足が勝手に……
メインの私とマンの【合体技】……結構良い時間にもなって、明日に繰り上げになったわけなんだけど……四壱達のを見る限り、私もちゃんと考えとかないと、ロクでもない事になる気がするから。
「マンだけじゃなく、紅や四壱も私に【合体技】を振ってくるかもしれないし」
紅はマンの【合体技】は嫌がるだろうから、私との連携を考えてくる気がする。紅の【アーツ】、【ダブル】のLVが上がれば、一人で【合体技】が可能かも。私と戦った【模擬戦】の時よりも進化はしてたわけだし。とはいえ、職業【双剣士】は誰でも出来るから、注目される事はないかな。
「ダンスを使った【合体技】とか……リズムを合わせる時間が足りないよね」
マンよりも四壱と私が紅に合わせて、リズミカルに攻撃。【ダブル】じゃなく、自分以外とするから難しいだろうし、派手な気もする。
「良いアイデアがあればと思ったら……」
店に貼られてるポスターで知ったんだけど、今日と明日、三駅程先にある大きな広場でイベントが開催されてるんだよね。音楽とダンスのイベントで、提供は千城院グループ。もしかしたら、千城院さんはこのイベントの手伝いをしないと駄目で、【魚人軍襲来】に参加出来なかったのかもしれない。
紅はこの音楽イベントには抽選で落ちたらしいんだけど、見に行くと言ってた。千城院さんの事を一言も言ってたなかったのは、主催が千城院グループとは知らなかった可能性もあるかも。
「千城院さんも歌かダンスで参加してるなら、見に行くしかないんだけど……」
千城院さんがステージに立ったら、参加者以上に目立つに決まってる。【合体技】そっちのけで見に行くんだけど、そこは裏方に回ってる気がするんだよね。
「……やめた。今日は本屋に行ってみようかな。プロレスの本とか、ダンスの本を見に行くのもありだし。漫画で登場する技もやってみたら注目されるかもだから」
【合体技】以外でもプロレスやダンス、漫画の技を空手と組み合わせるのも面白そう。マンも【アーツ】関係なしでプロレス技を使ってるんだから、出来ない事はないと思うし。
「これも先の事を考えたら、【ユニユニ】で千城院さんの役に立つ時が来るかもしれないわけだから」
バイトしても生活費の足しにするのと、貯めるだけだったから、本を買うぐらいは無駄使いにはならないでしょ。
「本を買った後にでも何か食べ物をテイクアウトしようかな。昨日は兄さんが麻婆丼を作ってくれたわけだし、ずっと家にいると思ったけど」
私がバイトに行くよりも早く、兄さんは外出してた。土日は【ユニユニ】に時間を費やすと思ってたんだけど、【魚人軍襲来】の時間が決めたところで、別の仕事が入ったのかも。
「買うのは、あそこの屋台で焼いてるたこ焼き……って、あれ?」
色々と考えているうちにバイトが終わって、電車に乗り、音楽が鳴り響く場所にいるんだけど!!
そこには屋台はあるし、大きなステージもある。更には周囲には個々でダンスバトルを楽しんでるメンバーもいたりで、盛り上がってる。
「うっ……万が一の事もあるから、自然と足が向かってしまった」
九十九%なくても、一%でも可能性があるなら、千城院さんの勇姿を見たいと思うのが、ファン心なんだよね。