重要イベント発生!?
「あれ……カズ……じゃなくて、宮森? 今日はバイトじゃなかったっけ? ダンスに興味があったなら、私が色々と説明してあげたのにさ」
フェスをやってる広場を歩き回ってると、千城院さんじゃなく、百瀬とバッタリと会ってしまった。
「バイトは店長が早めに店を閉めたからで……ダンスというより、ここの主催が千城院グループだったから、千城院さんが歌やダンスをする可能性を……って、百瀬は一人なわけ?」
思わずツッコんでしまったけど、百瀬の周りに友達がいる様子は……ないんだよね。
「一人で悪い!! 本戦関係なく、ダンスバトルを楽しめる場所みたいで、一人の方が気楽なの。予選が終わって、もう少ししたら、ステージで決勝トーナメントだから。宮森も見ていけばいいよ」
一人の方が気楽と言っておきながら、色々と説明するとか言って、私を誘ってくるのはやっぱり、さび……のは言わないでおこう。
決勝の準備が出来るまで、ダンスバトルを気軽にやってる。勝敗は観客達の反応みたいで、盛り上がってるのも、ダンスバトルが周囲で行われてる。
「決勝か……そこに千城院さんが参加……審査員でも良いんだけど、姿を見たとか……ない?」
「千様が!? そんなわけ……主催が千城院グループじゃないか!! 朝からいるけど、千様の姿なんか全然……もしかして、明日の音楽の部の方かも。だから、【魚人軍襲来】に参加出来なかった……考えられるかも!!」
朝の時点では千城院さんの姿はなかったわけね。明日の方に登場する可能性も確かにあるかも。ダンスと音楽だとしたら……イメージ的に音楽な気もする。
「明日はイベントの本番だし、準備万全にしたいけど……音楽の部が気になる。歌うとなったら……」
「ちょっと待って。あの人って……大学で会った銀髪の……本当に千様のお兄さんだったんだ」
ステージでダンスバトルの決勝トーナメントが始まろうとする中、先に三人の審査員の紹介があったんだけど、そこに銀髪の彼……千城院さんのお兄様の姿が。
千影という千城院さんの名前を知ってたし、同じ銀髪なわけなんだけど、百瀬が疑ってた気持ちは分からなくもないかも。彼がマンという可能性も捨て切れてはないんだけどね。
「という事は……明日がお兄様じゃなくて、千城院さんが審査員として来てもおかしくないんじゃないの!?」
お兄様が千城院グループの代表として来てるなら、妹である千城院さんが代わりになっても来てもいいでしょ。
しかも、お兄様は礼装ながらも紹介時にロボットダンスを軽く披露。ちゃんと様になってるのは凄かった。という事は!!
「だよね!! 服装も気になるところだし、ワンフレーズでも歌う可能性があるんだとすれば」
「「行くしかないでしょ!!」」
私と百瀬の言葉は重なり、自然と握手をしてた。気持ちは同じって事!!