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格好良く言ってみただけ

「おおっ……大きいわね。しかも、器用に動いてるし」


 第三試合の相手は人面樹。根の部分を足みたいに器用に動かして、移動してる。大きさは巨大アリよりもデカい。更に倍の大きさかも。


「これは案外骨が折れるかも……」


 空手でも瓦割りや板割りをやった事があるけど、厚みが全然違う。炎の魔法や武器が斧なら簡単かもだけど、ゴブリンや巨大アリみたいに一発で倒すのは……


 そうなると、人面樹の反撃も考えないと駄目になるわけで……


「隙ありだ。今度こそ、余の命令に従ってもらう。【マリオネット】!!」


「敵じゃなくて、私に向けてどうするのよ!!」


 ヒューイの手から半透明の糸が出てきて、私の方へと伸びてきた。NPCでも【アーツ】が使えるのは良いんだけど、明らかに支援系じゃないでしょ!! 【マリオネット】っていう【アーツ】名もそうだし、『余の命令に従ってもらう』とも言ってるからね!!


【マリオネット】に捕まれば、ヒューイの命令に従う事になるんだろう。これによって、ヒューイと組んだ冒険者達は操られたのが理由で負けしまったわけだ。多分だけど、半透明という事でモニター越しでは見えてないし、声も遮断されてるから、受付嬢や観客達も分かってないのかも。


「これで余の思う通りに動く。勿論、お前には負けてもらうつもり……」


「こんなの物!!」


 私は【嘆きの森】で炎の魔法を【受け流し】をした要領で、【マリオネット】の手刀で叩き斬った。


「待て待て待て!! 【マリオネット】は魔法の糸だぞ!! B級の冒険者ですら操る事が出来たのだ。触れた時点で終わりのはずが、素手で斬るなんて……一体何をした!!」


 B級の冒険者を操るぐらいに【マリオネット】が強く、触れた時点で効果が発動するなら、確かにおかしい。私自身、試しにやってみただけで……って、そういえば!!


「アンタには分かるわけないわ」


「何だというのだ!! 【アーツ】や【スキル】でもなく、別の何かだとでも!!」


 格好良く言ってみたけど、千城院さんがくれた【赤の修道服】の魔法耐性の効果だと思う。私の手刀じゃなく、魔法耐性によって【マリオネット】は遮断されたわけ。


 けど、ヒューイからしたら、【マリオネット】が素手で破られたと勘違いしてもおかしくないわけよ。


 これも修道服という事で神の導き、天……じゃなくて、千城院さんの恵みだから。


「冒険者は余達とは違う。余よりも優秀である事を認めるわけにはいかぬのだ!! 別の魔法ガハッ!!」


「あっ……」


 私とヒューイ、二人にして人面樹の存在を忘れてた。そのせいで人面樹が松ぼっくりみたい物を投げてきたのに気付かず、ヒューイに直撃。それを受けた後、立ち上がってくる素振りが全く……


 私の方が人面樹の近くにいたのに、ヒューイが攻撃されたのは声を大きく出してたからなのかも。


「これは……パートナー、ヒューイ様がまさかの戦闘不能になり、レッド様の第三試合は敗北となってしまいました!! 快進撃が続いていただけに、勿体ない結果に」


 ヒューイの意識が無くなった事で、まさかの敗北が決定!? どちらかでも戦闘不能になったら敗北は聞いてたけど、一撃で戦闘不能になるなんて予想出来ないから。 人面樹も試合が終わった事により、魔物撃破と似たような感じで、目の前から消えていく。

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