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紅は方向音痴?

「はぁ……紅がさっき言ったみたいに、今知れた事に感謝だわ。【ヒール】を使った時にでもHPが見えてない事に気付くべきだったし」


 ゲームをやってなかったとしても、兄さんがやってたのを何度も見た事があったし、RPGも知ってたわけだから、結構恥ずかしいんだけど……


「気にするな。私もそこのところは全く気にした事はなかったからな。強くなる時は強くなるし、死ぬ時は死ぬだけだ」


 マンはそこに関しては全然気にしてないみたい。実際、私も紅から聞くまではそうだったからね。


「分かった。この話はここまでにして、【蛍の森】に行かないと」


 村人に【蛍の森】の場所を聞けばいいんだけど、【MAP】でも確認してみる。【MAP】は場所だけじゃなく、情報も記載されてるからね。


・【蛍の森】 夜になると無数の神秘な光が舞うとされてるが、それを見た者はごく僅か。【蛍】の光に似ただけで、実際に【蛍】は確認されてない。素材として、虫や骨が採取出来る事も。


「何よそれ……綺麗な場所だと思ったのに。素材が虫や骨も微妙に嫌なんだけど」


【ゴミ拾い】時にアイテムをGETする以外に、【蛍の森】にある素材も忘れたら駄目と思ったけど、虫や骨は……何か嫌だ。


 魔物が出るとしたら、イモチュウみたいな虫型と幽霊じゃないでしょうね? 幽霊だったら、殴る事も無理なわけだし……


「うげっ……私は絶対虫を素材で手にしないから。足が多いやつは余計に無理。イモチュウと遭遇したら、すぐに逃げてたからね」


 紅は虫嫌いなのか、心底嫌な顔をしてる。虫が好きな人なんて滅多にいないから。マンは……何とも思ってないかな。何も考えずに拾うイメージがあるわ。


「貴女達は森に行くつもりなのか?」


 集まってきてたNPC……村人達が私や紅にも話し掛けてきた。


「冒険者の一人が何度も森に入っては、家を修理するための木々等の素材を持ち帰ってきてくれるんだよ。彼同様、感謝の気持ちしかなくてな」


 それは……私や紅もマンやその冒険者みたいに、村を建て直すための手伝いをしろって事?


「それは私達にも建物修理の手伝いをして欲しいわけ? ……って、冒険者が一人先に行ってるんだった!! 虫はいらないけど、良いアイテムとか先に取られる可能性が高いじゃないの!! 私は先に行くから」


「ちょっと!!」


 紅は面倒臭そうに、私が思った事を口にしたのはいいけど、それを放置して【蛍の森】へ行くのは止めて欲しい。冒険者は何時間も前から【ゴミ拾い】をしてるから、今更だと思うんだけど……


「森の中で欲しい物があれば、メモしてくれたら助かるぞ。カズハや紅も気にかけてくれるはずだ」


「はぁ……仕方ないか。気にかけるけど、あまり取れなくても文句は言わないでよね」


 マンが手伝うと言ってしまった手前、断る事も出来ないでしょ。これによって【スキル】が手に入る可能性も……ゼロではないでしょ。


「おおっ!! それは助かります。森の中にゴミが集まると、それと同時に魔物が大量に寄って来て、唸り声が聞こえる事も。ですが、次の日になると魔物の姿は消えてるので、無理に倒さなくても大丈夫ですからね」


「あの冒険者が結構な数を倒してるんじゃないか? 毛皮とか肉も置いてくれてるし」


【ゴミ拾い】のクエストは一日で違う場所に変更されるみたいだから、魔物の数が減るのも分かるかも。もしかしたら、【ゴミ拾い】の時は【蛍の森】に生息する魔物以外が来る事があったりする?


「【蛍の森】はあっちの出入口を出て、すぐのところだよ。気をつけて行くんだよ」


 村人が指さした方向は紅が走って行った方向と逆方向。


「反対方向じゃないの!! そこは教えてくれてもいいのに」


 紅は別の村人に教えて貰ったのか、文句を言いながら戻ってきて、また別の方向に走っていくんだけど……


「まさかなんだけど……方向音痴ってわけじゃないよね?」


 紅は再度戻ってきて、私達と一緒に行く事にしたわけなんだけど、【蛍の森】で遭難なんか……しないよね?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白い展開でいつも楽しく拝読しております。 まだ途中までですが、この後もワクワクしながら拝読します。
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