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ダメ出しされました

「皆、早くに来てたんだな。はぁ……」


 やっぱり、マンの元気がない。来て早々に溜め息を吐くなんて事は一度もなかった。私達が早くに来てるだけでも、『遅れて申し訳ない』と大声で言いそうなものだったのに……


「……何かあったのか? 会って間もない俺でも、いつもと雰囲気が違う事は分かるぞ」


 兄さんでも心配するぐらいだからね。余程の事が起きたんだと思うけど……


「【合体技】の案を書き出していたら、姉さんに見られて、ダメ出しされてしまった。『相手が可哀想』とか、『自分の身になって考えて』とか『プロレス技から離れなさい』なんて……(ことごとく、禁止させてしまった。折角の案だったのに」


 確か……マンは三兄妹とか言ってたよね。一番上かと思ってたけど、実は真ん中になるのかな?


 兄妹が部屋に行き来出来るほど、仲が良い証拠なんだけど……


「それは……ダメージが酷そうだな。大人になっても厨二病気全開の案を家族に見られるなんて……寛容そうではあるが……痛い。痛すぎるぞ。それを見たのがカズハだったとして、キツイ言葉を投げていたかもしれない」


 兄さんは痛い程気持ちが分かるみたいに頷いてる。考えたり、書くのは楽しいけど、人に見られるのはね。しかも、普通にツッコまれてるから余計に……って、私はそんな事しない……とも限らないかな?


「姉に言われた事は気にしなくてもいい。俺達にはマンとの【合体技】は必要だぞ。俺の考えたのも大概だぞ。無茶させる事になるんだからな」


「まぁ……私達がOKなら問題ないでしょ。【ユニユニ】でその状況を見れるわけでもないし」


 私とマンとの【合体技】に関しては怖いところはあるけど、使える技があるかもしれない。マンの姉さんが【ユニユニ】をやってるとは思えないし。だって、マンの最初の姿は全裸だったからね。流石にそれは許さないでしょ。


「……確かにそうなんだが」


 その一瞬の間は何!? 他にも問題が発生したとかないよね?


「もしかして……まだ何かある感じなの? さっきの以上に痛い話はなかなかないと思うけど?」


「まさか……【ユニユニ】を辞めさせられるって事は」


 四壱と紅もマンの一瞬の間に不安を覚えたみたい。黒歴史並みの話以上に、言いにくいとしたら……


「それは断じてない!! そこは辞めろと言われても、辞めないぞ。だが……今回のイベントに関しては用事で少し遅れてしまう。三十分までには間に合うつもりだが……勿論、ギルドにも聞いたが、半刻過ぎてなければ参加OKらしい」


「何だ……三十分遅れるぐらいなら別に問題ないでしょ。参加出来なくなるより全然マシなんだから」


 紅はホッとした顔をしてるけど、そんな簡単な話じゃないかも。


「その三十分は……【ユニユニ】に対する時間ではないよな?」


 兄さんが恐る恐る言葉にするのもよく分かる。【ユニユニ】と現実では三倍の時間差があるから。現実で三十分なら、【ユニユニ】で一時間半。下手したら、BOSSが三体以上登場してもおかしくないから。



[すまない……7の言う通り、現実の方の時間だ。その間に【合体技】は出来ない。私が来るまで持ち堪えて欲しい」

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