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どう考えてもバレバレなんですが?

 馬車から離れる事数十メートル。倒れてるNPC?の場所までもう少しなんだけど、今の時点で相手が野盗の可能性が高い……というか、それしかないでしょ!! すぐさま☓印を掲げたからね。


 距離が短くなるたび、倒れてる相手の姿が分かっていくわけで……【アイン】にいるNPC、人達と服装や雰囲気が全然違うから。むしろ、マン寄りの格好。


 下はズボンみたいなのを履いてるけど、上は何も身に着けてない裸状態。それにナイフを片手に持ってるのも見えてるもんだから、見るからに怪しい。


「言葉巧み以前の問題でしょ。これもE級冒険者用のクエストだからかな?」


 野盗と分かれば、無視するのもありなんだけど、アイテムや何かの素材を持ってるかもしれないから、それを逆に奪い取る……落としてくれたら嬉しいところ。


 野盗の距離まで残り僅か。私の声が届くぐらいには近寄ってる。野盗自身もそれに気付いてるみたいで、体がソワソワしてるのがバレバレだから。


 けど、『大丈夫ですか?』と声を掛けて、【ヒール】を使ってあげた方が普通なのか……


「野盗なんでしょ。さっさと立ち上がりなよ」


 なんて、敵を回復するわけないし、【ヒール】も回数あるんだから勿体ない。倒れてる状態で、トドメを刺さないのがせめてもの慈悲だと思わないと。一応、確認はしておくけど……


「……何故バレたんだ? お前の仲間にも似た奴がいるだろ?」


 野盗はマンに似せようとして、そんな姿に……なわけないでしょ。


「アレは特殊なだけで、アンタは色々と怪しいところが満載だったから。武器を持ってたり、ソワソワしたり、怪我もしてない。後は……禿げてるし、顔も悪者顔だな」


「禿げてるのは関係ないだろ!! お前が馬車から離れた時点で、俺の役目は終わってるんだ。仲間達が荷物をウボッ!!」


 彼の役目は終わってるみたいだから、瞬時に距離を縮めて、鳩尾に正拳突きを一発。それだけで野盗はダウン。


「うっ……そこは仲間を心配して、後ろを振り向くだろ」


「そんな事したら、アンタは攻撃するなり、逃げるなりするつもりだったでしょ。だから、先手必勝したわけ。あっちも心配する必要ないと思うし」


 野盗をそのまま放置しても面倒だし、トドメとばかりに顔面に拳を振り落とした。本当は最初の正拳突きの一撃で仕留めたかったけど、そこは職業が【僧侶】の影響があったりするのかな……


「わっ!? いきなり消え始めるとか、ビックリするから!! 敵を倒した場合、こういう風に消えていくんた」


 倒した野盗は放置されるわけじゃなく、小さな光となって、徐々に消えていく。もしかしたら、私達プレイヤーが負けた場合も、こんな風に消え去っていくのかも。


「その後、アイテムや素材を落とす形になるわけだ……って、何も落とさなかったんだけど!! 持ってたナイフも一緒に消えなくても良かったんじゃないの!!」


 魔物を倒した場合、その魔物が持つ素材を手に入れる事が出来る。クエストの報酬もあるけど、その素材やアイテムを売る事でお金を稼げるわけよ。そのアイテムが無いとか最悪でしょ。今回のクエストにも関係するのに……何も落とさない事があるなんてね。


「はぁ……アイテムが駄目から、NPCと話した数……にも入ってないのか」


 普通に会話も出来たとしても、野盗はNPC扱いにはな、ないみたい。


「けど、魔物五種の内の一つが埋まったみたいだし、良しとするかな」


 敵として登場すれば、野盗でも魔物扱いになるのかも。


「うわ〜……た、助けてくれ〜」


 後ろの方で悲鳴!? 周囲に何処も隠れる場所なんてなかったのに、野盗の仲間が現れたの? マンがいれば安心だと思ったんだけど……


「パンツを履いたせいで、半分以下の強さになるのは本当だった!?」

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