの右目の上、右目、首、左肩、左腕に刺さる。

「ブギィィィィイ!」

 再び右目を射られたオークキングが苦悶の声を上げる。

 さらに右目から入った矢は右脳を傷付けたようで無事だった左腕が麻痺したようだ。

 震える左腕で右目に刺さった矢を引き抜くオークキング。

 しかし、その間にも紺馬は次の矢を番えていた。

 再び5本同時に矢が放たれる。

 次は左目、左頬、左鎖骨、左肩、左胸に矢が刺さる。

 胸当てをしている為、心臓には矢は届いていない。

「ブギィィィィイ!」

 オークキングが吼える。

 そんなオークキングに近付く紺馬。

 目も見えず、唯一無事な左腕も上手く動かせないオークキングに鳥打の刃を止める事は出来ず、刃はオークキングの首を搔き斬り、鮮血が舞う。

 鳥打を振るったタイミングでオークキングの横に抜けていた紺馬は鮮血吹き出す場所にはもうおらず、全身を血で染める様な事は無かった。

 盛大に血をぶちまけたオークキングはゆっくりと倒れて行く。

 それを見ていたジェシーが言う。

「うん。オークキングの単独撃破を確認した。今でBランクに合格だ。まさか3時間ちょっとでBランクの魔物まで倒すとは恐れ入ったね。」


 白狐はオークジェネラル2体を、紫鬼はハイオーク4体を相手にしていた。

 オークジェネラルは戦斧をハイオークは棍棒をそれぞれ手にしている。

 まず飛び出した白狐がオークジェネラルに斬りかかる。

 咄嗟に武器を持たない左腕を前に出したオークジェネラル。その手首が宙を舞う。

「ブギィィィィイ!」

 痛みに耐えかねて蹲るオークジェネラル。そんなオークジェネラルは放置してもう1体のオークジェネラルへと斬りかかる白狐。

 最初の一閃は戦斧で弾かれたが、弾かれたままの勢いを殺さずに再び白刃・白百合を振るう白狐。

 その攻撃は避けられずオークジェネラルの戦斧を持つ左腕が肘から切断される。

「ブギィィィィイ!」

 泣き喚くオークジェネラル。その時には最初のオークジェネラルが復活して戦斧で斬りかかってくる。

 刀で受け流した白狐はそのまま右下から左上へと逆袈裟斬りで刀を振るう。

 オークジェネラルは胸当てごと体を斬っられて、体が斜めに滑り落ちていく。

 残ったオークジェネラルは素手で掴みかかってくる。

 そんなオークジェネラルの喉に強烈な突きをいれた白狐。

 白刃・白百合は喉を貫通して首の後ろからその刃を見せる。

「ブヒッ!」

 オークジェネラルは血を吐き出して絶命した。

 最後の吐血を頭から浴びてしまった白狐が呟く。

「あぁーあ、汚いなぁーもー。」


 紫鬼はまっすぐハイオークに向かうと拳を突き出した。

 突然の襲撃に反応出来なかったハイオークの1体が顔面を殴られ吹き飛ぶ。

 それを見た残りの3体が一斉に棍棒を振り上げる。

 棍棒が振り下ろされる前にもう1体の顔面を殴り飛ばす紫鬼。

 残りの2体が振り下ろした棍棒を左腕を上げて受ける。

 そのまま右側にいた方の腹部に強烈な右ストレートをお見舞いして悶絶させると、残った1体に向き直り顔面への左ジャブからの右ストレートを放つ。

 これを受けたハイオークは頭を破裂させてその場に崩れ落ちる。

 最初に吹っ飛ばしたハイオークが棍棒を振り上げながら迫ってくる。

 これを真正面から迎え撃つ紫鬼。

 振り下ろされた棍棒を僅かに体を捻る事で躱し、強烈な左フックを顎へと喰らわせる。

 左フックを受けたハイオークの頭は90度以上曲がり首の骨を折って死亡した。

 2番目に吹き飛ばしたハイオークと腹部を強打して悶絶していた3体目のハイオークが同時に棍棒を振り下ろす。

 左右からの攻撃に両手を上げてこれを受けた紫鬼。

 受けた腕をそのまま肘を曲げての肘打ちで棍棒をかちあげると2体目のハイオークに強力な左アッパーを喰らわせる。

 これを受けたハイオークも首の骨を折り死亡。

 残ったハイオークには再び腹部への一撃。蹲った所を両手を組んで思い切り後頭部に振り下ろす。

 あまりの勢いに頭部だけがもげて地面にめり込む。体は後を追うように倒れていった。

「まぁこんなもんじゃな。」

 1人納得したように頷く紫鬼であった。


 そんなこんなで無事にBランクの魔物を討伐した紺馬達は再び3時間ちょっとかけて街に戻り、無事にBランクの傭兵証明書を入手したのだった。

 この日は遅くなった為、翌日出立する事にして宿屋に戻る。


 次なる目的地はララ法国の第二の都市ララ・ライカである。


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