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ヒューマ国第三王子

「よく来たな……って、おい!! 何か変な男まで一緒にいるではないか!? これは一体どういう事だ」


 案内役が扉を開くと、様々なマスクやコスチュームに溢れた様相の部屋に、痛々しい姿で座ってる青年がいる。


 赤髪と赤目が特徴的で、私と同じぐらいの歳ぐらい? アイドルみたいな顔立ちをしてる。痛々しいと言っても、怪我の方で少し包帯を巻いてるだげで、コスプレをしてるわけじゃないから。


「彼もマスクをして【闘技場】へ参加。【ゴールド2】に到達した猛者です。条件を満たしているはずですが?」


「うっ!! 確かに余が出した条件がそれだったが……勝手にコスチュームに触れないで貰おうか!! それ以上すれば、追い出すぞ」


「貴重な物なんだろ? 接触禁止なのは当然だ」


「ふっ……流石にマスクをしていただけはあるという事か」


 マンはマスクやコスチュームに興味があるみたいで、主そっちのけで鑑賞してる。男はコスチュームに触れるのを禁止したけど、そこらはマンも分かってるみたい……


 じゃなくて!! マスクを外してるけど、コイツは絶対にヒューイでしょ。声もそうだけど、一人称が『余』だし、この部屋にあるコスチュームも【闘技場】に参加する戦闘服だよね? しかも、少しの会話でマンと意気投合してる雰囲気になってるし。


「アンタ……【闘技場】で一緒に参加したヒューイでしょ」


「よく分かったな。余はヒューマ国第三王子のヒューイである。頭を垂れても構わないんだぞ」


 やっぱり……【ヒールLV2】を使ってあげたけど、完全に回復してないんだから、無理して登場しなくてもいいんだけど……


「いや……頭を下げるつもりはないし、それをするのは逆でしょ」


 こっちは【闘技場】の五試合連続勝利を邪魔されたんだから。相手が王子だからって関係ないでしょ。


「分かります。ヒューイ様の我が儘のせいで、カズハ様に迷惑を掛けたのですよね。私から謝らせて頂きます」


「えっ!? そこは貴女が謝らなくても大丈夫ですから」


 まさか、ヒューイの代わりに案内役が謝ってくるとか予想外だから。もしかしたら、彼女もヒューイの世話に苦労しているのかも……


「モモが謝る必要はない。お前は下がっていろ。出来れば、その男も連れて行って貰えたら助かる。許可書の件は後から聞いてやるから」


「断る!! お前が【闘技場】の悪役マスクだと知った以上、カズハに何をするかも分からないからな。何かすれば……鉄拳制裁だ」


 そういえば、【闘技場】で試合が終わった後、マンはヒューイに対して怒ってたわ。すぐにでも鉄拳制裁しないだけ良かった良かった。


「私もマンがいなくなるなら、一緒に出ていくから。無理矢理連れて来られただけだし、王様に許可書を貰ったらいいだけなんだから」


「残念ですが、御二人がこう述べていますので」


「お、おい!!」


 モモと呼ばれた案内役の魔法少女はヒューイを放置して、部屋の外から出ていった。一応、ヒューイの命令を一つは守ってるわけだから、間違ってはいないんだよね。

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