一番似合ってるのは?
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「こっちの準備を出来てる。南の島に連れて行くだけのはずが、人魚の調査を頼む事になって、本当にすまない」
「こっちは全然大丈夫だぞ。そのために冒険者という存在がいるわけだ。俺からしても人魚の写真を取っておきたいからな」
私達を南の島に案内するのは、ギルドで魚人と言い争っていたカイという人物。私達と同じくらいの年齢かな? ねじり鉢巻きと焼けた肌と白いTシャツがよく似合ってる。
武藤さんはいつの間にかカイと仲良くなってるみたいで、話を勝手に進めていく。
「絶対会えるわけじゃないけど、いつも同じ場所に現れる事があるから。少し遠回りになるけど、それを確認しようと思ってる」
「分かってます。万が一何かが起こった場合、私達が対処しますから。勿論、会話が出来る事に越した事はないですが」
カイの会話はカナリアが担当してくれた。ギルドでの会話もカナリアと四壱が聞いてたわけだしね。
「助かります。マグロに関しては……俺達から少し離れて、ついて来ますんで。まずは人だけでの反応を見てもらうつもりです」
「マグロ……一緒に同行するんだったよね。姿が見えないんだけど」
マンが美味しそうとか言ったから、その名前を聞くとお寿司の姿が頭に浮かんでくるんだけど……それは置いといて、離れてついてくるのは正解かも。人魚は魚人を敵視してるだけで、人は問題ないかもしれないわけだし。
「マグロなら海の中で待機してる。そっちの方が楽みたいだ」
カイの言葉に反応したのか、マグロが海の中から尻を出した。頭隠して、尻隠さずじゃないんだから。
「というわけで、早速出発させてもらうんだけど……アンタ達のその姿……似合ってるな。それは言っておくべきだなと思った。特にそっちの筋肉の男……一番似合ってるんじゃないか?」
「おおっ!! そう言って貰えると、私は嬉しい。Vの水着が不評だったから尚更だな」
「そこはモデルのカナリアやカズハを褒めるところだと思うぞ」
武藤さんは小さな声でカイに伝えてるけど、普通に聞こえてるから。けど、私達の中で一番水着を着こなしてるのは誰かと言われたら、満場一致でマンになるかも。
そこはカナリアもそうだし、武藤さんも認めてたりする。だって、マンが新しく着た水着は白のフンドシだから。これを水着と言っていいのか疑問ではあるけど、これ以上ピッタリなのはないと思うぐらいだし。
「俺達もフンドシ姿の時もあるからな。彼が本当に似合い過ぎてるからさ」
カイはちゃんと服を着てるけど、ズボンの下は……そこは想像するもんじゃないから。
「彼の姿は置いといて、出発時間よりも早いですが……大丈夫なんでしょうか? 南の島までどれぐらいかかりますか?」
カナリアは南の島到着までの時間をカイに質問した。勿論、人魚の調査をするのも含めての時間だと思うけど……




