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スライムは強敵である


「そろそろ夜になりそうですが……【ハイソン】の村が見えてきましたよ。このまま進もうと思うのですが……カズハ様の方は大丈夫ですか?」


【ユニユニ】の世界も現実と同じで、夜になる前にはオレンジ色の夕方なるみたい。


【ハイソン】が村というのもあるのか、街々の道は舗装されてるけど、村までになると少し荒れた道となってる。そういうのもあって、ここまで来るのに三時間(現実では一時間)経過してるわけよ。そうなると魔物と一度も遭遇しないわけがなく……


「体力的には全然大丈夫だけど、うぅ……気持ち悪過ぎる。武器を持つ気持ちが少し分かったかも。手に残る感触が……それも違う形で二度、三度ある!? 色々と精神的ダメージが大きいから」


 私達が遭遇したのは【アイン】の街で料理の材料となっていた芋虫型の魔物イモチュウとスライム。この二匹の魔物が曲者だったのよ。野盗とかは別に相手にならないから。


 まずはイモチュウ。イモチュウは本当に芋虫のような姿なんだけど、私と同じぐらいの大きさがあった。攻撃手段は丸まっての【体当たり】と【粘着糸】を吐く事。


 最初、イモチュウがどんな攻撃をするのか分からないから警戒したんだけど、【粘着糸】を吐かれた時、【受け流し】をしたら、腕が糸でぐるぐる巻にされ、そのネタネタさといったら……


 その後、残った片方の手で【体当たり】してくるイモチュウに正拳突きをして撃破したんだけど、その感触もブニョブニョした後に、ネタ〜と体液が伸びたのがまたね……


 スライムに関しては、一番最悪の経験かも。


 スライムは色んなゲームの中で一、二を争うぐらいに有名な魔物。兄さんからも何度も聞いた事があったんだけど……


・スライムには魔法が有効。


・スライムは中心にある核を壊せば、倒す事が出来る。


・スライムは物理攻撃、主に素手の攻撃は通じ難い。


 それでも何とかなると、私は得意の正拳突きをスライムに向けて放ったんだけど、核に届かず、ゴムのように弾かれた。二度目は腕を掴まれたあげく、顔まで移動してきて、息が出来ない状態にさせられたから。


 そこはマンのパンチの風圧で、私の体からスライムを引き剥がし、再度マンパンチでスライムの体を貫き、核を破壊したわけなんだけど……


 武器を持つ気持ちが分かると言ったけど、空手をやってた身としては、素手でスライムを倒せなかったのが一番ダメージが大きいのかも。しかも、マンはそれをやってのけたから尚更ね。


「本当にくやしい〜!! 人なら簡単にぶん殴れるのに」


 考えていくうちに言葉に出してしまうと、少しはスッキリした感じがする。


「あの……カズハ様は僧侶ですよね? 物騒な事を言ってませんか?」


「そうだが? 酒樽も無事だから、問題ないだろ? あっちが本業だからな」


 私が叫んだ事で、乗り手は少しビックリしたのを、マンがフォローしてくれ……たのか? 殴るのが本業とか危ない人じゃないの!?


 まぁ……私自身、僧侶という事を忘れてた部分はあるんだけど。【ヒールLV1】を未だに一回も使ってないから。イモチュウやスライムに攻撃を受けたけど、自然回復で十分だったしね。


「私の職業は僧侶で間違いないから……うぅ!! 急に周りが臭くなってない? 汗と泥が混じったような……」


 スライムやイモチュウが登場した時でも、そこまで臭いはしなかったんだけど、草木の香りから汗のツンとした臭いの他に独特な臭いがするんたけど?


「私の体が汗臭いか? 結構な距離を移動したからな。汗をかいても仕方ないぞ」


「そんな風に見られてもおかしくないけど、マンからの臭いじゃないから」


 マンの姿は暑苦しい感じはするんだけど、汗自体全然かいてないし。そもそも、汗をかく事が出来るかも分からないんだけど……

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