仲魔にする方法其の二
「其の二は……その魔物の手伝い、協力するだって。餌集めを手伝うの? これも言葉が分からないと無理でしょ」
餌集めにしても、私達自身が餌になる可能性だってあるわけだし。一度戦闘してる間柄なんだけど……
「……今回は諦めるしかないんじゃない? それとも、ダメ元でパーブルーダに挑戦してみる? 三太が死ぬだけだと思うけど」
「何もしないよりかは……ここまで来たわけだし、三太自身も活躍したいと思ってるはずだから」
千城院さんに理由を話せば、分かってくれると思うけど、やっぱり期待には答えたいわけで……
「最悪、パーブルーダの子供を人質に……余計に怒りを買うだけだね」
「それは止めとこうよ。なりふりかまってられないかもだけどさ」
四壱も凄い事を考えるけど、流石にそこは止めとこう。やってる事がタコナス達と同じになるわけだし。
「……巨大鳥の手伝いなら、その子供達を魔物達から守るのはどうなんだ? 魔物が増えたのは巨大鳥の子供を狙ってる気がするぞ。巨大鳥が追い払ってる時もあったしな」
「そうなの?」
藁にも縋る気持ちで、私はカイに聞き返した。
「もしかしたら、俺達が襲われたのも、標的が同じだと勘違いされたのかもしれない。巣の近くに行かなければ、襲われる事も滅多にないからな」
パーブルーダがいる時は魔物が出現せず、何処かに行けば登場する。カイ達が襲われたのも、食料を取りに巣の近くまで行ったせいでもあったのなら……
「それは……ありかも。パーブルーダじゃなくて、その子供を仲魔にするのはありなんじゃないの? 子供に親を説得させるわけよ」
「魔物から赤ちゃんを守るわけだ。三太に赤ちゃんを攻撃させるわけじゃないよね?」
流石にそこまで鬼畜な事は人質にする以上に駄目でしょ。赤ちゃんを守る事で、仲魔にした方が断然良い。
「三太がパーブルーダに挑むよりかは、やってみる価値はあるね。赤ちゃんに見えるよう、巣の方に行かないと。途中で撃破しても分からないわけだから」
「確かに……魔物達はまだ巣まで着けてないんだよね?」
「ん? そうだな。途中で巨大鳥が戻ってくるから。今日は……いつも以上に戻ってくるのが遅いから」
「だったら、今から行けば間に合うんじゃない? それとも魔物達を巣まで素早く誘導させるとか?」
「それは赤ちゃんに魔物達の仲間と勘違いされると困るから。けど、巣に行くのは賛成。魔物達よりも先に巣へ着かないと駄目だし、パーブルーダが戻ってくる前にね」
「三太の活躍は必須。タクシーがあるから先行出来るはず。マンのスピードがあれば間に合うかな? まずは二人を呼び戻さないと」
「ちょっと待った。筋肉が先に行ったら、三太が活躍出来ないままに倒しそうじゃない? 赤ちゃんも巻き込む可能性だって……」
四壱の言葉に紅が反論。紅もマンの事が強さが分かってるから。マンが先に行くよりも……
「か、カイ!!」
突然、ミナミが驚いた顔して、小屋から飛び出してきた。




