マンVSヒューイ?
「断る!! カズハは私と一緒に冒険する事になっている。悪い奴に渡すわけにはいかない」
私が断る前に、マンが先に言ってしまったんだけど!! 言ってる事は間違ってないけど、私の目的は千城院さんのパーティーに入る断るだから。残り一枠にマンが入るなら問題ない……いや、ちょっと待って……千城院さんと【フレンド】になってるマンの方がパーティーになれる可能性が高いのか!?
「なんだと!! 何故、お前が断るのだ。お前はカズハとどういう関係なのだ」
「大事な友達だ!!」
「恋人ではないのだろ? 友であるなら、カズハの意思を尊重すべきではないか? 拳を振るなら、お前の負けだぞ」
「くっ!!」
ヒューイとマンが私を取り合うために言い争ってる。恋愛漫画とかでこんな展開があるかもしれないけど、私的には全然嬉しくないんだけど……でも、マンに『大事な友達』と言われた事は、悪い気持ちじゃないかな。
「私が返事をすれば解決するんでしょ」
「待て!! カズハには悪いのだが、ここまで来れば男と男の勝負をしなければなるまい。勝った方がカズハと共にする権利を得る。余が負けた場合、許可書も進呈しようではないか」
「はっ!? 勝手に私を景品にしないでよ。勝負するにしても、マンの勝利は確定でしょ。私の事は諦めなさいよ」
「戦闘とは言ってないぞ。彼の戦績は【ゴールド2】なのだろ? 余が確実に負けてしまうではないか」
負けると分かってても、そこは男同士正々堂々と勝負でいいと思うんだけど……それで、ヒューイが負けてくれたら……というか、最初から私は断るつもりなんだけど!!
「分かった。そちらの土俵で勝負する」
マンは腕を組み、自信満々に引き受けた。
「簡単に引き受けないでよ!! 絶対、ヒューイが有利になる勝負を言ってくるに違いないから。私は断るつもり」
「ふっ……マスク好きなだけはあるな。良い心掛けだ。余が提案するのは『かくれんぼ』だ!!」
「私の話を最後まで……って、かくれんぼ!?」
勝負を引き受けたのはマスク好きとは関係ないと思うんだけど、マンとヒューイの勝負方法がかくれんぼになるわけ? 子供の頃、誰もが一度は経験した事が遊びのあれだよね? この年齢でそれをやるの!?
「そうだ。城を抜け出し、街に忍び込むためには隠れながら進むのは必要不可欠だったからな。隠れる事には自信がある」
やっぱり、ヒューイは自分が得意な事を選ぶよね。しかも、場所が場所だけに……これもマンが『そちらの土俵で勝負する』なんて言うから……
「マンもそこは引き受けなくていいから。かくれんぼだなんて……」
「かくれんぼが……体験出来るのか」
マンの顔が牛丼やハンバーガーを食べた時と同じになってるんだけど!? まさか……かくれんぼを一度も遊んだ事がないとかは……
「いいだろう!! かくれんぼで勝負だ。勿論、私が隠れる役」
「なわけないだろ。余の話をちゃんと聴いていたのか? お前は探す側。つまりは鬼の役だ」
「そ、そうなのか!? いや、引き受けたのだから、文句は……」
マンがあんな顔をしてたから、引き受けると思ったわ。けど、本当は隠れる方をしたかったみたいで、少し不満顔になってる。
逆だったら、マンは簡単にヒューイに見つかってそう……ヒューイはマンの体の大きさから、隠れる場所を把握してるでしょ。頭隠して尻隠さずをマンなら本当にやりそうな気もするし……




