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カウントダウン

 カウントが減る度に、咎人達のテンションは高くなっていく。【クイーン】……神の復活を待ち望んでる。


「ー!!」


 モモはカウントダウンだと分かった時点で、再度動き始めた。咎人達は儀式に集中して、私達の存在に気付いてない。


「ー!!」


 ヒューイのいる窪みの中心に辿り着くためには、咎人達が邪魔になる。普通に進んでも、先にヒューイを底に落とされる。


「ー!!」


 カウントは五になってると思う。モモは咎人達の頭を次々と飛石のようにして、跳び越えていく。


「ー!!」


 ボスゴリラが頑丈そうな蔦を手に取った。それを引けば、ヒューイが穴へ落ちる事になるみたいで……


「ー……ウホッ!?」


 モモは勢いをつけて、ボスゴリラの顔面を踏み台にして、高く跳び上がる。ただ、その反動でボスゴリラは蔦を思いっきり引っ張ってしまった。


 中心部にあったバナナの皮が引っ張られ、ヒューイは滑るように穴の中へ……


「間に合いました……ここから引っ張り上げないと」


 モモの手がヒューイに届かなかったけど、投げ縄がヒューイの足首に掛かる事に成功した。


「ーーー!!ーーー!!」


 ボスゴリラはモモが顔を踏んだ事もそうだけど、【クイーン】復活を邪魔した事で激怒したのは、マンの通訳なしでも分かる。力づくでもヒューイを落とすため、ボスゴリラは中心部に歩き出した。


 咎人のボスゴリラの加勢するため、モモ達の方へ石を投げつけるようとする……


「邪魔はさせないっての!!」


 紅が咎人達がいる場所に踏み込み、【ダブル】で次々と撃破していく。それも時間差で残像が同じ行動をするわけじゃなく、紅と残像が左右対象同時に攻撃するかんじでパワーアップしてる。集団戦では効果抜群なんだけど……


「咎人は私達の方を向いたけど、ボスの方は……普通に行っても間に合わないかも」


 紅が攻撃を仕掛けた事で咎人達の視線はこちらに向いてくれたけど、ボスゴリラは標的をモモとヒューイから変えてない。モモがヒューイを助けるまで、守る手段がない。本当は紅よりも先に助けに行くつもりだったけど、マンに止められた。


「助ける方法はある。咎人達の群れは私と紅が引き受ける。私が二人の元に行けば、攻撃に巻き込むかもしれない。カズハがボスを相手にしてくれ」


 マンとボスゴリラが戦闘すれば、モモとヒューイが巻き込まれる可能性。下手したら、衝撃で二人共穴に落ちるかもしれない。


「分かった。あのボスは私に任せてくれたらいいから。ヒューイの事はどうでもいいけど、モモの行動はちゃんと報われないと駄目なんだから」


 主を助けるために敵陣へ突っ込み、ピンチを助ける事が出来た。私も千城院さんにやってみたい出来事だし、そこは成功されないと。


「それで……その方法は……って、何!?」


 マンが私の背後に立ち、両手で腰部分を掴んだんだけど……まさか!!


「ちょっと!! まさかなんだけど……投げ飛ばすつもりじゃないで……」


「そのまさかだ!! 無事に着地してくれよ」


 マンは私を勢いよく放り投げる事で、咎人達の上を通過していくのはいいんだけど……


「高く飛ばし過ぎだから!!」


 このまま行けば、モモとヒューイがいる中心部よりも奥の方へ……穴に落ちてしまうんじゃ……

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[良い点]  マンはカズハを女の子扱いしないのはゲームだから? それともカズハが女の子っぽくな──  ガバッ! きゅうに後頭部に衝撃が!
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