目覚め
すみれ色
透けていく
夜明けの地平線
窓の内がわ
澄んだ肺のまま
ふうわりと膨らむ寝息
まだ はじけない夢
ぬくもった
裸足のつま先
丸めたからだ ひらくまでは
昨日と
明日の狭間で
産まれないでいる
カーテンを掻いくぐり
まぶたに滴る光に
浮かび上がる
吐息の輪郭
感知しては
かすかな驚きを
繰り返し
目覚めた喉は
朝露の散る
波うつ草原の 一本の茎
息つぎを知らない
泣き声が
ほそい空洞を 走り抜け
両手いっぱいに
抱きとめる空の胸
ほのかに青く 湿らせている