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難易度S


「おおっ!! 我が妹よ、どうした? いつもよりヤル気がみなぎってる感じがするぞ。【合体技】での良いアイデアが浮かんだのか?」


「紅も……昨日は嫌々な感じだったでしょ。それなのに今日は真剣な面持ちになってるけど、何かあった? 集合時間よりも早く来てるみたいだし」


 私と紅が【ユニユニ】に【ログイン】したのは同じぐらいの時間で、先に来ていた兄さんと四壱が私達のヤル気を察して、驚いてる始末。


 集合時間までは二時間はあるんだけど、兄さんと四壱は余念がないというか……兄さんも帰ってきて、すぐに【ログイン】したんだと思う。四壱が兄さんと一緒にいるのは……当然だと思ってしまってるわ。


 私は明日の音楽イベントを見に行くため、紅と特訓するつもりだったけど……その事で兄さんに買ってくるはずだった晩御飯を忘れ、兄さんの方が弁当を用意してくれてたというね……少し申し訳ない気持ちになったけど!!


「明日に用事が出来てね。【魚人軍襲来】の時間には間に合うけど、朝から準備が無理なわけ。だから、少しでも早く来て、今のうちに特訓をね」


「私も紅と同じ……用事があってさ。ちなみにバイトではないから」


「なんとなく予想出来たような……気になるのは仕方ないからね。そこで集中力を無くすよりかは全然ましと思うし」


 四壱は千城院さんが関係してると予想したみたい。紅と同じタイミングなんだから、仕方ないかも。千城院さんが【魚人軍襲来】に参加しない事も知ってそうだし。


「早めに来たのなら丁度良い。難易度Sが防衛が始まるところだ。別の場所の難易度Sも観戦出来るが……あっちはそろそろ失敗に終わりそうだからな」


 兄さんは難易度Sの防衛を観戦してる最中だったみたいで、そこの失敗は確実みたい。昨日の時点で難易度Dすら攻略が難しかったわけだから、難易度Sとなったら……


「けど、昨日に比べたら、クリアしてる場所は増えてるからね。支援や生産系職業の見せどころだったのかも。雨除けの道具とか、水に溶ける足止めのネンチャク液とか、水で滑らない靴等、色んな対策をしてたから。難易度Aのクリアもあったよ」


「昨日の冒険者の屍を越えていって、対策を考えるのは流石だわ。私達の場合は……天気は晴れになってるから、そこは大丈夫そうだけど」


 アキンドーやカナリアの防衛の時に雨はなく、徐々に広がっていく感じだったけど、最終日の終わりに近付いていくにつれて、止んでいくのが分かる。


 私達の防衛場所は最初の一時間だけで、次第に雨が止まっていく感じだし。


「その最初の一時間がBOSSラッシュだからな。雨の中のサメの動きはヤバいぞ。まだ最初だからマシかもしれないが。難易度SのBOSSラッシュはタイミングが違うだけで、絶対にあるな。二つ程見たが、BOSSラッシュは存在してた。そこで半壊して……」


「やっぱり連戦はキツイんだ? 集団戦よりも楽になるかと思ってたんだけど」


 兄さんもそんな事を言ってた気がする。けど、それは大型BOSSが一体登場する時だったかな。


「もしかして……大型BOSSが二体同時に出現するとか?」


「いや……似たようなものか。難易度Sにはインターバルがない。敵を全滅させたら、すぐにでも次の敵がやってくる。それも時間制限付きだ。時間内に倒せないうちに次がやってくる。それはBOSSも当然同じだぞ」


「それって……鬼畜過ぎるでしょ。確かにBOSSが二体登場するのと同じだわ。時間制限があるのは本当にヤバい」


「インターバルがなくても、最後の一体を倒すのに時間をかけたら、準備する事は可能だったからね。それをするためには敵達を早めに倒すしかないわけだから」


 紅はその話を聞いて、しかめっ面をしてる。六時間も続く戦闘で休みなしだから。その時間を作るため、敵をより早く倒したいけど、難易度Sだと冒険者の数が足りない。一騎当千の冒険者が必要になるわけ。


「けど、キツイのは最初から分かってた事だから。7が何度も言ってるけど、クリアするのが目的じゃないんだからさ」


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