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兄さんは心配性

「ぷはははっ……面白過ぎでしょ。案内役にゴリラ扱いされた挙げ句、PK達がいる場所に飛ばされて、最後には全裸の漢に助けられるなんて。まるで漫画じゃないの」


「事実だからね。あんな出会いだったから、マンとは普通に話す事が出来たのかも。ツッコミどころが満載だったからさ」


 四壱は私の話に大笑いしてる。四壱と私が逆の立場だったとしたら、そうしてるだろうから文句は言えないところ。


「助けて貰ったとはいえ、滅茶苦茶怪しい奴じゃないか!? そこまで出来る【ユニユニ】も凄いと思うんたが、全裸はヤバいだろ」


 兄さんはプレイヤーにも悪い奴がいると言ってたからな。開始早々PK達に遭遇したし、違った意味でマンが危ない奴と思ってるかもしれないけど……


「そこは大丈夫。パンツを履いて、全裸じゃなくなったるし。職業が【漢】というのもあってだからさ。良い奴で、面白い奴なのは間違いないから」


「七兄も心配し過ぎだよ。ゲームなんだから大丈夫だって。千城院さんと仲良くするために、ゲームまで追い掛ける方が怖いから」


「酷い言われようなんだけど……【ユニユニ】が面白くて、やってるのも本当だからね」


 千城院さんと仲良くなるためだけど、【ユニユニ】も楽しいと思ってるのも確かなんだよね。


「う〜ん……ゲームを楽しんでくれるのは嬉しいんだが、悪影響がないとも。【ユニユニ】が独特で面白そうなのは確かだけどな」


「悪影響って……私もマンみたいに全裸に!? 流石にないからね。私と一緒だから、マンが全裸になるのを止めてるまであるから」


 悪影響ってそういう事だよね? 流石に強さを求めるのに全裸になろうとは思わないから。千城院さんに変な目で見られるだろうし、普通に街へ入るのも無理だったからね。


「全裸なのは置いとくとして、マンの強さは驚きだよ。最初は私の空手も通じると思ったけど、魔物相手にはなかなかね。どんな魔物でも倒せるように強くならないと……」


 野盗やゴブリンは大丈夫だったけど、スライムやホブゴブリン相手だと全然だったから。空手というより、私自身の力が足りてない。そこはやり込むしか方法がないわけで……


「いやいや……そこは違うから。一葉は職業を【僧侶】に選んだわけだから、回復を鍛えるべきでしょ。それなのに前へ出たがるんだから、頭が戦闘民族なのよ」


「うっ……痛いところを突いてくるな。【ヒール】も一度しか使ってないけど……そこまでキツイ戦闘は無かったから」


 マンがいるのもあって、そこまで厳しい戦闘は無かったんだよね。


「でも、今日は【ログイン】出来ないって、マンが言ってたかな。大学は昼までに終わるし、【ユニユニ】をやり込んで、【ヒール】も使っていこうかな。クエストも全部終わってないし」


【ログアウト】前にそんな事を聞いた気がする。クエストは【アイテム、素材を十種類入手】と【NPC十人に話し掛ける】が残ってるだけだから、それぐらいはしておきたい。マンはすでにそれだけのアイテムは所持してるから問題ないし、NPCに話し掛けるのは私一人の方が楽かも……勿論、D級の資格を貰うのはマンと一緒の時にするけど。


「ちょっと待って!! 今日は僕と一緒に映画を見に行く約束をしてるのを忘れてるでしょ。【ユニユニ】を始めたから、そんな事だと思ってたけど」


「あっ……そんな事もあったね」


 四壱と映画を見に行くと【ユニユニ】をする以前から約束してたのを忘れてた。

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