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お決まりの台詞です


「……ここは!? 【アイン】に戻るはすじゃないの?」


 黒狼戦で死んだ後、蘇生されないままに【アイン】に強制送還されたはずなんだけど、目が覚めたのはいつもの噴水がある場所じゃなくて、知らない建物なんだけど……


「死んでしまうとは情けない。神様がカズハ様に再度チャンスを与えてくれました。今度こそ、七匹の獣を討伐するのです」


 私は棺桶の中に入ってたみたいで、神父が目覚めから嫌な言葉を投げかけてきた。多分、これは用意された定型文なんだろうけど……そうじゃなかったら、殴っていたかも。


「ここは……教会? そういえば、十字架が飾ってある建物があったかも……じゃなくて、ギルドに向かわないと!!」


 受付嬢に今回の【ゴミ拾い】に対しての文句を言う……ためじゃなく、もう一度【蛍の森】へ行くための【転移の翼】を貰うためにも……教会から外へ出ないと!!


 私が【アイン】に戻るまでの時間に、千城院さんとマンが黒狼に仕掛ける事はなく、少しばかり会話をしてるように見えただけ。急いだら、黒狼戦に再度間に合うかもしれない。


「待ちなさい!! 貴女が死んだ事で失った物や得た物があるかもしれません。それを確認せずともいいのですか? ちなみに生き返らせるため、所持金の半分を頂いてますからね」


 神父に所持金が半分減らされただけじゃなく、他にも取られた物があるとか聞き捨てならないところだけど……そこはツッコんでる暇はないから。


「受付のお姉さん!! もう一度【転移の翼】を貰う事は出来ないかな? 急いで、【蛍の森】へ行きたいんだけど」


 教会からギルドまで走り、いつもの受付嬢に声を掛けた。私達を推してくれてるなら、【転移の翼】を渡してくれるはず。


「カズハ様!? ズタボロの服装を見るに、もしかして……魔物相手に負けて、戻ってきたんですか!?」


 黒狼の影の針に貫かれた箇所が【青の修道服】に残っていて、所々が空いた状態になってる。一度死んだ事に修復はされないみたい。


「そうだよ。明らかに格上の奴がいて……今からでもマンだけじゃなくて……彼女も助けに行きたいの」


 思わず、千城院さん……千の名前を口にしそうになったけど、単独行動をしてる時点で周囲に知られたくないのかもしれない。受付嬢も千城院さんが参加してるのを内緒にしてたわけだから。


「マン様も危ないわけですか!? それに彼女というの紅様ではなく……」


 受付嬢も私が紅と呼ばず、彼女と言った事で察したかもしれない。


「残念ですが、カズハ様に【転移の翼】を渡す事は出来ません。死亡した事で【ゴミ拾い】のクエストは失敗となりました。それにより、アイテムも没収されたはずです。一度は入手したので、カウントはされますが……」


【BOX】を確認してみると、【蛍の森】で手に入れた【錆びたナイフ】や【パンくず】等のアイテムやゴミが無くなってた。神父が言ってたのは、この事かもしれないんだけど……


「なら、もう一度同じクエスト、【ゴミ拾い】を選べわば……時間はまだ大丈夫だよね?」


【ユニユニ】の時間で一日経過まで三時間以上は残ってる。


「それも駄目なんです。失敗したクエストを同じ日に受ける事は出来ない規則になっているので……そのクエストでなければ、戦闘に参加する事も無理なはず」


【ゴミ拾い】のクエストを無視して、自力で【蛍の森】へ向かっても、千城院さんとマンを助けに行く事が出来ないわけ!?


 という事、私が出来るのはマンが無事に戻ってくるのを待つだけ? 千城院さんは別の街で【ゴミ拾い】のクエストを引き受けたみたいだから、【アイン】に来る事はないんだけど……

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