大型BOSS攻略法?
「はいはい……そこは分かってるから。BOSSラッシュを終わらせるまでは行きたいところね。確か……サメ人間が一番強いらしいけど……何とかなる気はするから」
マンの存在もあるけど、サメ人は大型じゃなく、人型らしいから。私達は【クイーン】を相手にしたんだから、威圧なんかで怯む事はないと思う。
「問題なのは大型BOSSをどう倒すかだよね。私達の火力が足りてるのか。それこそ【合体技】を披露するタイミングかもしれないんだけど……」
【合体技】を大型魔物に試す機会がないんだよね。私達が試したのは野盗や普通の魔物。サメはともかく、大型BOSSに出来そうもない気がする。
「それに関してはブラックからアドバイスを貰ってきてあげたわ。ネタバレとか卑怯とか言ってる場合じゃないし。知ってる冒険者もいる事だから」
ブラックも【魚人軍襲来】には参加してない。理由は仕事関係らしいけど、紅の方から大型魔物対策をブラックに聞いたのかも。
「大型BOSSは火力があった方が早く倒せるのは間違いないし、攻撃回数も必要。それを少なく出来る弱点も存在するらしいわ。そこを見つけて、狙う事が可能性であれば……少人数でも倒せるはずよ」
紅は自信満々に言ってきた。ブラックの言う事だから間違いないだろうし、良い情報だったのは確かなんだけど……
「それに関しては申し訳ないが……分かってた。観戦してる中、弱点となる場所を狙ってる事が多かったからな。ウニは針と針の間の隙間だったり、タコとイカは眉間の部分もそうだが、一番は水の攻撃と……観察すれば意外と分かる事がある」
「クリアしてる冒険者がいるのも、そういう事だから。マンと三太が来て、全員揃ってるから言うつもりだったんだけど……」
折角の情報なんだけど、兄さんと四壱は申し訳ないという顔をして、紅に伝えると……自信満々の姿のままに一時停止。顔が赤くなっていき……恥ずかしさで、そのまま【ログアウト】するかも?
「そ、そこまで観察してるとか流石だわ。火力は……三太の【ハイパワー】や【ハイスピード】をマンに使うのもありでしょ。それで大型BOSSをワンパン……出来るほど甘くないだろうけど」
紅は話をすぐに切り上げた事で、なんとか【ログアウト】せず、引き留まる事に成功した。
「マンの強いのは分かるし、職業【漢】は補助魔法で得る効果が他よりも高いから……それでも流石に無理でしょ。一撃で倒したら、注目されるのは間違いないけどさ。それに期待するのは……」
全裸+補助魔法+弱点なら万が一の可能性があるかもだけど、全裸は……
「マンに補助魔法を使った場合、力の差が余計に出るから。【合体技】を使う時の危険度が上がると思うよ。補助魔法を使うなら、私達にじゃないかな」
「確かに!! 私との【合体技】の時は本当に酷かったと思ったけど、あれ以上の力と速さが増えたら……」
「同感だな。自分から言っておきながらなんだが、ラリアットの【合体技】をした時は、俺自身が瀕死に近かったからな」
マンの【合体技】で、紅と兄さんは自身の身を犠牲にするタイプだったから。反動というか、巻き込まれ事故というか……二人が戦えない状態になる。
「私の【合体技】が残ってるんだけど……同じみたいなのだったら、止めた方が」
「甘い!! 私達もやったんだから、カズハもやるべきでしょ。四壱の時みたいに使えるかもしれないし、三太に補助魔法【ディフェンスLV3】をかけて貰えばいいから」
紅は自分だけ酷い目にあったのが嫌なんだろう。兄さんも妹が危険な目に合うかもしれないのに、ウンウンと頷いてる。防御魔法を使えと言ってくれるだけ、紅の優しさがあるのかもしれないけど。