先手を打たれたんだけど!!
四壱は弓関連のB級映画を見に行くぐらい弓道が好きで、優先順位も二番目と言っても過言じゃない。それが三日も部活を休むなんて……あるかもしれない。
「私からもライソをしてみる」
弓道よりも優先される事。それは勿論、兄さん関連。四壱は兄さん第一主義。兄さんと弓道のどちらを選ぶ事になれば、兄さんを選ぶはず。
兄さんと同じタイミングで消えたとすれば、兄さんと一緒に旅行に行ってるなら問題はない。四壱とっては喜ばしい事ではあるんだけど……兄さんは私に隠す必要はないと思うんだよね。
ともなれば、四壱が兄さんと彼女?が一緒にいるのを見てしまって、尾行しているという可能性は……ないとも言い切れない?
「あっ……四壱からメッセージがある」
「本当ですか? 無事なら良かったです。弓に関する事であれば暴走しがちだから……あっ!!」
「そこは大丈夫。四壱の弓好きなところは知ってるから」
そういえば、今日はライソを確認してなかった。メッセージが来るのは兄さんか四壱ぐらいで、見たくない気持ちもあったから……それよりも部活メンバーの何人かには弓オタクなところはバレてるのか……
「えっと……弓が出来る自然豊かな場所を見つけたから、そこで少し泊まり込むみたい」
四壱ならありえる……B級映画の【ヤンボー3】を見た後だから、大自然の中で弓を使いたいと思ったのかも。
「戻ってくるのは水曜日? 集中したいから、ライソとかも見ないつもりみたい。弓道部にも伝えておいてと書いてるわ」
「水曜日!? そこまで魅力的な場所とかなら、私達にも教えて欲しかったな。それでも、春日野が何をしてるのか分かっただけで十分。宮森さん、ありがとう」
「別に私は……」
弓道部の女子達は四壱の安否確認が出来て、食堂を後にした。けど、私の方が四壱の行動が知る事が出来て、安心したから。犯罪に手を染めてなくて本当に良かった。兄さんが戻ってくるのも水曜日ぐらいだけど、流石にそれは偶然なはずだし……
「ん? 四壱からまたライソが……」
こっちにはライソはしても見れないと書いたのに、四壱の方からはするわけ? 集中出来てない証拠じゃないの?
『追伸 同じ講義のノートは写させてもらうから。その代わり、一葉が喜びそうな物をGETするから』
確かにそこを抑えておかないと集中の邪魔になるか……って、自然溢れる場所で私が喜びそうな物って何? 弓で仕留めた野生動物とか嫌なんだけど……
「待って!! これは講義を休む事が出来ないんじゃ……もしかしたら、【ユニユニ】で一緒に行動出来たかもしれないのに」
四壱に先手を打たれて、講義をサボれなくなるなんて予想出来ないから!! 千城院さんと話せる機会が……