秘め事ですか?
「カイは自分で船を作って、【シーシー】に戻ると言ってたけど……確認しておかないと、目覚めが悪いかも」
「姐さん達のために船を出してくれた人ですから。この島にいた場合、協力は惜しまないですよ。確か……何処かに拠点を作ってましたよね?」
「海辺の何処かだったと思う。木で簡単に作ったけど、パーブルーダに襲われてない事を祈るけどね」
ここは紅と四壱、三太の三人しか分からない。私とマンはカナリアと海の四人で行動してた時だったから。
「魚人がいなくなって、代わりの餌をカイに……それは流石にちょっと……」
パーブルーダの島は南の島同様に森が広がっていて、その森を上手く利用すれば、パーブルーダに見つからずに済みそうだと思うけど……
「あれか? 簡単に作ったにしては凄いぞ」
マンが指差した先には小屋があった。私達全員がのんびり出来るくらいの大きさはあるんだけど……
「あれあれ!! あの小屋はカイが魚人達に手伝わせてたからね。マグロもOKしてくれたし。その後、パーブルーダに食べられてしまったけど……」
カイとマグロは人魚の件で敵対してたから。マグロが食べられたのは……仕方ない。
「そこはね……あの小屋だとしたら、側に木船が置いてあるんだけど……まだいるんじゃないかな?」
「本当だ!! 魚人達が何処かへ行って、別の魔物が登場でもした? だったら、余計にさっさと島から出ていくと思うんだけど……」
水着イベントが終われば、海に魔物が出現するから、今の内に【シーシー】に戻った方がいいからね。
「そんな魔物は私が倒してやるぞ。話を聞きに行こうではないか。パーブルーダの前座だ。それと……この島に居続けたのなら、何か美味しい食べ物でも貰えたらいいのだが」
マンはダッシュでカイの仮住まいに突撃訪問。話を聞くこは建前で、食べ物を所望してるだけなんじゃ……最近、【ユニユニ】で何か食べる機会がなかったし。
「頼もう!! カイは無事か……」
マンは小屋のドアを開くと、一時固まって状態に。そこからドアをそっと閉めた。そして、ゆっくりとこちらに戻ってくる。
「えっ……何!? もしかして、カイが亡くなってるとか」
紅が不吉な事を言ってる。小屋の中でカイが死んでる? 発見された事で消滅したとか? 流石に知り合いがそう云う風になるのは悲しいかも。もしそうなら……
「タコナス達の仲間がこの島に隠れてて、カイを殺した? 南の島から逃亡したって話だし」
ここも危険だけど、再起するためにもって感じ? あの小屋を拠点にするにしても、カイが邪魔だから……
「いや……そうじゃない。女性とイチャイチャしてた。その姿を見て、あまりにも気不味く……」
マンは恥ずかしい姿を見たようで、顔が赤くなり、手で顔を隠した。
「ちょっと!! ちょっと待ってくれ!! それ以上は何も言わないでください!!」
慌てたように、小屋からカイも飛び出してきた。それもマンと同じく、パンツ一丁の姿で……




