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透明人間!?

 私とマンは城内に足を踏み入れ、皆が並んでる場所まで行ってみる事にした。外からだと案内役らしきNPCの姿はいなさそうだったから。


「カズハ様とマン様、御二人はあちらではなく、こちらです。ご案内しますね」


「ひっ!! 」

「……そうか」


 兵士が言ってたように案内役はちゃんといたんだけど、私達の視界から遮るように壁側にいた。それだけじゃなくて、気配も全然なかったし、何かをかけられたような気がするんだけど……


 斉藤さんの事があったから、すぐに拳が出るの止めたけど、マンもビックリしたみたいで、目がギョッと開いて、言葉が詰まっていたから。


「案内するって……冒険者はあっちに並んでるから、全然分かるんだけど? 整理券でも貰えたりするわけ……でもないよね」


「はい。あちらの方達は王から依頼を受けるのですが、御二人は条件を達成しているので、こちら側に。一時的に姿が消える道具を使わせて貰いました。これによって、私の姿も見えるようになったわけです」


 透明になるアイテムを私とマンに使った事で、案内役の姿も見えるようになったみたいだけど……


「おおっ!! まさか、透明人間になったのか!?」


 マンの大きな声が城内に響くけど、列を作ってる冒険者達をキョロキョロするだけ。私達の姿は本当に見えてなさそう。


「誰にも見られないのなら、パンツを脱いでも問題……」


「あるからね!! 案内役の人は見えてるんだし、王様とは別の誰かと会う事になりそうだから」


 透明人間になった時、全裸になりたい気持ちは分からなくもないけど……ここはマンを止めておかないと。


「条件を満たしてるからと言ってたけど、私達も王様の方で充分だと断る事が出来たりは……」


「私からは何も……そこは主に直接言ってもらうしかないので。それでは、私の後について来てください」


 案内役はマンの叫びに何の反応もせず、私の質問にも冷静に答えた。


「はぁ……嫌な予感しかしないんだけど。【闘技場】の受付嬢の反応の意味が分かったわ」


 マンは気にしてなさそうだけど、私は渋々ながらも、案内役の後について行く。


 案内役が私達に言った『条件を満たしてる』という意味が、アレの事だとすぐにピンと来てしまった。だって、案内役は屋台に売ってる【魔法少女ピーチ】のお面を被ってるから。


 そうなってくると、条件は『【闘技場】でマスクを装備したまま参加』したと思うでしょ。


「本来、冒険者が城内で移動出来る場所は決まっているので、透明化させてもらう形となってます」


「私達以外で、冒険者を案内した事はあるの? 【闘技場】でマスクをして参加した冒険者が……」


「はい。数える程度にはいましたが……」


 マンと一緒の考えをした冒険者が他にもいたみたいだけど、マスク関連だと認めたよね?


「まさかなんだけど、主は……やっぱり止めとく」


 言葉にすれば本当になりそうだし、マンがどういう行動を取るか分からないから。


 案内役の主がアイツなら、【闘技場】の受付嬢の態度も理解出来るわけで……


「着きました。少しお待ちを……レッド様達が来ました」


 案内役が扉をノックして、私達が来た事を報告したんだけど……


「分かった。中に入るのを許す」


 部屋から聞こえてきた声が、ちょっと前に聞いたアイツの声だし。丁度そのくらいで、透明化の効果は切れたのもタイミングが良すぎだから。

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