ウサ耳再び
「すみません……再度並んで貰えるのはありがたいのでが、要件の方を……」
「ご、ゴメンナサイ。【戦闘演習】クリアの報告と、【魚人軍襲来】に参加したくて。私とマン、紅と三太のペアでお願いします」
【戦闘演習】のクエストを選んだ時と同じウサ耳オジ受付のところに並んだ……というか、誰も並んでないから、ウサ耳オジ受付の前で話してしまってたんだけど……
「はい……皆様のクエストクリアを確認しました。勿論、四壱様や7様も含まれているからね。それから、【魚人軍襲来】への参加も可能となりました。カズハ様、マン様のペアと紅様、三太様のペアですね……登録しました」
ウサ耳オジ受付が言った通り、私達一人一人の前に【魚人軍襲来】の参加した事と、ペア相手の顔も表示された。
「それでは【魚人軍襲来】についての説明を」
「事前情報と同じ内容だったら、別になくても良いんだけど?」
【魚人軍襲来】の知識は事前にメールで届いてたからね。追加情報がなかったら、さっさと四壱や兄さんと合流した方がいいし。
「大丈夫です。追加情報はちゃんと仕入れてありますから。細かな部分もそうですが、ペアになった時の恩恵等ですね」
ペアになった時の恩恵!? 敵を倒したら、同じポイントを貰えるとかなら予想出来るけど、他に何かあったりするわけ?
「恩恵もそうだが、細かな部分も聞いておくべきだな。彼も話したそうにしているぞ。独自で調べた情報かもしれない」
マンはウサ耳オジ受付が独自で調べた情報だと期待してるみたいだけど……
「す、すみません!! 今教えるのはギルドで用意された情報でして……貴方様達が戦闘開始するまでに調べて、メールにでも送らせてもらいます。そういうのも必要なのですね」
マンの期待する目にウサ耳オジ受付は耐えきれず、独自に調べると私達にだけ聞こえる声で宣言。常連客を作るためには必要だと勝手に理解したみたいだけど……見た目がアレだと、それもありなのかも。
「おおっ!! 感謝する」
「良いんじゃないの? 相手が相手なだけに、情報を貰えるのは助かるし」
マンと紅はその言葉に喜んでる。アキンドーは【フレンド】も多そうだし、色んな情報を持ってるイメージがあるんだよね。だからこそ、兄さんが仕事で取材する事になったわけだし。
「が、頑張ります!! それでは……先にペアの情報を提示しますので。その後に細かなルールの方を」
・ペアになった場合、撃破したポイントは共有となる。
・大型イベントのため、他の冒険者に回復、補助魔法を使う事も可能になるが、ペアであれば効果が僅かながらに上昇。
・ペアが死んだ場合、一度だけ蘇生が可能(両方で一回)。【アーツ】や道具は各自で用意しなければならない。蘇生可能時間は三分。それまでに蘇生出来なければ退場。
「死んだ場合の例外ありと書かれてたけど、これの事ね。パートナーがいれば、どちらかが復活可能なわけだ……【アーツ】も道具も持ってないんだけど!!」
どちらが復活すれば、その分ポイントを稼げるようにはなる。ペアになる強みではあるけど、私に蘇生させる【アーツ】もなければ、道具もないからね!!
「マンと紅は……」
「うむ!! 持ってない!!」
「でしょうね。【クイーン】戦の時に復活してくれなかったわけたし。勿論、私も持ってないから」
マンは一緒に行動する事が多かったし、私に出会う前に手に入れた道具に期待したんだけど……紅に関してもブラックから貰ったりなんて……なかったみたい。
「三太の所持してた【アーツ】の中にもなかったんじゃないの? アイテムを持ってたら問題ないんだけど」
「復活させる魔法はまだで……復活のアイテムもレアみたいで、調合士の7さんなら作れたりしないんですかね?」
「なるほど……それは聞いてみる価値はあるかも。一回でも復活ありという事は、結構キツイかもしれないし、持ってる事に越した事はないでしょ」
兄さんも流石に攻撃アイテムばかりじゃなく、回復アイテムも作成してる……と思いたい。




