三太では無理がある
「赤ちゃん!? 巣にパーブルーダの子供がいるわけ!? ちょっと見てみたいんだけど……」
紅はヒューマ国の【フォース】でぬいぐるみをGETしてたからね。どんな赤ちゃんでも可愛いはず? 最初からデカくて、襲ってこなければ……ね。
「絶対じゃないぞ。食料の探索中、巨大鳥の巣からピーピーと鳴き声が多数あるんだよ。それも巨大鳥とは全然違うな。そいつ等の餌を取りに、別の場所に行ってるんだと思う」
「なるほど。子供のために餌探しを……タイミングは悪いかな。今の状態でエルフの国まで運んでくれるかどうかもあるけど、赤ちゃんがいる以上、警戒心が高くなると思う」
「確かに四壱の言う通りかも。けど、ウサ男の案を考えたら、この状況もパーブルーダを仲魔にするためのフラグだったりしないかな?」
この状況がパーブルーダを仲間にするためのイベントだったりするんじゃないの? 丁度良いタイミングでウサ男からのメールが届いたんだから。
「えっ!? あの巨大鳥を手懐けるつもりなのか!?」
私の言葉にカイは驚いてる。仲魔にするのは倒すよりも難しいかもしれないしね。
「そうだね。エルフの国に用事があるんだけど、空を飛ばない限りは間に合いそうにないから。ギルドがパーブルーダを乗り物に出来るみたいに言ってきたんだよ。ついさっき、その方法が送られてきたわけ」
ウサ男の【魔物使い】が魔物を使役、仲魔にする方法を確認してみる。
「どれどれ……方法は一つじゃないんだ!!」
魔物を仲魔にする方法は一つじゃないみたい。其の一、其の二とか書かれてる。
「まずは……【魔物使い】が仲魔にしたい魔物に餌を与える。好物が分かっていたら尚良し」
「パーブルーダの好物って何? 魚人? この島にある物じゃないでしょ」
「だろうね。この島から離れるぐらいだから。けど、魚人を与えるのは無理があるから。【魚人肉ソーセージ】も好物かどうか」
「そこはマンには悪いけど、【BOX】の中にある食べ物で試していくのもありかな」
下手な鉄砲も数撃てば当たる。好感度みたいなのは少しずつでも上がってくれたらOKでしょ。
「次は……魔物の体力を九割減らす。そこからは【魔物使い】が攻撃を続けたら、確率で仲魔になる。それと……【魔物使い】で魔物の体力を三割は削らないと駄目……」
「三太の攻撃でパーブルーダの体力を三割減らすのは無理でしょ。そもそも、相手の体力がどれだけあるか分からないんだし」
「【ユニユニ】は数値化されてないからね。それでも職業とか【スキル】、【アーツ】で知る方法があるのかも。僕達にその能力はないけど」
そこは職業が【学者】だったり、本物の【魔物使い】の【スキル】で確認出来たりするのかも。
「だね。三太もそうだけど、マンが下手に攻撃たら、八割以上減らしてもおかしくないし」
それに加えて、私や紅、四壱が攻撃すれば、三太が三割分のダメージなんて与えるのも無理そう。
「そうなると……別の方法がいいわね。其の二は戦闘とは関係なくなるわけ? 説得……するにしても、言葉が分からないと駄目じゃないの?」
魔物を仲魔する方法の其の二は紅の言う通り、戦闘とは関係なし?




